2005年1月1日に施行された自動車リサイクル法※1に基づき、2014年度(2014年4月〜2015年3月)に実施した ASR※2 (自動車シュレッダーダスト)、エアバッグ類、フロン類の特定 3物品の再資源化等の状況を以下にご報告いたします。
自動車リサイクル法においては自動車メーカーは使用済み自動車の特定3物品の引取りと再資源化の義務を負うとともに、お客様より預託を受けたリサイクル料金によって再資源化等の業務を行っております。
当社は2014年度、ASRを109,231.0トン(500,065台)引き取り、106,598.7トンの再資源化を実施しました。その結果、ASR再資源化率は 97.6%となり、2015年度の法定基準である70%を2006年度以降継続して達成いたしました。この実績は、リサイクル実効率99.6%※3に相当します。また、当社はASRの埋立処理及び焼却処理ゼロ化※4を達成しました。
エアバッグ類は 1,664,042個(442,366台)を引き取り、回収処理または車上作動※5により再資源化を実施しました。エアバッグ類再資源化率は 94.2%となり、法定基準 85%を上回りました。またフロン類は 130,430.684kg(469,247台)を引き取り、適正な処理を行いました。
なお、特定3物品の再資源化等に要した費用総額は52億9,785万3,316円、リサイクル料金を収受しリサイクル等の実施時まで管理運用を担う資金管理法人から払い渡しを受けた預託金総額は60億8,202万5,285円となり、全体収支は7億8,417万1,969円のプラスとなりました。
これにより、2004年度-2014年度の累計収支は37億7,123万9,957円のプラスとなりました。これは1台あたり647円に相当します。今後も中長期でバランスが取れるよう取り組んでいきます。
当社は、今後も法規目標である使用済自動車の再資源化等を推進するとともに、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」で掲げた「リサイクル率の向上 - トップレベルのリサイクル実効率を達成する」という目標に向けて取り組んでおり、ASRの再資源化施設を積極的に開拓し活用したことで、2012年度以降継続してASRの埋立及び焼却処理ゼロを実現することができました。今後は、ASRの再資源化率100%を目指して、残渣のゼロ化に取り組んでいきます。
- ※1 自動車リサイクル法(正式名称は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」)第27条2項及び施行規則第29条に基づく
- ※2 ASR : Automobile Shredder Residue (自動車破砕残さ)
- ※3
リサイクル実効率99.6%の算出根拠:2003年5月合同審議会の資料で提示されている、自動車を解体、粉砕で再資源化した比率は81.6%であり、残りの18.4%をASR分としています。使用済み自動車リサイクル率(実効値)は、この18.4%に当社のASR再資源化比率97.6%を乗じたものを上記の81.6%に加算し、算出したものです。
リサイクル実効率99.6%=81.6%+(18.4%×97.6%) - ※4 ASR再資源化基準適合施設がリサイクルする際に生じる「残渣」の埋立処理分を除く
- ※5 車両にエアバッグ類を取り付けたままの状態で、展開しリサイクルする方法
「自動車リサイクル法に基づく 2014年度 再資源化等の状況」
1. 対象期間
2014年4月〜2015年3月
2. 基準の遵守状況
ASR再資源化率の推移
3. 再資源化等の状況
ASR | ||
---|---|---|
項目 | 重量 | 台数 |
ASR再資源化量 | 106,598.7[t] ・・・[(2)-(3)]+[(5)-(6)] |
500,065 [台] |
ASR引取り総重量と使用済み自動車総台数 | 109,231.0[t] ・・・(1)+(4) |
|
ASR引取り重量および使用済み自動車台数 | 103,940.6[t] ・・・(1) |
474,526 [台] |
ASRリサイクル施設※1への投入ASR重量 | 103,940.6[t] ・・・(2) |
|
ASRリサイクル施設※1で生じた当該ASR由来の廃棄物重量※2 | 2,560.5[t] ・・・(3) |
|
委託全部再資源化※3で全部利用者に引き渡した ASR重量及び廃棄物重量 |
5,290.4[t] ・・・(4) |
25,539 [台] |
委託全部利用したASR総重量 | 5,290.4[t] ・・・(5) |
|
委託全部利用者で生じた当該使用済み自動車由来の廃棄物重量※4 | 71.8[t] ・・・(6) |
エアバッグ類 | ||
---|---|---|
項目 | 個数 | 台数 |
エアバッグ類引取り総個数 | 1,664,042[個] | 442,366[台] |
取外回収個数 | 194,872[個] | 54,172[台] |
車上作動個数 | 1,469,170[個] | 375,885[台] |
一部取外回収台数および一部車上作動台数 | - | 12,309[台] |
再資源化施設の引取り重量 | 137,667.0[kg]・・・(7) |
再資源化重量 | 129,653.4[kg]・・・(8) |
フロン類 | ||
---|---|---|
項目 | 重量 | 台数 |
フロン類引取り総重量 | 130,430.684[kg] | 469,247[台] |
CFC引取り重量 | 2,315.309[kg] | 10,467[台] |
HFC引取り重量 | 128,115.375[kg] | 458,780[台] |
- ※1 ASRリサイクル施設とは
自動車リサイクル法第28条で主務大臣の認定を取得したASR指定引取り場所のうち、施行規則第26条に定める基準に適合した施設(「基準適合施設」)。
また基準適合施設(自動車破砕残渣処理基準適合施設)および各施設の基準適合内容については、下記のART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム)のホームページより公表しておりますので、ご確認ください。 - ※2 ASRをリサイクルすることによって生じるスラグや飛灰等のうち、販売や処理されないで施設に残ったもしくは埋立処分された廃棄物の総重量。
- ※3
委託全部再資源化とは自動車リサイクル法第31条で主務大臣の認定を所得した全部再資源化業務委託先(解体事業者、プレス・せん断処理業者)と委託全部利用者(国内の電炉・転炉等)においてASRを生じさせないで、使用済自動車を再資源化する仕組み。またこの仕組みについては、下記のART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム) のホームページより説明しておりますので、ご参照ください。
- ※4 委託全部利用者で鉄鋼製品を生産する際に生じるスラグや飛灰等のうち、販売や処理されないで施設に残ったもしくは埋立処分された廃棄物の総重量。
- ※5 エアバッグ類の取外回収個数は指定引取場所において引き取った個数。
- ※6 指定引取場所で引き取った後、再資源化施設で引き取ったエアバッグ類の重量。
4. 払渡しを受けた預託金額および再資源化等に要した費用
( 単位: 円 )
ASR | エアバッグ類 | フロン類 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
払い渡しを受けた 預託金 |
3,835,065,750 | 1,154,070,547 | 1,092,888,988 | 6,082,025,285 |
再資源化等に 要した費用 |
3,477,394,623 | 948,396,439 | 872,062,254 | 5,297,853,316 |
収支 | 357,671,127 | 205,674,108 | 220,826,734 | 784,171,969 |
2004年度から2014年度の累計 | ||||
---|---|---|---|---|
ASR | エアバッグ類 | フロン類 | 合計 | |
払い渡しを受けた 預託金 |
40,863,042,439 | 7,989,090,252 | 11,190,022,442 | 60,042,155,133 |
再資源化等に 要した費用 |
38,885,011,338 | 7,017,188,533 | 10,368,715,305 | 56,270,915,176 |
収支 | 1,978,031,101 | 971,901,719 | 821,307,137 | 3,771,239,957 |
5. ASRの再資源化等の取組み
日産自動車では、ART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム)を結成し、ASRの再資源化等を実施しております。
ARTとしての実績については、下記のARTのホームページより公表しておりますので、ご参照ください。