日産技報 No.89 (2023)
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図8 e-4ORCE図7 e-POWER用VCターボエンジン〈e-4ORCEがもたらす価値〉•ドライバーの意のままの走り:路面と車両状況を瞬時に判断し、タイヤの摩擦力を最大限使い切れるように前後モーターの駆動力やブレーキをきめ細かく制御することで、最小限のステアリング操作で思い通りのコーナリングを実現している。•路面を問わない安心感:オフロードや雪道でも常に最適なトラクションを確保することで、タイヤのスリップやスタックを回避し、スムースな発進・走行を可能にしている。•乗る人すべてに快適な乗り心地:市街地走行における減速時において、前後のモーターそれぞれで回生量を調整し、車体の挙動を安定させることで、乗員の頭の前後の揺れを軽減する。•力強く滑らかな走り:高出力モーターがアクセルの踏み込みに素早く応答し、伸びのある加速を実現。高速道路での合流もスムースに行える。 7図9 プラットフォームボディ3.3 進化したe-Pedal Stepアクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできるe-Pedal Stepは、e-POWER車で初めてモーター回生ブレーキと油圧ブレーキの統合制御を採用し、最大0.2Gの安定した減速度を実現している。これにより状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させることで、加減速を繰り返す市街地走行はもとより、長い下り坂や滑りやすい雪道など、幅広いシーンで安心、快適な運転を可能にした。日産の電動化技術と4WD制御技術、シャシー制御技術を統合した、電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を新たに搭載した。前後2基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御することで、4輪の駆動力をそれぞれ最適化し、雪道や山道の走破性に力を発揮するとともに、市街地走行などの日常使いなど、あらゆるシーンや路面状況においてワクワクした走り、そして乗る人すべてに快適な乗り心地を提供している。特集1:「タフギア」×「上質」 新型エクストレイル - 1. 進化した本格SUV 新型エクストレイル e-4ORCE新型エクストレイルはプラットフォームも刷新し、高い操縦安定性、乗心地、静粛性を目指した。ボディは高張力鋼板の使用率を42%まで高め、センタートンネルや分割のないクロスフレーム構造を採用すること(図9)で、質量増加を抑制しつつ、車体のねじり剛性を44%向上した。これにより、安全性能や、操縦安定性、乗心地、静粛性などダイナミックパフォーマンスの大幅向上に貢献している。リアサスペンションは、上位セグメントで培ってきた技術で新設計したマルチリンク式を採用することで、スタビリティを向上するとともに、それとの両立が困難なインパクトショックを30%低減するなど乗心地も向上した。これに高剛性でクイックなギア比のラック式電動パワーステアリングを組み合わせることで、応答性が高く、修正操舵の少ないハンドリングを実現している。この日産の目指すドライビングプレジャー、爽快で自信を高めるドライビングを感じていただきたい。4. 4WDの概念を変える「e-4ORCE」5. 高い走行性能を支える高剛性ボディ・シャシー

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