5名のファイナリストにはそれぞれ賞金100万円と作品制作費100万円が支給され、展覧会では新作を含む作品が展示されました。
新型コロナウィルスの影響で国際審査委員の来日が叶わなかったため、最終選考はオンラインで行われ、グランプリが決定。2020年8月26日に発表されました。
国際審査委員のローレンス・リンダー氏は、「実際に作品を目の当たりにできないことは障害になりましたが、与えられた状況の中で最善を尽くすことができました。このような困難な時代だからこそ、このアワードを前進させることが重要です。気候変動やパンデミックなど地球規模の混乱にかかわらずアートは作られ続けています。我々はアートの重要性を日産アートアワードのような機会を通して認め続けるべきです。」と選考を振り返りました。
リンダー氏を含む5名の国際審査委員によるステートメント全文はこちらよりご覧いただけます。
写真4枚のクレジット
撮影:越間有紀子
森美術館特別顧問(日本、東京)*審査委員長
国際交流基金、森美術館副館長などを経て2006年11月より2019年まで同館館長を務める。2020年より現職。「ヴェニス・ビエンナーレ」日本館コミッショナー(1997年)、「台北ビエンナーレ」コミッショナー(1998年)、ターナー賞(英国)審査委員(1998年)、「シドニー・ビエンナーレ」国際選考委員(2000年)、「横浜トリエンナーレ」アーティスティック・ディレクター(2001年)、「サンパウロ・ビエンナーレ」東京部門キュレーター(2002年)、「ヴェネチア・ビエンナーレ」金獅子賞国別展示審査員(2005年)、「シンガポール・ビエンナーレ」アーティスティック・ディレクター(2006年、2008年)、「ホノルル・ビエンナーレ」キュラトリアル・ディレクター(2017年)等を歴任。近著に『疾走するアジア~現代アートの今を見る~』(美術年鑑社、2010年)、『アートを生きる』(角川書店、2012年)がある。
エコール・デ・ボザール学長(フランス、パリ)
パレ・ド・トーキョー館長(2011-2018年)をはじめ、ポンピドゥ・センターやカルティエ財団など、多くの文化機関に寄与し、2019年1月より現職。これまでインディペンデント・キュレーターとして手がけた国際展に「第45回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」(1993年)、同展第54回(2011年)、「光州ビエンナーレ」(1995年)などがある。このほか、ポンピドゥ・センター「Out of bounds – art and Life」展(1995年)、「Traces of the Sacred」展(2008年)、グラン・パレ「La Beauté in Avignon」展 (2000年)、「Monumenta/Anish Kapoor」展(2011年)、ケ・ブランリ美術館「The Masters of Disorder」展(2012年)、ポンピドゥ・センター・メッス「Simple Forms」展(2014年)、ルーブル美術館「A Brief History of the Future」展(2015年)や、グラン・パレ「Monumenta/Huang Yong Ping」展(2016年)など多数。
M+美術館館長(香港)
1984年以来30年以上にわたって美術館のキュレーターやリーダーとしてのキャリアを積み、2016年 11月より現職。2013年から2016年まで、ニューサウスウェールズ州立美術館副館長兼コレクション担当ディレクターを、2012年にはクイーンズランド・アートギャラリー|ブリスベン近代美術館館長代理を務めた。現在は、スリランカにあるジェフリー・バワ・トラストとルヌガンガ・トラスト の理事であり、国際美術館会議(CIMAM) の理事でもある。
南洋理工大学シンガポール現代アートセンター(NTU CCA Singapore)創設者、同大学美術・デザイン・メディア学部教授(シンガポール)
2005年から2013年まで、マサチューセッツ工科大学建築学部助教授を務め、同学部ではアート・カルチャー・テクノロジー・プログラムを創設し、ディレクターとして活動。ドクメンタ11や第3回ベルリン・ビエンナーレをはじめ、30年以上にわたって現代美術と映像、動画、サウンドをつなぐ横断的な展覧会を多数手掛けており、ジョーン・ジョナスを取り上げた第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展のアメリカ館展示では共同キュレーターを務めた。また、芸術やキュラトリアルな実践に基づくテキストを定期的に執筆している。気候変動と人間活動による影響を色濃く受ける太平洋諸島と沿岸地域を調査するTBA21-AcademyのThe Current(2015-2018)では調査隊長としてチームを率いた。
カリフォルニア大学バークレー美術館、パシフィック・フィルム・アーカイブ元館長兼チーフキュレーター(米国、カリフォルニア)
ニューヨーク近代美術館、ウォーカー・アート・センター、ホイットニー美術館に在籍後、2008年よりカリフォルニア大学バークレー美術館、パシフィック・フィルム・アーカイブ館長兼チーフキュレーター。 2020年7月より現職。これまで企画した展覧会に「Architecture of Life」展(2016年)、「The Possible」展(2014年、David Wilsonとの共同企画)、「Mid-Career Survey of Barry McGee」展(2012年、Dena Beardとの共同企画)、「In a Different Light」展(Nayland Blakeとの共同企画)、「The American Effect: Global Perspectives on the United States, 1990–2003 and Tim Hawkinson」展等。「ホイットニー・ビエンナーレ」(2002年)ではチーフキュレーターを務めた。カリフォルニア・カレッジ・オブ・ジ・アーツのワット・インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アートの設立者であり、学部長を兼任。「nest」、「Artforum」、「The Village Voice」、「Fillip」、「Atlantica」、「Flash Art」等の現代アートに関する雑誌に美術批評を多数寄稿。自筆論考を編纂した「Art Life」をGregory R. Miller社から2005年に出版。他にも詩や小説、脚本などをKevin Killianと共同出版している。
日本のアーティストの活動を国内外の視点で捉えてきたキュレーターや研究者、レジデンスプログラム従事者、NPOなど10名が、それぞれ候補となるアーティスト3組をノミネートしました。
第一次選考では、候補者2名がスケジュールの都合などにより辞退したため、最終的に28組のアーティストが候補者として推薦されました。
インディペンデントキュレーター
国立国際美術館主任研究員
NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員
アーツ前橋学芸員
水戸芸術館現代美術センター学芸員
横浜美術館主任学芸員、ヨコハマトリエンナーレ2020企画統括
NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
東京ステーションギャラリー学芸員
東京都写真美術館学芸員
山口情報芸術センター[YCAM]キュレーター
*審査委員長以下、姓のアルファベット順、敬称略
TEL:03-6277-5561 / FAX:03-3780-0266
E-mail:artaward@mail.nissan.co.jp
Tel:045-523-5521
www.nissan-global.com/JP/
TEL:090-2062-6963 / FAX:03-3780-0266
E-mail:artaward@mail.nissan.co.jp
2019年5月、イタリア・ヴェネチアにおいて「日産アートアワード2020」の第一次選考を行い、28組の候補者から5名の日本のアーティストをファイナリストとして選出しました。
ファイナリストの選考を行った国際審査委員のスハーニャ・ラフェル氏は第一次選考を振り返り、「選ばれた5人は、日本だけでなく、現代社会でアーティストが対峙している問題に対する多様な考えを表現していました。」と述べました。
また、同審査委員ローレンス・リンダ―氏も、「今年は多様なアーティストが揃い、表現方法もパフォーマンスから木版、立体表現と多岐に渡っています。秀でた5名の作家が展覧会に向けて何を生み出すかがとても楽しみです。きっと素晴らしい展覧会になることでしょう」と語りました。