「お客さまだけの1台」を作る、日産ならではの生産方式

2019/11/27
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日産は、クルマを未来へと導く「ニッサン インテリジェント モビリティ」という活動に取り組んでいます。これは「技術の日産」を具現化する取り組みです。

「技術の日産」と聞くと、「プロパイロット 2.0」に代表される自動運転支援技術や電動化技術を想像されるかもしれませんが、実は、日産は生産方式の分野においても最新の技術や他社とは一線を画す手法を取り入れています。新車受注を受けてから納車までの間、どのような生産方法で「お客さまだけの1台」が作られているのか? 日産ならではの生産方式を紹介します。

日産は、世界トップレベルの品質とイノベーションを多くのお客さまに提供できるように、常に高品質で高効率な「モノづくり」に取り組んできました。この伝統は、1933年の創業当初から変わらず受け継がれています。

1935年、自動車部品から最終組み立てまで一貫生産を行う横浜工場を操業しました。それまではハンドビルドで生産しており、この工場は日本で初めての自動車量産工場でした。当時の日本国内の自動車供給状況は、輸入車が市場の大半を占め、国産車は2,247台、割合にすると6%と僅かなものでした。日産自動車の創業者である鮎川義介はこの状況を変えるべく、国産車の量産化にいち早く取り組み、横浜工場で「ダットサン14型」の量産を開始し、このクルマは、日産を一躍有名にするヒット車となりました。2年後の1937年には10,227台を生産。民族資本の自動車工場としてはアジア一の生産規模に達し、アジアや大洋州地域への輸出も開始しました。その後も、生産技術の改良に取り組み、今まで人が作業していた工程を機械に伝承し多くの人にクルマを提供できるようになりました。横浜工場の操業は、日産の「モノづくり」の原点なのです。

時代も変わり、自動車の普及が進むにつれて、自動車メーカーが提供する製品のバリエーションが増えるとともに、お客さまがクルマに求めるニーズも多様化しました。より良いクルマを高い品質で生産するために、これまで培ってきたモノづくりの理念やノウハウをまとめた「日産生産方式」が1994年に誕生しました。また当時の日産は、生産拠点を海外へと拡大し始めた頃でした。それまでは工場によって生産方法や考え方に一部違いがあり、国内工場の担当者が海外工場支援などに行くと、工場ごと、担当者ごとに指導内容が異なり混乱するケースがありました。そこで、国内外各工場の良いノウハウをとりまとめ、共通のモノづくりの考え方として「日産生産方式(Nissan Production Way)」を作成しました。共通の考え方とすることで、すべての工場で高品質なモノづくりをすることを目指したのです。

1997年には、「お客さまからの受注情報に基づき生産する」という日産生産方式で実現したい具体的な目指す姿として、「同期生産」を定義し、展開しました。同期生産とは、お客さまからの注文をもとに生産計画を作成し、サプライヤー、生産工場、物流会社、納車前整備センターに同時に共有し、その計画通りに一貫したものの流れで生産する方式です。お客さまの要望を反映したクルマを生産するためは、量と種類の変化に柔軟に対応できる生産システムが必要です。

日産は、同期生産を実現するために、生産ラインにフレキシブルな生産設備と管理システムを導入し、どんな車種でも自由な順番で生産できる環境を整えるこことしました。日産は同期生産を導入することによって、お客さまだけの高品質な1台を効率的に生産し、全てのクルマを納期予定どおりにお届けすることを目指しています。

ルノーとのアライアンス締結後は、それぞれの良いノウハウを織り込んだ「アライアンス生産方式(Alliance Production Way)」が規定され、現在日産とルノー、さらに三菱も加わり世界中の生産工場で導入されています。まだ一部の工場では品質、設備、変動対応などの課題のため、100%の計画遵守ができない場面がありますが、「限りないお客さまへの同期」「限りない課題の顕在化と改革」というAPWの考え方のもと、「お客さまだけの1台」を生産し、確実に届けることができるよう、モノづくりの実力を磨き続けます。

日産のモノづくりの考え方とその生産方式について、その一部をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか? 日産のモノづくりのこだわりは、皆さんの目に見えないところにも組み込まれています。

日産の生産工程における革新は、日本初の量産工場・横浜工場を操業したときから始まっています。モノづくりにおける絶え間ないプロセスの改善は、日産にとって永遠のチャレンジです。日産はこれからも、魅力的なクルマやそれに搭載される先進技術の開発に加えて、生産技術のイノベーションを実現することによって、より多くの人にクルマの技術革新を届け、安全で持続可能な、心おどる未来の実現を追求していきます。

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