童話優秀賞一席のいながきさん、絵本大賞の松宮さんほか35組が受賞
「第27回ニッサン童話と絵本のグランプリ」は、2011年3月6日(日)、大阪府東大阪市の大阪府立中央図書館内ライティホールにおいて、表彰式が行われました。
今回の募集では、童話の部2,408編、絵本の部533編、合計2,941編の作品が寄せられ、その中から、35編の作品が入賞の栄誉に輝きました。
今回は、童話の部大賞に該当作品はなく、いながきふさこさんの作品『あやとユキ』が最優秀賞である優秀賞一席に選ばれ、絵本の部大賞には、松宮敬治さんの作品『うみのそこの てんし』が選ばれました。
表彰式では、主催者である(財)大阪国際児童文学館 三宅興子理事長、協賛者の日産自動車(株)アジア地域広報部 入江敏光部長、後援者の大阪府教育委員会 中西正人教育長が挨拶。続いて行われた審査の講評では、童話と絵本の審査員を務める(財)東京子ども図書館の松岡享子理事長が、「現実がそうであるように、作品中の子どもたちが年々弱くなっていると感じる。あるべき姿や人間関係、社会を、読み手である子どもたちに示す児童文学が多くなるように願っています」と語りかけました。絵本作家の杉田豊氏は「絵本の入賞作品はそれぞれ違う個性が見えて素晴らしく、実力は僅差だった。近年かなり良い作品が多くなってきている。今後もいろいろな角度から考えられた作品を作って欲しい」と激励。他の審査員の方々からも、今後に期待する声が多く上がりました。
贈賞に続いては、優秀賞一席を受賞したいながきさん、大賞を受賞した松宮さんが、受賞に対する素直な喜びと作品への思いを語り、会場はあたたかな拍手に包まれました。
(財)大阪国際児童文学館 三宅興子理事長
日産自動車(株)アジア地域広報部 入江敏光部長
童話の部優秀賞一席 いながきふさこさん
絵本の部大賞 松宮敬治さん
絵本の部大賞「うみのそこの てんし」スライド上映と朗読
表彰式の最後には、絵本の部大賞『うみのそこの てんし』のスライド上映と朗読、童話の部優秀賞一席『あやとユキ』の朗読が披露され、約10カ月後に出版される絵本への期待はより高いものとなりました。
その後は、受賞者を囲んでステージ上で記念撮影が行なわれ、会場に訪れた家族や友人の方々も参加して撮影するなど、喜びに満ちた雰囲気の中、表彰式は閉幕しました。
会場を移して開かれた懇親会では、主催者、審査員、今回の受賞者、歴代の受賞者が集い、なごやかに交流を深めるパーティーとなりました。
最後に、今回をもって絵本審査員を勇退する杉浦範茂氏から、審査員として携わった20年間を振り返るスピーチがあり、後任の審査員として絵本作家でグラフィックデザイナーの篠崎三朗氏が紹介されました。