第34回 日産 童話と絵本のグランプリ大賞受賞者インタビュー

大賞受賞者インタビュー<童話の部>  小路 智子 さん


38歳 主婦 兵庫県神戸市

【受賞のことば】
こどものころ教科書で読んだ童話を書かれた先生や、娘の大好きな本を描かれた先生に評価していただけたのかと思うと本当に光栄です。そして、出版という素敵なプレゼントを実現してくださる皆様にも心から感謝します。私の書いた童話を読んでくださった方が、おいしいものをたべたときのように、にっこり笑顔になってくれたら幸せです。

Q:影響を受けた作品はありますか
A:「千と千尋の神隠し」。両親がブタになるシーンが怖くて印象的でした。
『ぐりとぐらとくるりくら』。くるりくらが、くすっと笑って「おまじないたいそうしたら、なった(手が伸びた)んだよ、こういうふうにね」といっていたシーンが好きだったので参考にしました。
Q:好きな作家はだれですか
A:寺村輝夫さん。こどものころ、料理をする「こまったさん」シリーズが大好きで集めていました。伊坂幸太郎さん。登場人物がユニークで、読んでいてずっと楽しいからです。
Q:童話を書くようになったきっかけを教えてください
A:こどもに童話の読み聞かせをすることが増えたことです。
Q:童話を創作するうえで気をつけていることはありますか
A:読んでいて映像がうかぶことと、たべものがリアルでおいしそうなことです。
Q:応募されたきっかけを教えてください
A:主婦という職業は私にとって、あたたかく自由な反面、評価されにくく限定的で、もう少し広い海で泳ぎたいなぁ、という感覚に酔っていたため応募しました。
Q:今回の作品は、どういったところから着想されましたか?
A:長女(2歳)が動物のマネをすると喜ぶので、ママはブタになってみました。
Q:今回の作品を通して子どもたちに伝えたいことは何ですか?
A:大事な人に気持ちをつたえてほしいな、ということです。たいへんだけどね。
Q:特にお気に入りのシーンや文章はどこですか?
A:プリンです。おいしそうに書けているといいな。それと、人間に戻ったママが、ともくんにちゃんとごめんねって言えたシーンです。親しい人でも気持ちが通じるのって一瞬の気がします。そういう瞬間をとらえられていたら嬉しいです。
Q:今回の作品で苦労された部分はどこですか?
A:ともくんの年齢の設定です。しっかりしていると思ったら、案外こどもだったりする小学生を書きたかったんですが、少ししっかりしすぎたかもしれません。
Q:今後、どういった作品を作っていきたいですか?
A:今回は距離が近くて困っちゃう母を書いたので、次回は距離が遠くて困っちゃう母を書きたいです。読んだ人が、くすっでも、にっこりでも、とにかく笑顔が増えるような作品が書けるといいな、と思っています。

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