モードコントロール車体設計技術
車体の変形を考慮しコントロールする、逆転の発想から培った日産の車体設計技術
クルマの静かさや乗心地には車体の剛性が重要ですが、剛性を上げると車体は重くなります。日産は、車体の剛性と軽量化という背反する性能を車体設計技術で解決しました。
車体を軽量化すると、入力に対して変形や振動が生じやすくなります。そこで、あらかじめその変形を考慮した最適な形状でコントロールする逆転の発想で、軽量化と静かさ、乗心地を両立させる技術を開発しました。
これにより、振動による揺れや騒音の少ない快適なドライブを実現し、電気自動車にはさらなる静かさを提供します。
技術の仕組み
振動している車体には、節という動かない点が必ずあります。その振動の節に力が加わるように車体を設計することで、乗員の振動を極力抑え、乗心地を良くします。
このモードコントロール設計技術(ノーダルマウント)は、解析技術を駆使し、車体の形状や板厚などを工夫して、車体の振動の節の位置と路面から車体への入力点を一致させるようにコントロールしています。
さらに、静粛性を良くするためには、路面からの凹凸により発生するフロアの振動を抑えることが重要です。日産は、曲面形状とビードを適切に配置する工夫により、ひずみを分散させてフロアの共振を抑えるパネル構造を開発し、ロードノイズを低減しています。

モードコントロール設計技術の一例

フロアパネル設計の例