2025.8.20
ビジョン駆動型ストーリーラインワークショップ
日産自動車総合研究所では、将来の社会そして生活者の価値観を洞察することにチャレンジしています。ビジョン駆動型ストーリーラインワークショップの手法を開発し、自社でも実践を続けている株式会社 日立製作所 研究開発グループ デザインセンタのみなさんの支援を得て、日産社内のさまざまな部門のメンバーとともに、活動を続けてきました。
(ビジョン駆動型ストーリーラインワークショップについては、FY21の活動の記録をご覧ください。)
FY24では、全体に通底するテーマとしてウェルビーイングを採り上げ、「高齢化」「働く」「ネイチャーポジティブ」の3つの観点で、将来の人々の生活や価値観を洞察し、ビジョンストーリーとして書き上げました。
3つのストーリーをご紹介します。
身体の老化を遅らせる技術の進展により、老後のあり方が多様化し、健康、住まい、資金準備などを自ら考える人が増えていきます。技術の利用可否が人々の間に葛藤を生むことも。年齢という概念が曖昧になる社会で、人々は自分らしい老いを受け入れ、包摂的な未来を模索するようになります。
担い手不足と気候変動への対応のために機械化が進められ、農業の持続可能性が回復していきます。人々は、共に試行錯誤を重ねる機械に対し、同僚として信頼を寄せるように。ものづくりの未来は、「人と機械が共に作った」と誇りを持って語られるようになっていきます。
自然災害の増加によって、人々の自然資本回復への意識が高まります。限界集落を拠点とした森林再生事業などを通じ、地域文化の継承と自然環境の回復を目指すように。リソースを厭わずに森林や野原を原状復帰して、自然に還すことは当たり前という価値観が根付いていきます。