2010年に初のグローバル量産型電気自動車(EV)として誕生した「日産リーフ」は、電気で走る、まったく新しいクルマのあり方とライフスタイルを提示しました。
2025年6月にグローバル発表された新型「リーフ」は、日産のEVラインアップの最新モデルとして、また世界初の3代目のEVとして、その革新的なDNAを引き継ぎながら大胆な進化を遂げています。15年にわたる実走行から得られた知見と、280億kmを超える想定累計走行距離で得たデータを活かし、効率性と航続距離の最大化を図っています。
日産のデザイナーとエンジニアが、EVをどのように捉え、日本独自の美意識や繊細なデザイン要素を織り込みながら、あらゆる面で効率を追求した新型「リーフ」を生み出したかをご紹介いたします。
日常に「楽しさ」をもたらすデザイン
開発初期から、「楽しい」というキーワードをもとにデザインが検討されました。デザイナーとエンジニアは、日常使用の中でワクワクするような、高揚感や遊び心を加えることを目指しました。
例えば、正面から「リーフ」を見ると、エンブレム下からデイタイムランニングライトまでの黒いアクセントがまるで笑顔のように出迎えてくれます。また、クルマに近づくとオーナーを迎えるかのように現れるフラッシュドアハンドルなど、ドライブを快適で楽しくする「おもてなし」の精神が随所に見られます。


デザインと空力性能の両立
エクステリアの開発にあたって、デザイナーとエンジニアはミリ単位の調整を繰り返しながら、デザインを最適化しました。日産バッジをまたがるフロントのキャラクターラインも、慎重に設計されました。このラインは、車体の上下を流れる空気を分ける役割を果たし、位置をわずかに上げるだけで航続距離が最大16kmも変化する可能性がありました。

「Ⅱ三」パターンの意味
新型「リーフ」には「ニッサン」を表現する縦2本・横3本のラインからなる「Ⅱ三」パターンが散りばめられています。充電ポートリッド、ホイール、テールランプ、内装のアクセントなどにこのモチーフが使われています。ぜひ探してみてください。


晴れた日に驚きをもたらす先進的なルーフ
日産初の調光パノラミックガラスルーフは、ガラス層間に調光フィルムを内蔵し、電圧を変えることで透過する光の量をコントロールします。高遮熱ガラスにより暑い日の遮熱効果が高まり、エアコン使用量の削減にも貢献。後部座席では、従来のサンシェードがないことで得られる広いヘッドルームと、晴れた日に座席に映る"LEAF"ロゴの影を楽しめます。


隠された雲のモチーフ
「リーフ」のデザイナーは、日本の伝統的な霞文様からインスピレーションを得ました。新型「リーフ」では、日本美術で雲を表現する際に使われる丸みを帯びた長方形が連なる模様を、センターコンソールなどの内装パネルにさりげなく施しています。調光パノラミックガラスルーフの段階的な変化も、空を流れる雲のような印象を与えます。


リアに宿る「デジタル禅」のシグネチャー
新型「リーフ」のテールランプには、3Dホログラフィック構造が採用され、「デジタル禅」の要素を表現しています。深みのある独特な見た目を生み出し、見る角度によって奥行きが変化するように見えます。ここにも「Ⅱ三」パターンが隠されています。
シーンに応じてカスタマイズできるライティング
車内では、アンビエント照明を好みに合わせて調整することができます。64色から選べるほか、日産デザインチームが開発した5つのプリセットも用意されています。中には、時間帯に応じて照明とデュアルスクリーン が変化するプリセットもあり、朝焼けのような輝きから、昼は明るめに、そして夜になると落ち着いた明るさに調整されます。
公道でもサーキットでも目を引くターコイズブルー
フォーミュラE世界選手権シーズン11の最終2戦では、「リーフ」にインスパイアされた特別デザインをまとったマシンがファンを驚かせました。23号車と17号車のレースカーがロンドンのコースをターコイズブルーカラーで疾走し、新型「リーフ」のシグネチャーカラーに敬意を表しました。シーズン11は、オリバー・ローランドがドライバーズランキングで見事シリーズチャンピオンを獲得して締めくくられました。

