仕事の源となるもの─「才能」「情熱」、そして「ビジョン」

イレアナ ロペス、生産主担(メキシコ)

イレアナを止めるものは何か?
性別? 文化? 母親としての役割?
そのどれもが、彼女の夢を止める足枷にはなりません。
なぜなら、彼女にとって本当に大切なのは、「才能」「情熱」、そして「ビジョン」だから。

イレアナ ロペス

イレアナは、妻であり、双子の母と同時に、女性としてのキャリアを築いた先駆者として、新型日産セントラの立ち上げを支えた、重要なリーダーの一人としてアメリカ地域で初めて、1つの車種モデルをトータルで統括する生産主担を務めた女性です。

「一車種全体を担当する生産主担には、多大なる努力、責任、そして献身的な姿勢が求められます。
それでも彼女は、仕事とプライベートのバランスを大切にし続けてきました」

日産セントラを“形にする”という使命

新型日産セントラの立ち上げにおいて、イレアナはリーダーとして、まさに中核を担うポジションでした。約1年半にわたり、彼女は毎日、システムやプロセスを整理し、見直し、改善を繰り返してきました。

すべてが確実に正しく整うよう、細部まで目を配り続けたのです。このプロジェクトは、彼女自身のキャリアにおける大きな節目となったと同時に、自動車業界で活躍する女性たちにとっても、重要な礎となりました。

彼女は、クロスファンクショナルチームとして14名のプロジェクトリーダーを牽引。 さらに、日本の「グローバル車両生産技術センター( Global Production Engineering Center )」 通称GPECで実施された開発試作フェーズなどの重要フェーズでは、 90名以上のメンバーを率いてプロジェクトを進行しました。

イレアナ ロペス

課題の数だけ、多様性があるチーム

彼女のチームは、年齢も経験も、人生のステージも多種多様。意欲と責任感にあふれる若手メンバー、常に学び、成長し続けようとする経験豊富なメンバー。男性も女性も、独身のエンジニアも、家庭を持つメンバーもいます。そして皆、イレアナと同じように、家族や大切な人のサポートを受けながら、それぞれの目標に向かって取り組んでいました。

「私のチームとの向き合い方は、とてもシンプルです。必要なツールとサポートを提供すること。それが情報の共有だったり、アドバイスだったり、時には障壁を取り除くことだったりします。彼らから学んだ一番大きなことは、チームワークの力です。目標を共有し、アクションプランを一緒に決めて進むことで、私たちは想像以上の成果を出すことができました」

イレアナ ロペス

日本での6カ月―キャリアと価値観を広げた経験

イレアナ ロペス

その後、イレアナのキャリアは、日本へと続きます。彼女は6カ月間、日本の専門チームと密に連携し、アグアスカリエンテス工場の生産ライン向け設備の出荷および設置の準備を担当しました。グローバルスタンダートに沿って、予定通りに完了させる事が彼女のミッションでした。

しかし、彼女にとって最も印象深かったのは、技術面以上に文化的な経験でした。

「日本に滞在中、たびたび遭遇した面白い事があります。女性の通訳の方が私を“生産主担(責任者)”として紹介すると、驚かれることが多かったんです。そのポジションに女性が就くことはまだ珍しく、皆さんの驚きと同時に、敬意が伝わってきました」

この経験は、彼女のグローバルな視野をさらに広げ、多様なリーダーシップが製造業にもたらす可能性への確信となりました。

「グローバルに展開する企業で働き、高品質な製品づくりに携われることに私は大きな誇りを感じています。日産メキシコが長年にわたり国内販売台数のNo.1ブランドであり続けていることも、その証だと考えています」

リーダーであり、母であるということ

工場の外でも、彼女の日常はとても忙しく充実しています。イレアナは妻であると同時に、4歳の元気いっぱいな双子の母でもあります。

長時間の仕事、出張、そしてリーダーとしての責任。家族との時間と仕事を両立させるには、強さとしなやかさ、そしてたくさんの愛が必要です。

「この“好き”という気持ちが、私が携わるすべてのモデルへの情熱の源になっています。クルマを企画し、形にしていくことに大きなやりがいと喜びを感じています」

イレアナ ロペス
2026年モデルの「日産セントラ」

アグアスカリエンテスA2工場において、生産が開始となる瞬間は、単なる技術的な節目だけの話に留まりません。それは、彼女の才能や、仕事に対する情熱によって紡がれるストーリーの新しいスタートでもあるのです。2026年モデルの「日産セントラ」の立ち上げは、アイコニックなモデルの進化であると同時に、その背後にある工場の力強さを示しています。A2工場はA1工場とともに、約3,000人の従業員が、40秒に1台の完成車を生産。このモデルは17カ国へと届けられます

世界へクルマが提供されるこの製造環境は、イレアナの役割の重要性をさらに際立たせました。新型日産セントラは、単なるモデルチェンジではありません。それは、成長し続ける生産工場の轍であり、革新を続けるチームの姿でもあり、そして、限界を超えて挑戦しつづける一人のリーダーのストーリーでもあるのです。