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活動レポート
第23回ニッサン童話と絵本のグランプリ 入賞作品決定及び表彰式開催(2007/03/11)
大賞の大槻さん、富田さんほか38名が受賞
大賞受賞者インタビュー<絵本の部> 富田 真矢さん

<受賞者のプロフィール>
幼いころから絵を描くことが大好きで、一時期は、畳1枚ほどの大きな作品を制作していた。子供が生まれたことをきっかけに「机の上で制作できる」絵本の創作に入る。グランプリへの応募は8年前からで、優秀賞4回、佳作1回という実績を経て、今回ついに大賞を受賞

<受賞作>
「スイカぼうず」

あらすじ:スイカぼうずは、厳しい修行を積んで「おれよりつよいやつは、いないはずだ」と思った。山で一番つよいやつ、海で一番つよいやつ、空で一番つよいやつ。誰もがスイカぼうずの頭に滑ってしまい、誰もスイカぼうずをひっくり返すことはできなかった。スイカぼうずは、ちいさい花にも「自分をひっくり返してみろ」と声をかけるが、ちいさい花はだまったままただ風に揺れている。そして・・・。


自分が描いた本を子供たちが読んでくれることが、最高に幸せ
Q:

受賞の感想は?

A:

すごくうれしいです。大賞受賞作品は、絵本として出版されるだけでなく、全国の図書館に寄贈されると聞いています。それは、ある意味では店頭に並ぶことよりうれしいことです。図書館に置いてあれば、僕の本を読んでくれる子供がきっといるはずですから。そう考えただけで、自然に顔がほころんでしまいます。


Q:

5回の入賞経験を経ての大賞受賞です。ここまで続けてこられた原動力は?

A:

とにかく、描くことが好きなのでしょうね。考えが煮詰まってしまった時も、紙の上にすーっと筆で線を描いてみると、それだけで楽しくなってくる。すべては「好きだ」という気持ちからはじまるのだと思います。
グランプリに応募し続けたのは、やはり「本として出版したい」という具体的な目標があったからです。描いているときは自己満足の世界ですが、それを誰かが読んでくれるとなると、きっとまた違う感慨がありますよね。だからこそ、頑張ってこれたのだと思います。

Q:

画材や技法について工夫している点は?

A:

これまではずっと透明水彩で描いてきましたが、今回は画材にアクリル絵の具を使っています。自分のやり方を変えるつもりはなかったのですが、毎年挑戦してゆくのであれば、ときには何か新鮮味を加えることも必要だと思ったんです。先生方から「弱い」という評価をいただいていたので、自分のスタイルを大切にしながらも、画材を変えて輪郭を強くしてみたところ、良い結果が得られました。

Q:

絵本を描きはじめたきっかけは?

A:

幼いころから絵が好きで、ずっと描き続けています。一時は畳1枚くらいの大きなキャンバスに描いていましたが、10年ほど前、いったんそれをすべて整理しました。絵を描くことは止められませんが、生活空間には限りがありますから、机の上で描けるサイズの絵を描こうと思ったのです。その頃、ちょうど子供が生まれたこともあり、絵本を描くようになりました。

Q:

「スイカぼうず」の着想はどこから?

A:

入賞してセミナーに参加した時に、先生から「夢物語ばかり考えるのではなく、自分の身の回りをよく見て、生活に即したところから発想を広げてみることも大切だ」というアドバイスを受けたことがあります。考えに行き詰まってしまったときにそれを思い出し、自分の回りをよく見直してみたら、とても身近なところに物語のヒントはありました。

Q:

作品を作る上で苦労した点は?

A:

作品を描き続けることは、とても大変なことです。題材は常に考えていますが、何も思い浮かばないときでも、とにかく手を動かして何か描いてみる。すると、なんとなく物語のカタチが見えてくるものです。ただし、そこで生まれた物語は、そのままでは絶対に面白くない。では、どこをどう変えていったらいいのか。いくつもある分かれ道を行きつ戻りつ、ときにはスタート地点まで引き返して考え直したりしながら、徐々に何かを引き寄せていく、といった作業をくり返し、ようやく一つの作品が生まれるのだと思います。

Q:

次の目標は?

A:

自分の本を出したい、子供たちに読んで欲しい、という目標はひとまず達成されました。今後の目標は、絵本を出し続けていく、ということでしょうか。
次の作品はもう準備ができているので、授賞式の後で先生方に講評していただこうと思っています。今からの方が、これまでより大変な道のりだとは思いますが、ぜひ出版を続けて、子供たちに僕の絵本を届けていきたいですね。







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