ドライバーの交通安全
⽇本の社会課題になっている高齢ドライバーを中心とした交通安全の研究活動、
ソリューション開発に取り組んでいます。
これまでの研究から、高齢ドライバーの交通事故に関わる運転能力は、認知や、様々な身体機能が
関連しあっていることが分かってきました。
この関連性を正しく把握すること、そして、これら認知・身体機能の低下を引き起こす背景要因までさかのぼって探究し、
解決策を提案することが、私たちがチャレンジする課題です。
研究フロー
ラボでは、まずは大きな社会問題になっている高齢ドライバーの交通安全から取り組んでいきます。
高齢ドライバーの交通事故削減では、4つのステップで研究活動に取り組みます。
- STEP1/2このステップでは、少しでも早く運動機能や基礎体力の衰えを自覚する仕組み、そして運転寿命を延ばすためのソリューションを開発します。 そのために、交通事故の要因にはどのようなものがあるのかを、その背景から掘り起こして研究していきます。
- STEP3このステップでは、開発したソリューションを社会に広め、根付かせるためのソーシャル研究を行っていきます。
- STEP4このステップでは、開発したソリューションの効果検証を行っていきます。 検証結果は、次の取組みに活かしていきます。
研究内容

高齢ドライバーの運動・運転機能データの収集とその同期解析
身体機能測定、ドライビングシミュレータ、実車走行試験を組み合わせた、高齢ドライバーの運動・運転機能データの収集とその同期解析。現在、北里大学にて、運転機能に関わる認知・身体・視野等諸機能の横串研究を行っています。また、新潟大学では、実車も使い、高齢ドライバーの運動機能に着目した運転行動の解析などを行っています。
関連研究

高齢ドライバーの視認性研究と、その自覚ツール及び交通安全ソリューション
2021年、北里大学が日産自動車の支援・監修、株式会社PRIDIST協力のもと、「有効視野*計測システム」のプロトタイプの開発を行いました。現在、本システムを使った実験、評価を含め、有効視野に関する多様な研究を行っています。
*有効視野研究
ドライバーが眼を使い、生理的視野(眼科で計測する視野)中心付近に固視点(注視点)を設けている際に、外界から有効に情報を得られる範囲を有効視野と呼びます。その有効視野範囲や視野内の反応時間を評価する仕組みを創る研究。
関連研究

社会デザイン研究
安全・安心なダイバーシティ交通社会を実現するための社会をデザインする研究。2021年、2022年は高齢ドライバーの運転行動意識の調査を行いました。現在は、桐蔭横浜大学が加わり、社会や人、生活活動とのかかわり方を含めて、この研究をさらに深化させています。
高齢者の生活活動に関わる意識調査
高齢ドライバー運転行動意識&社会・人との関り調査
高齢ドライバー運転行動意識調査

ハンドルぐるぐる体操
新潟大学と日産自動車が共同創案した『ハンドルぐるぐる体操』の効果検証を行い、前屈測定(長座体前屈)や最大二歩幅測定において改善効果があることを確認しました。現在、効果を確かめつつ社会実装を進めています。