「エクストレイル」は2000年11月13日の発売から今年で25周年の節目を迎えます。
2000年の初代デビュー以降、本格SUVとして時代をリードしてきた「エクストレイル」。現在のエクストレイルは、上質さを高めただけでなく、「e-POWER」、「VCターボエンジン」、「e-4ORCE」などの先進技術を装備し、日産の技術を象徴する1台となっています。
今年で25周年を迎える「エクストレイル」は、グローバルで約810万台を販売し多くのお客さまに愛されてきました。そして現行のT33型「エクストレイル」は95か国で販売されているグローバルモデルとなっています。
今回は、そのエクストレイルが歩んできた25年の軌跡を辿ります。
「エクストレイル」の由来

「エクストレイル(X-TRAIL)」という名前の由来をご存じでしょうか。
「X-TRAIL」の「X」はスノーボードやスケートボードなどのエクストリームスポーツを象徴し、未知への挑戦や4×4の力強さなど、挑戦的でアクティブなイメージを表現しています。そして「TRAIL」は足跡やオフロードの道、険しい地形を意味します。
この2つを組み合わせた造語である「X-TRAIL」は、アウトドアフィールドに近づくための新しい発想の4WDであることを意味しています。

T30型「エクストレイル」は『4人が快適で楽しい、200万円の「使える4駆」』を商品コンセプトに、アウトドアスポーツを楽しむ20代~30代のユーザーをターゲットに開発したSUVでした。
当時、多くのお客さまがSUVに対して「価格が高い・運転しづらい・燃費が悪い」というイメージを持っていました。そんな中、2000年に誕生した「エクストレイル」は、オフロード4WDを諦めていたお客さまのSUVへのイメージを覆す、操作性や快適性が売りのSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)としてデビューしました。

T30型「エクストレイル」は、アウトドアやスポーツユースに適したゆとりのある室内空間とクラストップレベルの荷室の広さを確保しただけでなく、荷室のラゲッジボードは取り外して水洗いできるほか、シートに撥水加工を施すことで水や汚れを簡単に拭き取れるようにしました。このような工夫のおかげで、濡れたまま車内で過ごせるようになったり、泥や砂で汚れてしまったスポーツ用品などもラゲッジにそのまま載せても後で取り外して洗えたりと、アウトドア・スポーツユースならではの悩みを解消しました。
2003年のマイナーチェンジでは、最大45度のチルト角を持ち、運転席の有効スペースを大幅に広げるポップアップステアリングにより、運転席でも靴の履き替えが楽にできるようになったほか、休憩時にシートを倒して横になってもステアリングに足が当たらないなど、快適性が大きく向上しました。
さらに、ルーフレールとルーフバーに加え、ドライビングランプという3つの機能を持った「ハイパールーフレール」は、従来のルーフレールとしての機能を備えただけでなく、ルーフレールの先端に装着されたドライビングランプによって、ハイビームよりも広範囲を照らすことができるようになり、夜間走行時には運転手へ安心感を与えます。


雪道や砂浜など、さまざまな道でも安心して走れるように、新たな4WDシステム「ALL MODE 4×4」を採用しました。このシステムは、運転状態・路面状況を検知し、後輪に必要なトルクを伝達します。市街地などの通常走行時は前輪駆動(2WD)とすることで低燃費を実現、AUTOモードは、前後輪の駆動を自動的に配分することで、路面状況に沿った運転が可能に、そしてLOCKモードでは、発進時に前後のトルク配分を固定し、卓越した悪路走破性を実現しました。このように、走るシーンに応じて、最適なドライブモードを選択できることを可能としました。

さらに、ターボ車に搭載された「SR20VET」は、世界で初めてVVL(可変バルブリフト&タイミング)とターボを組み合わせて、最高出力280PS(206kw)を実現しました。当時のハイパフォーマンスエンジンである「SR20VET」が、スポーツカーではなく、200万円台で手軽に購入できたSUVの「エクストレイル」に搭載されたことは多くの人々を驚かせました。



2代目「エクストレイル」(T31型)はT30型のDNAを継承・進化させ、「アウトドアスポーツを最大限満喫するためのタフ・ギア」をコンセプトに、開発されました。一目でわかる「エクストレイル」らしさ、優れた悪路走破性を予感させるエクステリア、大人4人でも快適に移動できる広さ、優れた機能性と上質感を融合させたインテリアを備えただけでなく、高い走行性能と扱いやすさを実現しました。

2代目「エクストレイル」の最大の特徴は、最新の電子制御4WDシステム「オールモード4×4-i(ヨーモーメントコントロール)」による、全天候型の走破性能でした。4WDコンピューターがステアリングの操舵量を検知する舵角センサー、車両の旋回情報を判断するヨーレートセンサー、Gセンサーからの情報を瞬時に分析し、ドライバーが通過するコースを予測しながら、自動的に前後のトルク配分を行うことで、滑りやすい路面でも、滑らかに曲がることができるようになり、運転が不慣れなお客さまも自信をもって運転できるようになりました。
さらに「ヒルディセントコントロール」と「ヒルスタートアシスト」の機能も加えることで、アウトドアフィールドでの運転では避けられない山道の下りや坂道発進時など、不安を感じるシーンでも安心して運転することができるような機能も魅力でした。

