技能を伝承し、イノベーションをドライブする:技能五輪参加を通じた日産の未来への挑戦

技能を伝承し、イノベーションをドライブする:技能五輪参加を通じた日産の未来への挑戦

2024/12/18
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日産のモノづくりを支える大きな存在、それが技能者です。技能者の技と情熱がひとつになることで、最高のモノづくりが実現します。日産が作り上げるクルマは、単なる機械ではありません。革新的な技術と従業員の技能の結晶であり、そこからワクワクするドライビング体験が生まれ、日産のコーポレートパーパスである「人々の生活を豊かにする」に一歩近づくことができるのです。

日産は、従業員の技能の向上や若手技能者の育成のために、技能五輪全国大会に積極的に参加しています。技能五輪全国大会とは、「自動車工」「電子機器組立て」「自動車板金」などの職種別に技能レベルの日本一を競う大会で、若手技能者にとっては目指すべき一つの目標であり、他の選手の優れた技能に触れる絶好の機会になります。日産から出場する選手たちは、日産のモノづくりのスピリットを胸に、それぞれの職種の競技に挑みます。技能五輪への参加は、未来に向けてあくなき挑戦を続ける日産の姿勢を示すとともに、若手技能者たちが熟練技能者へと成長していく大切な通過点であるともいえます。

技能を伝承し、イノベーションをドライブする:技能五輪参加を通じた日産の未来への挑戦

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技能・体力・精神力を磨く

技能五輪への参加には、数年にわたって自分を厳しく律していく決意と実行力が試され、また、厳しい覚悟も必要です。技能五輪の自動車板金職種に出場するチームを例に、若手技能者たちが実際にどのような訓練を重ねているのか、見ていきましょう。

チームの1日は、ランニングやロープを使った運動といった体力づくりから始まります。そのあと、毎日8時間みっちりと、成形工具の使い方から最新テクニックの習得にいたるまで、本格的な板金加工の技能を磨いていきます。

チームの1日は、ランニングやロープを使った運動といった体力づくりから始まります
本格的な板金加工の技能を磨いていきます

技能五輪の出場に求められるのは高い技能だけではありません。最後までやり抜く意志やプレッシャーに負けない強い心も重要です。そのため、技能五輪の選手たちは、黙想などを通して集中力を高め、常に落ち着いて冷静に行動できる心構えを身に着けていきます。技能、体力、精神力の3拍子揃って初めて、各分野で「熟練」の域に達することができるのです。

モノづくりにかけるスピリット

技能五輪において優秀な成績を残してきた日産の技能者の1人、試作検証課の池田龍哉をご紹介しましょう。池田は、2014年に技能五輪自動車板金職種の選手になり、技能五輪出場2年目の全国大会で銀メダル、3年目には金メダルを獲得しました。4年目にアラブ首長国連邦で行われた国際大会への出場権を獲得し、同大会で見事、栄えある敢闘賞を受賞しました。

「ハンマーの一打一打こそが、熟練技能への一歩一歩だと考えていました。課題によっては、多いときには1分間に300回もハンマーを振ったこともあります。ただ仕上げるのではなく、完璧に仕上げることが大切なんです」と、池田は厳しい技能訓練の当時を振り返っています。

池田 龍哉

池田は、「ゆるぎない決意」こそが自分の最大の武器であると考えていました。実際、この「ゆるぎない決意」があったからこそ、技能を究極まで高め、全国大会でも国際大会でも数々の受賞につながりました。池田は現在、指導者として、自分が身に着けてきた技術や技能を若手技能者に伝え、次世代の技能五輪への挑戦を支えています。

イノベーションをドライブし、伝統を守る

技能五輪への参加は、出場選手だけでなく、日産のクルマ作りにも大きな効果をもたらします。競技出場経験のある池田のような技能者は、日産の現場に高い専門性を持ち帰り、日産のイノベーションの原動力になります。たとえば、金型を使わずに金属の薄板を3次元形状に成形する新生産技術「対向式ダイレス成形」や試作段階の車体の開発など、クルマ作りを次のステージへと引き上げる新しいイノベーションが熟練技能者の手によって次々と生み出されています。

技能向上にむけた池田の追求に終わりはありません。「今までやってきたことだけを見てはいけないんです。次に何ができるか、そこに目を向けなければいけません」。常に改善を模索するこういった意欲は、池田個人だけではなく、日産の生産ライン全体にも共通しています。高い品質と正確さを兼ね備えた日産のクルマ作り、その背後には、技能を受け継ぎイノベーションをドライブし続ける、技能者一人一人の志があります。

池田 龍哉

情熱の伝承と進化

日産の技能五輪への情熱は、従業員に対するコミットメントが反映されています。技能を伝承しながらそこに創造性を掛け合わせ、粘り強くイノベーション追求していく、これが日産の技能者たちの姿です。こうした技能者たちに惜しみなく投資していくことが、「日産らしい」クルマづくりにつながります。

情熱の伝承と進化
池田 龍哉

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