投手インタビュー


2009年の休部から16年——日産野球部が、ついに復活のマウンドに帰ってきました。新たに集ったフレッシュな選手たちは、それぞれの想いを胸に、強豪復活を誓います。そんな選手たちを紹介するシリーズがスタート。まずは新生日産が誇る投手陣をご紹介します。

砂川 羅杏
投手 / 背番号11
父が野球好きで、小さい頃からキャッチボールをしてくれたのが野球を始めたきっかけです。柔道や水泳も習っていましたが、野球はチーム全員で協力しないと勝てないスポーツ。そこに面白さを感じて、どんどんのめり込んでいきました。
僕らの世代は高校3年のときにコロナ禍で春のセンバツも夏の甲子園も中止に。特に春は出場が決まっていたにも関わらず大会がなくなり、とても悔しい思いをしました。それでも日本高野連が交流試合を開催してくれて、八重山の皆さんの温かい声援を受けながら試合に勝つことができたんです。周囲の支えのありがたさを強く感じました。
入部当初はチームメンバーもほとんどが初対面で、慣れないことも多かったですが、都市対抗本戦出場という共通の目標に向かって、高いレベルの練習を積み重ねる中で、徐々にチームとしての一体感が生まれてきました。以前は「このぐらいでいいか」と妥協していた部分もありましたが、社会人野球ではそれが命取りになると痛感しています。
日産は、都市対抗に常連で出場していた強豪チーム。先輩方が築いてきた歴史を大切にしながら、新しい「日産らしさ」を出していきたいと思っています。自分の持ち味は、どんな場面でも落ち着いて投げられること。父がノーラン・ライアンのファンで、この名前を付けてくれました。自分も、打者を圧倒する投球を目指しています。
オフはラーメン屋巡りを楽しんでいます。とはいえ食べ過ぎは禁物なので、頑張った週のご褒美にしています。こうして野球部を復活させてくれたことに感謝し、元気と勇気を届けるようなプレーで、日産の皆さんを東京ドームに連れていけるよう日々全力で取り組んでいます。応援よろしくお願いします。


友野 聡太
投手 / 背番号13
球を始めたのは小学4年の頃。周囲に野球をしている友達が多く、左ピッチャーがいなかったことから誘われて少年野球チームに入りました。高校も大学も公立校で、強豪というわけではありませんでしたが、自分で練習メニューを考えて工夫しながら取り組んだ経験は、今の自分にとって大きな財産になっています。
卒業が近づくにつれ、「野球をもっと続けたい」という思いが強くなり、監督に相談して社会人野球の道を目指しました。日産への入社が決まったときは、地元の神奈川で高いレベルに挑戦できることが本当に嬉しかったです。
日産の守備力は非常に高く、強く弾き返された打球でも取ってくれるという信頼感があり、思い切って投げることができています。伊藤監督からは「自分のピッチングが打者からどう見えるのか」といった具体的なアドバイスをもらい、課題だったフィールディングも鍛え直しています。
主にリリーフでの登板が多く、緊迫した場面でも流れを呼び込めるような、勢いのあるピッチングをしたいと思っています。得意のスライダーにも注目してください。
休日は温泉やサウナを目的にドライブをしてリフレッシュしています。これまで自宅から通っていましたが、現在は初めての寮生活。料理や掃除にはまだ不慣れですが、少しずつ慣れていきたいと思っています。地元・横浜の公立校出身ということもあり、多くの方々から応援いただけていることに感謝し、期待に応えられるような投球を目指しています。チーム一丸となって都市対抗本戦出場を目指して頑張っています。ぜひ球場での応援をよろしくお願いします。


島 龍成
投手 / 背番号14
野球を始めたのは小学1年の春。祖父とキャッチボールをしたのがきっかけで、すぐに地元のチームに入りました。家族みんな野球が好きで、よく一緒に甲子園を観に行っていました。
実際にその甲子園のグラウンドに立ったのが高校2年の夏。試合には出られませんでしたが、優勝した時のスタンドの歓声や拍手は今でも忘れられません。試合前、道具運びのために誰よりも早く球場入りし、観客の多さに圧倒されたのをよく覚えています。
日産のチームには、個性豊かで魅力的なメンバーが揃っています。高校時代は個人の力で戦うチーム、大学時代はチーム一丸となって戦うチームに所属していました。日産にはその両方の要素があって、非常にバランスのとれた強いチームになると感じています。監督やコーチも「全員で戦う」ことを大切にしていて、その意識が浸透している実感があります。
自分の特徴は、気持ちを前面に出した強気のピッチングです。応援してくれる方々には、闘志あふれる投球を見ていただきたいです。信頼されるピッチャーになることが今の目標です。毎日、野球に集中していて、オフの日もストレッチや体づくりに励んでいます。甲子園では試合に出ることはできませんでしたが、東京ドームや京セラドームで、応援してくださる皆さんの歓声を浴びながら投げたいと思っています。一緒にその舞台へ。応援よろしくお願いします。


深浦 幹也
投手 / 背番号16
兄が野球をしていた影響で、小学校に上がる前から一緒に練習に参加し、自然と野球を始めました。兄は高校で野球をやめましたが、私は中学時代に日本代表に選ばれ、高いレベルでの試合を経験したことで、野球に一層のめり込むようになりました。
忘れられない試合は、高校1年の夏の初戦。先輩たちの引退がかかっている試合で、「絶対に負けられない」というプレッシャーの中、緊張で手が震えたのを覚えています。大学では肘を痛めて投げられない時期もありましたが、4年の春に復帰。残りの半年間は野球に打ち込めて、非常に充実した時間になりました。
社会人になっても、好きな野球を続けられていることに幸せを感じています。日産の練習ではアップに時間をかけ、体幹をしっかりと鍛えています。監督やコーチからは「練習のための練習はするな」と言われていて、ノックひとつにも都市対抗を想定して全力で取り組んでいます。監督自身が明るく、チームの雰囲気もとても良いです。私の持ち味はストレート。真っすぐでどんどん勝負していきたいと思っています。ケガをしないように体を整えながら、1日でも長く野球を続け、チームに貢献していきたいです。
オフの日は、温泉で過ごす時間がいちばんのリフレッシュ。1週間の疲れも吹き飛びます。皆さんの期待に応えられるよう、全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。


