Table.2 Variables and input functions of vehicle modelFig.2 Two track and body motion vehicle model conforms to equation (2): Refer to author’s previous research(7)Table.3 Variables and parameters of passenger modelFig.3 Passenger seating point confi guration: Passenger upper body (including head) is simplifi ed to a single inverted pendulum, then affected with vehicle motion.ここまでに述べた逆車両運動解析を用いて、乗員の快適性向上探索を行う。そのためには、まずは乗員の身体モデルを車両モデルの車体へ乗せなければならない。その際、乗員のモデル化でも車両モデルと同様に式(2)の形式が要請される。次に、快適性を運動設計で扱うには、乗員の車両運動知覚として用意しなければならない。に関係する量を状態変数例えば、運動知覚を行う前庭器は、並進加速度や角速度を認識するが、式(1)に示すように、加速度は状態変数ではなく、なので、運動設計方針としてStage Cost関その微分量数へ組み込むことができず、状態変数に変える方策が要請される。以上から、逆車両運動解析を乗員の快適性へ適用するための2つの要請課題が示された。次章でその解決を図る。乗員身体運動モデルを、式(2)のように状態変数で<陽>表現させるという制約の下で構築する。乗員の運動慣性力を車両に作用させると、車両と乗員の状態変数での<陽>記述ができなくなるため、車両運動慣性力による受動運動のみとし、頭部分離しない身体上体横方向(ロール)運動をモデル化する。SAE International Journal of Advances and Current Practices in Mobility - VCターボエンジンに対応した受賞:第71回 自動車技術会賞 論文賞(2021年) - 乗員の快適性を向上させる車両運動の探求日産技報 No.88 (2022)最初に、乗員に加わる車両運動の慣性力を表現する。図3 左と中央に、車体固定座標系での着座位置と、そこにピボットをもつ上体剛体モデルを示す(以下展開する乗員モデルに関わる変数や定数は表3)。このピボットには車両運動から、式(3)に示す3軸並進加速度が加わる(影響の小さい項は省略)。次に、身体上体重心への作用力を求める。そのためには上体重心の加速度を導く必要があるが、これは地上座標系で記述した上体重心位置(ピボット位置+上体のロール姿勢角影響)の2階微分として加速度記述できる。図3右に示す横と上下方向への作用力は、上体質量を掛けた式(4)として近似する。ここで、上体重心への作用力 Fyʙ 、Fzʙ によってピボットに対してロール方向上体運動の運動方程式を表すと、式(5)となる。なお、ロール剛性および減衰には、乗員とシート面の間に作用する支持力や摩擦などの影響を近似的に含めている。6833.1 乗員身体挙動のモデル化3. 乗員の快適性評価を行うための拡張
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