LFPバッテリー
低コストと長寿命を実現する電池技術
LFPバッテリーは熱安定性や耐衝撃性が高く、材料にコバルトやニッケルなどのレアメタルを使用しないため低コストかつ長寿命であることが特長です。日産は、日本国内でLFPバッテリーを開発・量産を行うことで国内の産業基盤を確立し、蓄電池のサプライチェーンの強靭化を図るとともに、LFPバッテリーを車載するEV等の普及を促進させることで、グリーントランスフォーメーション(GX)にも貢献していきます。
LFPバッテリーの特徴
現在EVのバッテリーとして主に使われているのは、ニッケル、コバルト、マンガンを正極材に使用した「三元系(NCM)」と呼ばれるリチウムイオン二次電池です。
これに対し、LFPバッテリーはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと呼ばれ、正極材がリチウム(Li)、鉄(Fe)、リン(P)から構成されるリチウムイオン二次電池になります。
LFPバッテリーは三元系電池と比較して、以下のメリットが挙げられます。
1. レアメタルを使用しないため低コストでの生産が可能
ニッケル、コバルトなどのレアメタルを使用しないため原材料の価格を抑えられます。
2. 高い熱安定性と耐衝撃性
熱への安定性が高く、発火や火災のリスクが低いため、高温の環境下でも安全に利用できます。
3. 長い寿命
通常、蓄電池は充放電を繰り返すことで劣化が進みますが、日産は、LFPバッテリーにおいて三元系電池の倍以上の寿命を目指しています。
さらなるLFPバッテリーの性能向上に向けて
優れた特長を持つLFPバッテリーですが、一方で三元系のリチウムイオンバッテリーと比較するとエネルギー密度が低いため、航続距離を伸ばすことなどが課題とされています。
日産は、これらの課題を解決しながらLFPバッテリーの独自開発を進めており、全固体電池、三元系リチウムイオンバッテリーとあわせて電池のバリエーションを増やすことによって、お客さまの多様なニーズに応えることのできるEVラインアップを構築していきます。
なお、日産のLFPバッテリーの開発および量産は、2024年9月に経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」として認定されています。