脳波測定による運転支援技術 (Brain-to-Vehicle)
ドライバーの脳波を検知し、リアルタイムにクルマの制御に活用することで、思い通りのよりエキサイティングなドライビングを提供します
この技術は、脳波測定技術を適用する研究の成果で、ドライバーの次の運転操作のタイミングや、ドライバーが持つ違和感を把握します。
この技術による利点は、次の2つです。
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運転が楽しくなる:ドライバーはクルマからの自然なサポートに気が付くことはなく、自分自身がクルマを思い通り
にコントロールしているという感覚が高まる - 自動運転を自分に最適にカスタマイズできる:自動運転時に、クルマが自動で行う操作が常に自分にとって違和感のないものになる
これらを実現するための技術の仕組みをご紹介します。
技術の働き
ドライバーがステアリングを回す、アクセルペダルを踏むなどの操作をする直前に、脳の行動準備電位を検出し、ドライバーが操作を開始する前からシステムが操作を開始することで、ドライバーの反応の遅れをカバーし、ドライバーが思い通りの運転をできるようサポートします。
例えば、きついカーブが連続する山道では、クルマを思い通りにコントロールしながら走り抜けることができるので、自分の運転がうまくなったように感じます。また、ドライビングスキルが高く、山道でも思い通りに運転できるドライバーには、実際よりも性能の高いクルマを運転しているかのように感じられます。
自動運転時に、脳波からドライバーの違和感を検出し、ドライバーが違和感を持たない自然な制御の自動運転にカスタマイズすることを可能にします。
例えば前方との車間距離が近すぎると感じた場合、この技術はその瞬間の脳波を分析し、その人にとって最適な車間距離を維持するよう、自動運転をカスタマイズしてくれます。
技術の仕組み
日産の脳波測定による運転支援技術(Brain-to-Vehicle)は、世界で初めて、ステアリング操作などの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイム検出、また、ドライバーが思い描いた運転と、実際に行われている運転が違うと感じるときのエラー関連電位(Error
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日産のB2Vは、ドライバーがヘッドセットを着用することで計測された脳波をシステムが解析、判断し、自動運転に適用します。また、マニュアル運転時には、脳波によってドライバーの意思を把握すると、ドライバーが操作を開始する0.2~0.5秒前にクルマが運転操作を開始します。このことにより、ドライバーはシステムのサポートを意識することなく、スムーズに走行することができるようになります。