図6 FDV概念図図8 車両と台上の温度比較図9 車両と台上のHC比較図7 モデルのリアルタイム性確認結果図10 VRS実験での排気適合効果VRS実験システムにおいて、車両などを模擬するモデルがリアルタイムで動作する必要がある。図7にNEDCモードを走行したシャシーダイナモ(C/D)実験結果と、NEDCモード走行を模擬したVRS実験結果を示す。2.1で示したシステムが機能し、C/Dにて走行した実際の車両と同じ車速およびエンジン回転での運転が可能となっており、VRS実験でのモデル実験の実現性が証明された。パワートレイン開発において、エンジン排気エミッションの排出量を規制値以下にするよう開発するためには、C/D実験における計測値をVRS実験において再現させる必要がある。2.3で示した実験システムを用い、エンジン内部および周辺温度のC/D実験との比較を行った。図8に、排気後処理触媒の温度を比較した結果を示す。当初VRS実験において、後処理触媒の周辺に一定速度の風をあてて計測を行っていた(赤線)。この方法では後処理触媒の温度がC/D実験の状態を再現できず、排出されるHCにずれが生じた。後処理触媒の周辺の風をC/D実験と合うように可変のファンを用いた場合(青線)、後処理触媒の温度がC/Dに近くなり、結果排出HCの量がC/D実験と良く一致するようになった。図2や図3で示したENG-VRS実験システムを用い、図8で示した工夫を加え、台上実験室でモード排気エミッション排出量を計測した実験におけるモード全体の未燃HC排出量を図9に示す。図8と同様、黒がC/D実験結果、赤が後処理触媒周辺の風速が一定の場合の実験結果、青が風速をC/Dの状特集2:電動化に貢献する実験技術 - 4. 実車を使わずに電動パワートレイン性能を最適化するバーチャル リアル シミュレータ実験技術態に近づけた場合の実験結果である。図8のHC排出量の挙動が示すのと同様、モード全体の未燃HCの量も、C/D実験結果を再現できた。これによりVRS台上実験システムを用いて、排気エミッションの適合実験が可能となった。図10に、車両台上実験を用いて排気エミッションに関わる制御定数の適合を行う場合に対して、VRS台上実験を用いて適合を行う場合の、工数削減効果を示す。車両の準備や実験の手間を削減し、65%もの工数を削減できた。PT-VRS実験システムおよびe-POWERシステムのモデルを用い、実車振動をFDVで再現できるかの確認を行った。図11に、PTシステムの重心に近いエンジンリア側のエンジンマウントにおける上下振動を測定した結果を示す。車両走行実験で測定した結果と、VRS実験システムを用いたFDVでの再513.1 モデルを用いたリアルタイム実験結果3.2 温度環境の車両走行模擬実験結果3.3 FDVによるNVH評価実験概要3. 車両走行模擬実験結果
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