そして機能面では、広く効率的に荷物を積めるウォッシャブルダブルラゲッジ、質感を向上させたフル防水インテリアなどの充実した収納・快適装備を採用することで、アウトドアアクティビティによって濡れたり汚れてしまったアイテムを躊躇なく積載できる、より使い勝手の良い室内空間を実現しました。




3代目「エクストレイル」は、「アウトドアスポーツを楽しむ若者をターゲットにした、進化し続ける本格SUV」として開発され、初代・2代目のもつアウトドアイメージを引き継ぎながら、スタイリッシュな外観と高品質かつ機能性の高いインテリアを備えて登場しました。

「ヒルスタートアシスト」、「アドバンスドヒルディセントコントロール」、そして「ヨーモーメントコントロール」機能を搭載した定評のある4WDシステム「ALL MODE 4×4-i」を継承しながら、世界初となる「アクティブライドコントロール」「アクティブエンジンブレーキ」や、「コーナリングスタビリティアシスト」といった走行中の安定性や快適性を高める先進技術を採用した「インテリジェント4×4」により、元来高く評価されてきた4WD技術をそのままに、乗り心地や運転のしやすさ、安全性などを大幅に向上させました。
さらに2017年のマイナーチェンジを経て、駐車をサポートする「インテリジェント アラウンドビューモニター」や高速道路において、アクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、お客さまのドライブをサポートする高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を採用するなど、さまざまな先進技術を搭載し多くの人々を驚かせました。これらの技術は、日常の買い物から休日の長距離移動に至るあらゆるシーンで、ドライバーの負担を劇的に低減してくれるものでした。


さらに装備面では、前型で好評だった防水加工フロア、防水シート及び大容量の防水ラゲッジルームを継承したほか、荷物のサイズや種類に合わせて自由自在に空間を仕切ることができるフレキシブルラゲッジ機能や、日常生活やアウトドアシーンまでさまざまなシーンで活躍するハンズフリー機能付きリモコンオートバックドアを採用し、使いやすさを向上させました。



2022年に登場した4代目エクストレイルは、初代モデルからのDNAである「タフギア」を継承しながらも上質感のあるデザインに加え、進化した第2世代「e-POWER」と「VCターボ」、そして電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載したことで、まったく新しいSUVへと生まれ変わりました。

高出力モーターを搭載した第2世代「e-POWER」が力強く、なめらかな走りを実現するとともに、発電用エンジンに日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用し、常用域から加速時までエンジン回転数を抑え、高い走行性能と圧倒的な静粛性を両立しました。さらに、日産の電動化技術と4WD制御技術、シャシー制御技術を統合した、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」は、前後2基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御し、4輪の駆動力を最適化し、雪道や山道の走破性に力を発揮するとともに、市街地走行など、あらゆるシーンや路面状況において乗る人すべてに快適な乗り心地を提供しました。

機能面では、ラゲッジの開口部を広げ荷物を取り出しやすくした他に、1500Wの100V AC電源を装備することで、キャンプなどのアウトドアシーンや非常時の電源として活用できるようになりました。さらに、エクストレイル専用にチューニングされた9スピーカーのBOSE Premium Sound Systemにより車内に居ながらもハイレベルなオーディオ体験も提供します。


さらに、2025年には「ROCK CREEK」や「NISMO」などさまざまなモデルも登場し、お客さまはそれぞれのライフスタイルに沿った「エクストレイル」をお選びいただけるようになりました。アウトドアを楽しむ方には、防水シートなどの装備と個性的なデザインを備えた「ROCK CREEK」が、スポーティな走りを求める方には、専用チューニングと洗練されたスタイルを持つ「NISMO」が、それぞれのこだわりに応える一台としてラインアップされています。

25年もの間、多くの人々に愛されてきた「エクストレイル」は、初代から続くDNA「タフギア」を今もなお引継ぎながら、上質さにも磨きをかけた本格SUVとして世界中多くのお客さまから愛されています。
その歩みの中で、「エクストレイル」は常に時代のニーズに応え、アウトドアを楽しむ方々の期待に寄り添いながら進化を続けました。4代目の「エクストレイル」は、日産独自の電動化技術「e-POWER」や、四輪駆動制御技術「e-4ORCE」など、先進技術を惜しみなく搭載し、力強い走りと快適な乗り心地を両立しています。また、アウトドアシーンに加えて、街乗りでの使いやすさや安全性を追求したことで、幅広いお客さまのライフスタイルに寄り添う存在となりました。
これからも「エクストレイル」は、未知への挑戦を続けるすべてのお客さまの相棒として、ワクワクする体験と安心をお届けし続けます。