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HR12DDRエンジン

車両搭載技術

  • 戦略的技術領域
  • 環境技術
2012年国内ではノートから順次採用
2011年欧州市場投入の小型車「マイクラ(日本名:マーチ)」から採用開始
2010年先進技術説明会で発表
低燃費と走る楽しさを両立する、新コンセプトエンジン
HR12DDRエンジンは、排気量を小さくすることや各部の効率を上げることで、これまでのガソリンエンジンに比べて大幅な燃費向上を実現しました。ただし、排気量を小さくするだけでは思ったような加速が得られなくなるなど、走る楽しさが損なわれるおそれがあります。
そこで必要に応じてスーパーチャージャーを作動させることで、胸のすくような動力性能も獲得しました。これまでは、燃費の良さと走る楽しさを両立させることは難しいとされてきました。HR12DDRエンジンは、低燃費とドライピングプレジャーを同時に実現する新しいタイプのエンジンです。
技術の働き
一般的に、ガソリンエンジンがガソリンを燃やして得たエネルギーのうち、走ることに使えるエネルギーは20%程度だとされています。さまざまな技術を投入することで、この20%というエネルギー効率をさらに上げることに成功したのがHR12DDRエンジンです。

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エネルギー効率を上げるためのポイントは、以下の3つです。

@摩擦損失(フリクションロス)の低減
まず摩擦による損失(フリクションロス)を減らしました。たとえば金属同士で接することがある部品に特殊なコーティングを施したり、ベルトで回転する部品のベルトのテンションを下げることで、約10%も低くなっています。

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A吸排気損失(ポンピングロス)の低減
4ストロークのガソリンエンジンは、吸気行程→圧縮行程→燃焼行程→排気行程というサイクルで働いてエネルギーを生みます。
吸気行程において空気を吸い込みにくいと、無駄が生じて効率が低下します。できるだけ空気を吸い込みやすくするために、HR12DDRには通常のエンジンより長く吸気バルブを開くミラーサイクルを採用したのです。
図をご覧いただくとわかるように、通常の4サイクルエンジンでは吸気バルブが閉鎖してしまう圧縮行程にあっても、ミラーサイクルエンジンの吸気バルブは開いているのです。

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B熱効率の向上
熱効率を高めるために、まずエンジンの圧縮比を高めました。HR12DDRエンジンは、スーパーチャージャーを備える過給エンジンとしては非常に高い、12.0という圧縮比を実現しています。

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また、燃焼室内に直接燃料を噴射する直噴システムも採用しています。このシステムの利点は、燃料を直接噴射するので、気化熱で燃焼室内の温度が下がることです。温度が下がることはノッキング(異常燃焼)を避けることにつながるので燃焼が安定し、高圧縮比を可能としています。

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技術の仕組み
このように大幅な効率化を実現したHR12DDRエンジンですが、このままでは燃費はいいけれど走る楽しさが犠牲になってしまうおそれが生じます。そこでスーパーチャージャーによる過給を加えることで、1.2Lでありながら1.5Lクラスと同等の動力性能を獲得しました。スーパーチャージャーを採用したのは、アクセル操作に対する応答性がいいことと、排気性能に優れるという理由からです。

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ただし、スーパーチャージャーはエンジンで駆動するため、使い方によっては効率が悪くなります。そこで、過給が必要な時、不要な時いずれの状態でも少しでも駆動損失を低減し燃費効率を上げるために、スーパーチャージャー自体の効率を上げるのはもちろん、今回バイパスバルブによる過給圧コントロール、ならびに電磁クラッチでの切り離し機構を採用しました。このことにより、スーパーチャージャーでの低燃費と動力性能を両立させたのです。
更に、新型ノートではECO スイッチ採用し、お客様のECOドライブをサポートするシステムを採用しています。このECOコンセプトに合わせ、スイッチONの時はお客様の不要なアクセル踏み込み操作に対してトルクを抑制するよう、スーパーチャージャーの過給をしないようにコントロールしています。ただ、加速が必要なシーンでは、アクセルペダルを深く踏み込めばスーパーチャージャーによる過給を行います。逆に、ECO スイッチ OFFの場合は、お客様の踏み込みに応じてリニアな過給コントロールを行い、1.5L相当のきびきびした走りを実現しています。