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活動レポート
「第24回ニッサン童話と絵本のグランプリ」 入賞作品決定及び表彰式開催(2008/03/08)
大賞の増井さん、H@Lさんほか38名が受賞
大賞受賞者インタビュー<絵本の部> H@Lさん

<プロフィール>
大学卒業後、美術の講師として働くかたわら、自らの作品制作に取り組む。30歳になるのを機に講師の仕事を辞し、昨年秋より作家活動に専念。かねてより興味のあった絵本に挑戦し、グランプリに初応募。見事、大賞を受賞する。

<受賞作>
「モイモイのポッケ」

あらすじ
ちびっこポッケどりのモイモイは、おかあさんのポッケにいろんなものが入っているのがうらやましい。「モイモイもなにか見つけてくればいいわ」と言われて、たからものを探しに出かける。キリンさん、ワニさん、ふくろうさん。みんなにたずねて回ったが、すぐには見つからない。おうちに戻ったモイモイが「明日はもっと遠くへ探しに行くよ」と告げると、おかあさんは静かにうなづいた。


物語が浮かんだ瞬間からひたすら楽しくて、一気に描いた作品
Q:

受賞の感想は?

A:

うれしくて、うれしくて、連絡をいただいたときは頭の中が真っ白になってしまったほどです。昨年、30歳になるのを機に美術講師の仕事を辞し、作家活動に専念する道を選びました。何の保証があるわけでもないし、不安がないといったら嘘でしたが、今回の受賞は大きな自信になります。本当にありがとうございました。


Q:

絵本を描きはじめたきっかけは?

A:

昔から、絵本の世界には興味がありました。本格的に挑戦してみたいと思ったのは、ボローニャ国際絵本コンクールの存在を知った頃からでしょうか。好きな作家、お気に入りの作品が増えるに従って、自然に「自分も描いてみたい」と思うようになりました。
グランプリの存在は、以前、姉が応募したことがきっかけで知りました。入賞は逃したものの、小冊子をいただいたので「あなたも出してみれば?」と言って見せてくれたんです。掲載されていた受賞者の方々の作品を見てそのクオリティの高さに驚き、自分もいつか同じ土俵に立ってみたい、と思っていました。

Q:

今回の作品の着想はどこから?

A:

子供の頃、インコを飼っていたことがあるので、そのときの思い出が直接的なヒントになりました。鉛筆や紙片など、僕が渡したものを何でも自分の羽の中に挟み込もうとする姿は、まさに「モイモイ」そのもので、よく遊んだものです。その意味では、この絵本は何の苦労もなく描き上がってしまった作品です。物語が頭に浮かんだ瞬間から楽しくて楽しくて、一気に描き上げることができました。唯一悩んだのは、文章をどう入れるか、ということくらいでしたね。

Q:

作品の中で伝えたかったことは?

A:

話の流れとしては、もっと起承転結がはっきりわかる方がいいのかな、とも考えました。けれど、読み終わった後にふんわりとした余韻を残したい、お母さんから子供たちにメッセージを伝えられるものにしたい、と思ったので、あえてゆるやかな終わり方を選びました。この絵本を読んだ子供たちが、自分の中で自由にイメージを膨らませてくれたらうれしいですね。

Q:

画材や技法について工夫している点は?

A:

学生時代は油絵専攻でしたが、現在はアクリル絵の具で描いています。僕はどちらかというと勢いに任せて描きたいタイプなので、乾燥を待つ時間がまどろっこしくて(笑)。発色の違いはありますが、タッチやテクスチャーは似ているので、現在はもっぱらアクリル絵の具です。

Q:

次の目標は?

A:

大賞を受賞したので、絵本作家としての第一歩を踏み出すことができたと感じています。僕にとって絵を描くことは、ご飯を食べるのと同じくらい自然で、大好きなことですから、今回の受賞は本当にうれしいことです。その一方で、大変なのはこれからだ、という気持ちもあります。
何年か先に「あの作家、最近見ないね」と言われることのないよう、継続的に作品を発表していきたいですね。






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