CSOメッセージ

CSO

サステナビリティは日産の企業の基盤や文化の中核に位置づけられています。よりクリーンで安全、よりインクルーシブな誰もが共生できる世界の実現を目指すため、日産は環境、人々、社会や将来の世代を尊重し、これまでサステナビリティ戦略「NissanSustainability 2022」のもとであらゆる活動を行ってきました。

サステナビリティ戦略を策定するにあたり、社会や環境における課題を論議し、当社が対応すべきサステナビリティにかかわる重要課題(マテリアリティ)を21項目にわたり特定しました。これにより、日産の取り組みの優先順位を明らかにすることができました。取り組みの進捗はエグゼクティブ・コミッティおよび取締役会にてその内容を報告しています。

その中でも、気候変動への対応は最重要課題のひとつです。日産は2050年までに、事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルの実現を目指しています。今年更新を予定している現在の中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2022(NGP2022)」では、「気候変動」の領域にてCO2排出量削減目標を設定し、活動を進めています。2022年度には新車のCO2排出量を41.2%削減(2000年度対比)、企業活動のCO2排出量を27.7%削減(2005年度対比)しました。NGP2022では、「気候変動」のほかに「大気品質」、「資源依存」、そして「水資源」に関する取り組みも重要課題として推進しています。

日産は、よりクリーンで安全、よりインクルーシブな社会の実現を目指す長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の一環として、2030年度までに電気自動車(EV)19車種を含む27車種の新型電動車を投入します。

さらに、EVの急速な普及に伴い、変化するお客さまの生活様式や電力需給に対応すべく、持続可能なEVエコシステムの構築にも取り組んでいます。そしてこの取り組みを加速化するべく、戦略的なサステナブル・ファイナンス・フレームワークを2022年に策定しました。この新たなフレームワークのもと、必要な資金調達を進め、次世代の電動車やバッテリー、環境技術、そして新たなモビリティサービスなどの領域でイノベーションを続けていきます。

2022年度、日産は、環境分野で世界的に権威のある国際的な非営利団体CDPより、「ウォーターセキュリティー」の部門で4年連続となる「Aリスト」企業に認定されました。加えて、「気候変動」の部門では10年連続で最高評価の「A / A-」を獲得しています。また、国連が支援する「Race to Zero(レース・トゥゼロ)」キャンペーンへも参加しており、数値目標についての説明責任を果たしています。

私たちは、常に社会のニーズを意識し事業活動を行っています。「社会性」側面では、「交通安全」、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)」、「品質」、「サプライチェーン」、「従業員」「地域社会への貢献」の6つを重要領域として定め、取り組みを推進しています。

さらに、マテリアリティ分析の結果、日産ではすべての活動の基本原則である「人権」を、真摯に対処すべき最重要課題のひとつとして位置づけました。この考えのもと、デューデリジェンスの一環として人権アセスメントを実施し、世界各地で日産およびパートナーにおける人権リスクの確認を行っています。

これからも進化を続けて事業を行っていくうえで、包括的なサステナビリティの観点を持つことがより重要となります。日産は、次のニッサン・グリーンプログラムをはじめとする新たなサステナビリティ戦略を、今年度の発表に向け策定を進めています。この新しい戦略は、日産の事業において重要な役割を果たしていきます。

日産は「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」というコーポレートパーパスを掲げ、お客さまへ価値をもたらす商品、サービス、技術を提供するとともに、従業員にとっても、これまで以上に公正で公平な会社となっていくことを目指し、より持続可能な未来に向けて邁進していきます。

日産自動車株式会社
専務執行役員、チーフサステナビリティ オフィサー(CSO)

田川 丈二