車両搭載技術

エクストロニックCVT

環境性能とスポーティな走行性能を両立した新時代のCVT

CVT(Continuously Variable Transmission)は、スムーズで滑らかな変速を行う無段変速システムです。日産自動車は“低燃費” “伸びやかな加速感”といったCVTのメリットに早くから注目し、開発・採用を進めてきました。
排気量2~3.5リッターのエンジンに対応する、このエクストロニックCVTは、従来のCVTと比較し、約10%の燃費向上を達成しつつ、よりダイレクトなドライブフィーリングを実現しました。

技術の働き

CVTは、無段変速機とも呼ばれます。MT(マニュアルトランスミッション)やAT(オートマチックトランスミッション)とは異なり、何段かの変速比を選択するのではなく、無段階に最適な変速比を自動的に選択することができます。CVTを搭載した車両は、ほとんどの日常的な速度域において、最も効率のいい(最も燃費の良い)エンジン回転数で走ることができます。加速時や減速時にも、シフトチェンジの段差のない、スムーズな走行を実現します。
エクストロニックCVTでは、ローギアからハイギアまでの変速比の幅を大きく拡大したほか、大幅なフリクション低減を実現し、従来のCVTより約10%の燃費向上を達成しています。また、最適な変速制御で思いのままのドライブ・フィーリングを実現。優れた走行性能を実現しています。

技術の仕組み

CVTは、2つのプーリー(滑車)の溝幅を変化させ、プーリー間に掛けられたスチールベルトの円弧半径を変えることで変速比をコントロールします。

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上図のイラストのローギアの状態では、エンジン軸側プーリーのベルトの円弧半径が小さくなっています。これは、MT車やAT車のギアが低い状態(たとえば1速や2速)で、ゆっくりとしたスピードで走るのに適しています。
一方、ハイギアの状態ではエンジン軸側プーリーのベルトの円弧半径が大きくなっています。これはギアが高い状態(たとえば5速や6速)で、高速走行に適しています。
2つのプーリーの橋渡しをして直径を変える役目をはたすのが、スチールベルトです。
ここで、ローギア状態でのギア比をもっと低くすれば、加速がよくなります。2速でスタートするより1速のほうが力強いのと同じです。発進時のほか、低速でのレスポンスが向上します。
逆に、ハイギア状態でのギア比をもっと高くすれば、ハイスピードで走ってもエンジン回転数が下がるので燃費、静粛性がよくなります。高速道路を走る時、4速よりも5速のほうがエンジン回転数が下がるのと同じ理屈です。
したがって、ローギアとハイギアのギア比の幅(変速比幅と呼びます)を大きくすることで、加速性能に加えて燃費、静粛性も向上します。

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エクストロニックCVTでは、プーリーの細軸化と、それに対応する新開発のベルトによって、変速比幅を従来型の6.0から世界トップレベルの7.0にまで広げています。
さらに、機械設計の基本に立ち戻り、CVTのフリクション(抵抗)の低減に努めました。CVTの約500点の部品のうち約300点を見直しています。また、オイルリーク量の低減によるオイルポンプの小型化と低粘度オイルなどを新たに開発することで、CVTのフリクション(抵抗)を約40%低減し、燃費改善を実現しました。
変速制御(アダプティブシフトコントロール)もエクストロニックCVTの特徴です。これは、アクセル操作やハンドル操作などからドライバーの意図を読み取り、最適なシフトコントロールを行うものです。エンジンとトランスミッションを協調制御することで、最適な燃費性能と走行性能を発揮します。