Fig.10 Comparison of velocity magnitude between CFD and pro-posed model in central cross-sectionFig.11 Comparison of velocity magnitude between Guo’s model and proposed model in central cross-sectionFig.12 Histograms of error in CDTable 4 Error in CD of train and test図9は車両中心断面における圧力分布を示しており、圧力値については動圧で無次元化している。いずれのケースにおいても提案モデルを用いて推定した圧力分布はCFD結果の傾向を再現できていることがわかる。図10に車両中心断面における流速分布を示す。流速値は車速で無次元化している。特に空力評価において重要となる車両後方の後流領域の大きさや流速分布の傾向において、提案モデルはCFD結果を定性的に再現できていることがわかる。図9および図10の比較結果から、圧力と速度の誤差が比較的大きいケースDであっても流れ場の定性的な傾向を再現できていること、加えて提案モデルは、異なる車型が持つ流れ場の特徴を再現できることを確認できた。EncoderとDecoderの接続に全結合層を採用したGuoらが提案するネットワーク構造と、全結合層の代わりにResidual blocksを採用した本研究で提案するネットワーク構造を適用した場合の比較を示す。図11は車両中央断面における流速分布を示している。図11(a)はCFDの計算結果であり、図11(b)はResidual blocksを用いて学習した結果である。この図からCFDの計算結果に近い結果が得られることがわかる。一方、図11(c)は全結合層を用いて学習した結果であり、CFD結果とは異なる流速分布となった。勾配爆発により学習時の重みの最適化が進まず、流速ベクトルの損失関数の値は0.1程度であった。表3に示す提案手法の損失関数の値と比べて大きく、また、Epoch数を増やしてもこれより下がることはなかった。これらの結果からResidual blocksは有用であると考える。受賞:第72回 自動車技術会賞 論文賞(2022年) - 機械学習を用いた自動車空力性能を予測するためのサロゲートモデル開発SAE International Journal of Advances and Current Practices in Mobility - VCターボエンジンに対応した日産技報 No.88 (2022)図12に提案モデルを用いて推定したCD値の誤差を示す。図中の(a)は学習ケースを用いた場合の誤差であり、(b)はテストケースを用いた場合の誤差である。また、誤差を式(2)に示すMean Absolute Percentage Error(MAPE)および標準偏差で評価した結果を表4に示す。式(2)におけるaiおよびyiは、それぞれCFD結果と提案モデルで推定した結果を表しており、nは学習ケースの数またはテストケースの数を表す。図12および表4に示す学習ケースの誤差(a)は標準偏差、MAPEともに十分に小さいことから、データセットを適切に学習できていることがわかる。一方、テストケース(b)については、(a)に比べて誤差が大きく汎化性能に課題がある。7853.3 Residual blocksの効果について3.4 CD値の検証結果
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