消防・救急対応のボランティアを続ける日産の従業員

ラリー パウエル、シニア品質エンジニア(米国)

日産は、交通事故のない社会をめざして、安全への取り組みを大切にしています。万が一の衝突時に乗員を守り、被害を軽減するためのクルマの設計や安全技術だけではなく、事故そのものを減らしていく新しい技術でも次々とイノベーションを生み出しています。日産が目指しているのは、乗る人が安心して運転できるクルマ、つまり「走る楽しさと豊かさ」を実感できるようなクルマなのです。

業務以外のプライベートの時間においても、地域の安全を守るために地元に貢献している日産の従業員がいます。

米国テネシー州にある日産デカード工場で、シニアエンジニアを務めるラリー パウエルを紹介しましょう。ラリーは、地元の消防団で10年以上にわたって消防や救急のボランティアを務めています。

ラリーは消防団のボランティア副団長として、これまで、緊急対応が求められるさまざまな現場に立ち会ってきました。

救助の場面では冷静で的確な判断が求められます。精神的に強くないと務まらないこともあります。「現場にいち早く駆け付ける緊急初動対応ボランティアには、精神的な強さも肉体的な強さも求められます。私自身、交通事故で亡くなってしまった方の現場に初めて立ち会った時のことがずっと忘れられません。被害者は若い方で、4車線あるハイウェイを酔っ払い運転のドライバーが逆走してきて追突されたんです」

厳しい局面に直面することもある中で、ラリーはボランティアに従事する理由を次のように話しています。「周りの人を助けることにやりがいを感じています。特に、危険や困難を伴うような状況では、自分が人の役に立っていると強く感じます」
このような思いから、ラリーは規定時間の訓練を受けてテネシー州の消防・救助のインストラクターの認定も取得しています。現在、地元キャノン郡において、消防・救助のボランティアを務めるかたわら、住宅火災の消火や交通事故現場での要救助者の救出に求められるスキルなど、初期緊急対応の基礎訓練の講師も務めています。

ラリー パウエル

消防や救急は危険を伴う仕事です。また、ボランティアの隊員は、訓練や出動などにプライベートな時間を割く必要もあります。こういった背景から、ボランティアへの応募に積極的な人は多くいません。それでもラリーは、人を助けたいという志のある人を探して、訓練していきたいと願っています。

「緊急対応ボランティアを務めていると、日産のエンジニアとして自分の仕事がいかに大切なのか、いつも新しい視点で見つめなおすことができます。私はさまざまな部門が関係するグローバルなチームにいます。私たち全員、クルマの安全性を高めていくためにひとつの気持ちになって、力を尽くしています。交通事故のない社会にむけて、エンジニアも、安全技術の設計担当者も、自分たちの責任をしっかりと果たしています」