GT-Rが時代をつなぐ「トミカ愛」

2020/01/16
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2020年1月15日に行われた、株式会社タカラトミーが展開するミニカーブランド「トミカ」の50周年に関する記者会見にお邪魔してきました。内容盛りだくさんだったこのイベントを、ぜひご紹介したいと思います。

「日本の子どもたちに国産車のミニカーを」

冒頭、タカラトミーの富山幹太郎会長は、1970年トミカ誕生時のエピソードをこのように披露されました。

確かに、当時のミニカーはマッチボックスやホットウィールなどの舶来品ばかりで、車種もムスタング(当時はマスタングをそう呼んでいました)やコルベット、ワーゲンのビートルなどが主流でした。スーパーカーブームよりもっと前の話です。

以来半世紀。トミカは通常モデルだけでも1,050車種、計6億7千万台が世界の子どもたちの手に届けられました。これは距離にして地球1.7周分、時間にして2秒に1台というペースだそうです。富山会長と、タカラトミーベーシック事業部の竹内俊介部長より、「これは自動車メーカーのサポートなしでは実現できなかった」と謝辞をいただきました。
こちらこそ、日産車を取り上げていただきありがとうございます。

会場には1,050車種のトミカが一堂に会し、壮観の一言! 駐車場や高速道路といった懐かしい周辺商品も展示されていました。

半世紀続くトミカは、親子だけでなく3世代間で共通の商品となっています。「昔、このクルマに乗ってたんだよ」「この最新モデルはここがすごい」などの話で会話が弾み、楽しいコミュニケーションツールとしてきっと活躍するでしょう。

この日の記者会見では、トミカの50周年を記念した様々なイベントやタイアップの記念事業の発表がありました。その中でも目玉だったのが、自動車メーカーとのコラボプロジェクトです。これはホンダ、トヨタ、日産の3社が、それぞれ社内でデザインコンペを実施し、特別な50周年記念トミカを作るというもの。ホンダは「シビック TYPE R」、トヨタは「スープラ」、そして日産は「GT-R」をベースとしたデザインを披露しました。「GT-R」は昨年50周年を迎えており、50周年記念トミカにふさわしい車種といえるでしょう。

「およそ40年前、日産がレースに参戦する際にスポンサーとなっていただいたご恩に感謝し、当時のカラーリングをインスパイアしました」と語るのは、「GT-R」統括責任者の田村宏志。

1972年に初代「GT-R(C10型)」でのレース参戦が終了後、石油ショックなどの要因もありワークス活動(メーカーとしてのレース参戦)を休止していた日産が、10年後の82年にレースカーを開発。「日産ターボ軍団」と呼ばれたスーパーシルエット(「スカイライン」「シルビア」「ブルーバード」をベースとした、「グループ5」というカテゴリのマシン)のひとつ「トミカ スカイライン ターボ」は、「スカイラインがサーキットに帰ってきた!」と当時のファンの心を大いに動かしました。市販の「RS」と同じ赤黒ツートンカラーをまとい、フロントスポイラーとサイドには「TOMICA」の文字が誇らしく掲げられていました。ドライバーはワークスドライバーの長谷見正弘選手(現NISMO名誉顧問)。当時のエンジンの特性から、アクセルオフ時にエキゾーストから大きな炎を吹き上げる迫力のシーンは、ニスモフェスティバル等でご覧になった方もいらっしゃるかと思います。

「『スカイライン R30』の頃は、様々な時代背景から『GT-R』は設定されていませんでしたが」と前置きしつつ「トミカの歴史の1ページとなった『トミカ スカイライン ターボ』に敬意を表し、現代の『GT-R』に再現してみたんです」と、メーカー3社の責任者が揃ったトークショーで、田村がこの仕様を採用した経緯を説明しました。

このトークショーでは、トヨタ「スープラ」開発責任者の多田哲哉氏、ホンダ「シビック TYPE R」開発責任者の柿沼秀樹氏、そして「GT-R」統括責任者の田村の3人が、まるで童心に帰ったように目を輝かせて、予定時間をオーバーしてしまうほど「ミニカー愛」を語り合いました。田村は「現行『GT-R』のカタログの最後のページをご覧になってみてください。まさに今皆さんとお話ししたような、子どもの頃ミニカーをローアングルで眺めて何時間も遊んだシーンを最終ページに掲載しております」と紹介しました。

実際の商品については、「シビック」は今年4月開催の「トミカ博 in OSAKA」、「スープラ」は6月開催の「東京おもちゃショー」、「GT-R」は8月開催の「トミカ博 in YOKOHAMA」にてそれぞれ公開され、全国で発売予定です。「GT-R」については、実際の車両でのラッピングカーも制作予定です。どうぞ、お楽しみに!

記者会見全編録画

フォトギャラリー

タカラトミー「トミカ 50th ANNIVERSARY」特設サイト

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