Fig.13 Driving SimulatorFig.14 Driving Simulator Accuracy Confi rmationFig.15 Pitch Characteristics(a)K=0(b)K=0.02(d)K=0.06Fig.16 Line Trace Experimental Result(c)K=0.04(e)K=0.08次に本シミュレータの精度検証結果を示す。図14は、今回対象とする現象に寄与の大きい操舵力とヨーレイトの操舵角依存性について、Cセグメント車両の実車計測データとシミュレータでの計測データを比較したものであり、いずれも高い再現精度が確認されている。実験はピッチレイトの感度実験と同じ25名のドライバで実施した。車速を80kph一定に固定し、ドライバにはハンドル操作のみを行い車線の中央を目標に走行するように指示をした。実験仕様は、既報の研究でライントレース乖離量の全試行回の平均値がほぼ“ゼロ”と、最も小さい値となったヨーレイト不感帯、操舵反力をそれぞれ 1deg、基準+25%に固定し、操舵角に対するピッチ角の比例定数Kを0~0.08まで、0.02刻みで変更した5つの仕様とした。それぞれの仕様に対し、右操舵3回、左操舵3回の全30試行回をランダムに並べた順番で実験を行い、その操舵角及び走行軌跡を計測した。受賞:第72回 自動車技術会賞 論文賞(2022年) - 微小操舵角域のライントレースのバラツキを低減するピッチ特性に関する研究SAE International Journal of Advances and Current Practices in Mobility - VCターボエンジンに対応した図16に、ピッチの比例定数K違いでの、あるドライバの走行軌跡の計測結果を示す。なお右旋回のデータは左旋回方向にミラー処理して表示した。ピッチの比例定数Kの増加にともなって、目標ラインに対する走行軌跡のバラツキが低減していく様子が確認できる。またそれぞれのグラフ内に表示した数値はライントレース乖離量のバラツキを算出したものであるが、定量的にもその傾向が確認できる。図17は、25名のドライバの走行軌跡の計測結果から、ピッチ仕様違いのライントレース乖離量のバラツキを算出し、横軸をピッチの比例定数Kとしてプロットしたものであり、Kの増加に伴ってライントレース乖離量のバラツキが低減する傾向が確認できる。太い実線は各仕様の平均値を結んだものであるが、その値はK=0.06で最も小さくなり、K=0.08ではまた増加することが定量的にも確認でき、本研究で立てた仮説が検証さ8714日産技報 No.88 (2022)5.2 実験方法5.3 実験結果
元のページ ../index.html#92