インタビュー


一球一球を大切にするのがNISSANスピリット
日産野球部の復活を誰よりも待ち望んでいたのは、日産野球部の礎をつくってきたOBたちです。野球部の本格始動が近づき、OBたちも、自分たちの背中を押してくれたスタジアムでの熱狂を再び蘇らせたいと願っています。今回は、そんな選手たちの中から追浜工場で働く桝本 心さんと中村 将明さんを紹介。
まずは前編として、桝本さんからスタートです。
桝本さんは、甲子園への出場経験がある父親の影響で、小学校2年生から本格的に野球を始めました。父親と同じ尾道商業高等学校に進学し、3年生の時に広島県代表校として中国地区大会で優勝を飾りましたが、春・夏ともに、あと一歩の所で甲子園出場を逃しました。卒業後は日本体育大学に在籍し、首都リーグでの優勝に貢献。卒業が近づいた頃、当時の日産野球部監督に声を掛けられ1995年に日産へ入社し、右投げ左打ちの内野手として活躍しました。2004年に野球部を引退してからは、日産自動車で働き、現在は追浜工場人事総務部部長を務めています。「誰からも愛され、応援したくなるチームになってほしい」と新チームにエールを送る桝本さんに、日産野球部について語ってもらいました。
満員のスタンドからの声援に鳥肌が立った
私が入社した頃の日産野球部はとにかく強かったですね。1993~94年に日本選手権で2年連続準優勝しただけあって、選手のレベルも高く、日本一を目標に掲げて毎日厳しい練習をしていました。キャッチボールも常に真剣で、走塁も全力疾走が基本で、隙があれば一つ先の塁を狙う。一人ひとりができることを一生懸命にやるという当たり前のことを、当たり前にやるチームでした。日産の看板を背負った負けられない試合はプレッシャーもかかりますので、平常心で臨めるように、毎日基礎練習や試合を想定した練習を繰り返し、不安を払拭していたことが思い出されます。
一番印象に残っているのは、1998年の都市対抗野球での優勝です。多くの従業員や家族、関係者が応援に駆けつけ、東京ドームが満員になったこと。そのスタンドの光景と声援に鳥肌が立ったことを今でも鮮明に覚えています。予選では、ライバルだった三菱自動車川崎との戦いで21対19という点の取り合いを制したことや、肋骨にヒビが入った状態で逆転タイムリーヒットを打ったいすゞ自動車との対戦など、いろいろなエピソードがありました。グローブに家族のイニシャル、ヘルメットに子供の名前を入れることで、自分自身のモチベーションも高めていました。

野球部での経験を会社生活にも活かした
選手を引退したばかりの頃は、「小さい頃から野球しかしてこなかった30歳を過ぎた人間に何ができるのか」と不安ばかりが募りましたが、職場の皆さんが仕事の基本を親切丁寧に指導してくださったおかげで、不安は少しずつ解消されました。そして、工場の仕事には、日産の全員野球と通じるものがたくさんあることを実感しました。野球も相手を研究して準備するように、仕事も段取りや準備が重要です。困った時には、野球に例えて考えるようにしていました。野球部で経験したことは、会社生活にも活かせていると感じています。正直、仕事に悩んだ時期もありましたが、OBの方々がいろいろと気にかけてくださったことが、心の支えになりました。日産には、苦労しながらも活躍されている先輩がいたので、周囲も「野球部出身者」ということを、良い意味で受け入れてくれたように思います。今の自分があるのは、そんな皆さんの助けがあってのことだと感謝しています。
野球部の復活が職場のモチベーションを向上

社長や役員が工場視察に来るたびに、現場の方々が野球部復活を懇願し続け、再開が決定した時は、「また肩を組んで‘世界の恋人'を歌える日が来るんだ」と率直に喜びました。追浜工場をはじめ、生産現場の野球部への愛は今でも変わっていません。「皆でバスに乗って応援に行こう、若手社員も連れていくから、盛り上げよう!」という声もたくさんいただきました。職場のモチベーションアップにダイレクトにつながっていることを実感しています。商店街など地域の皆さんが盛り上がっているのも嬉しいですね。スポーツを通じて地域とつながり、地元の一体感が醸成される。地域貢献や採用活動など、さまざまな面で波及効果が期待できます。
また、個人的には伊藤監督と同期で、苦楽を共にしてきた戦友です。フレッシュなメンバーでのスタートは大変だと思いますが、逆に「怖いもの知らず、当たって砕けろ」という姿勢も強みだと思いますので、日産らしくワクワクするような野球を目指してほしいですね。
「応援したくなるチーム」になってほしい
日産野球部は、野球というスポーツを通じて、横須賀の町を共に活性化していくという大切な役割を担っています。地域の皆さんと力を合わせ、横須賀もチームも共に成長させていきたいですね。そして、一人でも多くの子どもたちが野球を身近に感じ、楽しんでくれることを願っています。私たちOBも、そのために全力でサポートしていきたいと考えています。
横須賀市民の皆さんに愛されるためにも、日産野球部には「応援したくなるチーム」になってほしいです。勝負は時の運。負けることもありますが、常に全力でプレーし、一生懸命に戦う姿を見せれば、応援してくれる人は必ず増えていくはずです。
頑張れ!日産野球部!

