エミッションのクリーン化(大気・水・土壌の保全)
これまで以上に大気・水・土壌を守る取り組みを強化し、あらゆる場面での改善を積極的に行っていきます。
設計段階から市場まで、すべての工程で環境保全を推進
日産は、クルマの生産工程で出る工場排水や化学物質、そしてクルマの排出ガスなどについて、以前から厳しい自主基準や目標を設けて、クルマの設計や生産を行ってきました。たとえば、排出ガスをきれいにする触媒の技術においては、今ではこの分野で世界トップクラスに位置付けられています。また世界各地にある生産工場では、環境負荷を小さくする取り組みを行っていきます。
排出ガスのクリーン化を積極推進。目指すは、大気レベル
日産は、クリーンな燃焼技術や触媒技術の開発に早くから注力してきました。2000年1月、米国で発売した「セントラCA」は、ガソリン車としては世界で初めて、カリフォルニア州大気資源局(CARB)が制定する排出ガス基準値をクリアし、PZEV*の認定を受けました。同年8月に日本で発売したブルーバードシルフィは、日本の国土交通省が定める低排出ガス車(U-LEV)の認定を日本で初めて取得し、2003年の超低排出ガス車(SU-LEV)制度の設定の際には、日本で初めての認定車となりました。

国内では、日産車におけるガソリン乗用車の販売比率において、すでに排出ガスのクリーン度が最高ランクのSU-LEVが全体の80%を超えています。これは日産の試算では、販売台数の40%を燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)にする場合と、ほぼ同等の排出ガス(窒素酸化物:NOxと炭化水素:HC)の削減効果をもたらすことになります。
そして究極のゴールは、排出ガスを大気レベルにすることです。これからも排出ガスがクリーンなクルマの開発にさらに積極的に取り組んでいきます。

*PZEV:Partial Zero Emission Vehicle 米国カリフォルニア州大気資源局が制定
内VOCの削減は、すでに業界目標を達成
VOC(Volatile Organic Compounds)とは、揮発性有機化合物のことで、ホルムアルデヒドやトルエンなど、常温で揮発しやすい有機化合物で、鼻やのどへの刺激の原因とされています。
日産は、車室内のVOCを低減するため、シートやドアトリム、フロアカーペットなどの部材や接着剤の見直しを行ってきました。
日本の自動車業界では、厚生労働省が定めたVOC13物質の室内濃度指針値を2007年度以降の新型乗用車で達成するという目標があります。日産では2005年度以降に発売している新型乗用車およびマイナーチェンジ車で、順次目標を達成しています。