領家 佑馬
投手 / 背番号17
父が社会人野球の投手だったこともあり、小さい頃から野球に親しんでいて、小学1年のときに「野球をやらせてください」と自ら父に頼みました。「厳しいぞ。それでもやる覚悟はあるか」と聞かれ、「はい」と答えてスタートしました。
大学時代には、父がコーチとして相手ベンチに立っていたこともあり、親子で敵同士として戦ったこともあります。特に印象に残っているのは、大学最後の秋のリーグ戦。肩を痛めて終盤の登板が叶わなかった中、「領家を関東大会に連れていこう」と仲間が奮闘してくれました。おかげで横浜スタジアムで投げることができ、本当に感謝しています。
社会人でも野球を続けたいという思いが強く、父も認める強豪・日産に入社できたときはとにかく嬉しかったです。今のチームには、伊藤監督や四之宮コーチが全国から選び抜いた選手たちが揃っていて、日々高いレベルで刺激を受けています。「どうすれば勝てるのか」を全員で考えながら取り組む日々は、自分の成長にもつながっています。 社会人野球での戦いは簡単ではありませんが、監督から教わったことを実践できればチャンスはあると信じています。制球力には自信があり、チームの勝利のために、気持ちを込めて試合をつくっていきたいです。
休日はしっかり眠って、サウナに行って体を整えています。これまでたくさんの人に支えてもらってきたので、その感謝を胸に、結果で恩返ししたい。そして、全力でぶつかる姿で、見ている人に勇気や感動を届けられる選手になりたいと思っています。職場の方から「頑張って」と声をかけてもらえるのが励みです。必ず東京ドームに連れていきたい。応援よろしくお願いします。


阿部 克哉
投手 / 背番号18
もともと「野球がやりたくて始めた」わけではなく、小学2年生の頃、友達に誘われたのがきっかけです。それでも、どんどん楽しくなり、野球が大きな存在になっていきました。特に印象に残っているのは大学3年の秋のリーグ戦です。春のシーズンでは先発で起用されていたのですが、結果があまり良くなく、秋のリーグ戦序盤では先発から外されてしまいました。ただ、その後中継ぎとしてしっかり結果を残し、最終的には6試合連続で先発を任されるまでになり、自分の中ではターニングポイントとなったシーズンでした。
実は高校時代、そこまで強いチームに所属していたわけではなく、野球を高校でやめて就職しようと考えていた時期もありました。ただ、当時の高校の監督が城西大学の監督とつながりがあり、大学のキャンプに参加させてもらったことから入学に至りました。大学で野球を続けることができたのは本当に大きかったと思っています。
入社にあたっては、伊藤監督とお話しできたことで「このチームで野球がしたい」と強く思うようになりました。現在は副キャプテンとしてチームを支える責任を感じています。ピッチャーとしての自分のスタイルはストレートで押していく投球です。身長を活かした角度のある直球で三振を取るのが一番の持ち味です。今シーズンの目標は、先発完投してチームに勝利をもたらすこと。先発の機会が少ないのですが、完成度を高めて信頼されるピッチャーになりたいと思っています。
オフの日には、同じ野球部の仲間と遊びに行ったり、最近では掃除にハマっていて、部屋を掃除して気分転換をしています。趣味はとにかくゲームですね。 ここまで野球を続けてこられたのは、たくさんの人の支えがあってこそです。その方々への感謝を胸に、結果で恩返しできるよう頑張っていきます。


安藤 利玖
投手 / 背番号19
父が阪神タイガースの大ファンで、幼い頃から家ではずっと阪神の試合がテレビに映っていました。自然と自分も阪神ファンになり、気がついたら野球を始めていました。特に憧れていたのは、現在監督を務めている藤川 球児さんで、小さな頃からその豪速球に魅了されていました。
高校時代は地元の公立高校に通っていて、特別強豪校というわけではなかったのですが、自分たちの代で創部初のベスト16に進出することができました。延長戦で戦って愛知県の強豪・至学館高校に勝てた試合は、今でも強く記憶に残っています。
大学時代では、4年春に出場した全日本大学選手権です。東海地区のライバルである中部学院大学との試合で先発を務め、完封勝利でチームをベスト8に導くことができました。
日産に入ることが決まったのは大学4年の10月とかなり遅いタイミング。日産野球部復活の話を聞いて、「自分も行きたい」と思っていたところ、声をかけていただきました。高校時代から「社会人野球でプレーしたい」という思いがあり、今こうして日産のユニホームを着て野球ができていることをとても嬉しく思っています。
日産野球部では同年代の選手が多く、率直な意見を交わすなど雰囲気の良さを感じています。社会人としての練習は新鮮な一方で、高校や大学とは異なる厳しさも感じます。特に1球1球に対するこだわりがとても強く、シートノックやキャッチボールなど、練習の細部にまで意識の高さが求められます。監督やコーチからは、「何かを達成するためには、その過程を徹底しなければならない」と常に言われており、野球だけでなく、社会人としての姿勢にも通じるものがあると思っています。
私は力強いストレートを軸にしており、キャッチャーミットに収まるときの音もぜひ楽しんでください。試合を任されるような信頼されるピッチャーになりたいというのが今の目標です。
