Fig.4 Structure of proposed model for coeffi cient of aerodynamic drag (CD) estimationFig.5 3-dimensional distance function around car shapeTable 1 Parameter of distance functionTable 2 Optimizer, loss function and hyper-parametersFig.6 Distance function, fl ow fi elds and aerodynamic drag (CD) in datasetただし、流れ場とCD値の推定で入力データが異なることは利便性の観点で避けたい。そこで、CD値の推定モデルの入力データをボクセルから距離関数に変更し、流れ場とCD値の推定モデルの入力データを距離関数に統一する。入力データを距離関数に変更したネットワーク構造を図4に示す。まず、CNNに入力する距離関数について述べる。図5に本研究で用いた3次元の距離関数の距離場を示す。色は各格子点の自動車形状からの距離を示している。次に距離関数の生成方法について述べる。自動車形状周りにBounding boxを設定し、Bounding box内に直交等間隔の格子点を配置する。これら各格子点に対して自動車形状からの最短距離を計算し距離場を生成した。表1にBounding boxの大きさ、格子間隔および格子点数を示す。CD値の推定に用いる距離関数については、詳細な形状変化を捕らえられるように、より小さい格子間隔を用いた。また、本研究で使用したOptimizer、損失関数およびハイパーパラメータは表2のとおりである。受賞:第72回 自動車技術会賞 論文賞(2022年) - 機械学習を用いた自動車空力性能を予測するためのサロゲートモデル開発SAE International Journal of Advances and Current Practices in Mobility - VCターボエンジンに対応した日産技報 No.88 (2022)データセットを図6に示す。1つのケースは、距離関数、流速ベクトル3成分、圧力およびCD値の6種類の情報を有している。CNNに入力するのは距離関数のみであり、流速、圧力およびCD値はネットワークの出力結果である。これらの出力結果が学習ケースの流速、圧力およびCD値と一致するように学習を行う。本研究では1,123ケース用意し10:1の割合で分割し、学習とテストに使用した。データセットにはセダンやクーペ、SUV、ハッチバック、ピックアップトラック、軽自動車の6種類の車型が含まれており、学習ケースとテストケースに含まれる車型の割合は同程度となっている。学習およびテストに使用する流速ベクトル、圧力およびCD値は商用のCFDソフトウェアを用いて計算した。計算条件は、直進走行状態、車速33.3m/s、Reynold数1.0×107における計算結果である。また、CFDの計算は距離関数とは異なる格子で計算をしているため、CFDの計算結果を距離関数用の格子にマッピングしている。7632.4 距離関数およびハイパーパラメータ3.1 データセット3. データセットと検証結果
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