日産フォーミュラE、チームの成功に大きく貢献した日本の技術開発部門との連携

日産フォーミュラE、チームの成功に大きく貢献した日本の技術開発部門との連携

2025/04/02
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日産自動車は、唯一の日本自動車メーカーとしてフォーミュラE世界選手権シーズン11に参戦しています。全12レース中4レースを終えた3月末時点において、日産フォーミュラEチームは、チームとドライバーの両方のランキングでトップに立ち、さらにマニュファクチャラーズランキングでも130ポイントを獲得し、2位に対し47ポイントの大差をつけています。日産のパワートレインを搭載した4台(日産2台とNEOMマクラーレン2台)は、2024/25シーズンのすべてのレースでトップ3に入った唯一のメーカーです。

西川 直志

今シーズンの好調を支えるのは、日産の技術開発部門出身で、2021年よりチームに合流した西川 直志(にしかわ ただし)が開発に携わった、日産e-4ORCE 05パワートレインです。

日産は、フォーミュラEと市販車の異なる2つの事業を共に発展させ、より良い成果を生み出すことを目指し、2022年4月に日産のフォーミュラEチームとしてレーシングチームの所有権を取得しました。そして、来るGEN3時代に向けたパワートレイン開発を推進すべく、日産の技術開発部門で20年以上の経歴を持つ西川がチーフパワートレインエンジニアに任命されました。西川はチーム内で「タッド」という愛称で親しまれ、レースと量産車開発の間を繋ぐ重要な役割を担ってきました。

トマソ ヴォルペ

日産フォーミュラEチームのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ ヴォルペは彼の役割について以下のように述べました。

「チーフパワートレインエンジニアが市販車部門からフォーミュラEチームのレース部門に持ち込む専門知識は非常に重要です。私たちがレースで成功するために、全世界の日産従業員の貢献が重要であることを示しています」

西川 直志(左)トマソ ヴォルペ(右)

チームにおける西川の最初の任務は、シーズン11のパワートレインを開発することでした。西川は当時をこのように振り返ります。

「2021年6月にフォーミュラEチームに着任したとき、GEN3パワーユニットのプロトタイプ段階はすでに完了していたので、私が最初に取り組んだのは日産e-4ORCE 05のGEN3 Evoパワートレインでした。最初は、市販車部門から多くの新しいアイデアを持ち込んだため、モータースポーツの同僚からは疑念を抱かれたようです。しかし、数ヶ月後にアイディアのシミュレーションとデータを示したことで納得し、尊重してくれるようになりました。」

2024年3月、日産はABB FIAフォーミュラE選手権に2030年まで継続して参戦すると発表しGEN4時代へのコミットメントを最初に表明したメーカーとなりました。これは、日産のフォーミュラEへの関与は少なくとも12年間にわたることになり、同社にとって最も長いモータースポーツへのコミットメントとなります。フォーミュラEプロジェクトは、日産の電動化の取り組みを世界に証明する機会でもあり、今シーズンのレース結果はその好事例です。

西川 直志(左)トマソ ヴォルペ(右)

「日産のGEN3 Evoマシンが強力なパフォーマンスを発揮している理由はいくつかありますが、チーフパワートレインエンジニアとしての私のやるべきことは、異なる部品が互いにどのように影響し合い、それが全体のパフォーマンスにどのように影響するかを理解することです。そのためにはプレシーズンテストに向けて開発段階でシミュレーション時間を最大化することが重要でした。そしてその後、最初のレース結果を見たとき、私たちは正しい方向に進んでいることを確信しました。」と西川は述べました。

日産フォーミュラEチームが未来を見据え、GEN4時代に向かう中においてチーフパワートレインエンジニアの役割はますます重要で不可欠になっていくでしょう。2025年4月から西川の役割は、後任の岩瀬 拓郎(いわせ たくろう)に引き継がれ、チームのさらなる発展への貢献が期待されています。

約4年間を過ごしたフランスでの時間を、西川は次のように振り返ります。
「市販車開発においては、性能だけでなくコストや生産性などが要求されることに加えて、その結果がすぐには見えないのですが、フォーミュラEの開発は目標がはっきりしており、性能や効率性という結果もすぐに見ることができます。初めのころは、考え方や開発スピードの違いに戸惑いましたが、忘れられない経験となりました。難しい側面もある任務ですが、チーム内には本当に強い絆があり、新しい環境への適応や学びを助けてくれます。これを可能にしてくれたヴォルペや日産フォーミュラEチームの皆さん、そして私を支えてくれた素晴らしい家族に感謝したいです。岩瀬の成功を祈っており、彼にはGEN4の未来に向けての成功を確信しています」

西川 直志

貴重なメンバーがチームを去る一方で、日産フォーミュラEチームの目標は変わりません。ヴォルペは、西川の功績を称賛しながら、未来を見据えています。「タッドがチーフパワートレインエンジニアとして成長する姿を見られたことは喜びでした。彼の自動車部門からの専門知識は、GEN3 Evo車両の改善に大いに役立ちました。私たちは、GEN4時代に向けてこのパフォーマンスレベルを維持するために、岩瀬の合流を歓迎します。シーズン11のスタートは素晴らしく、日産は3つのランキングすべてで首位に立っています。これまで順調な結果を出しているとはいえ、まだ改善できる点があるので、引き続き努力していきます。シーズン最後のロンドン戦でのチェッカーフラッグが下りるまで、このランキングを維持するために全力を尽くさなければなりません!」

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