日産技報 No.89 (2023)
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図2 新型エクストレイルe-4ORCE図1 SUVの世界販売台数と車型シェア図3 エクストレイルのヘリテージと進化*Nissan 第二製品開発部SUVセグメントは2021年世界販売台数が3,500万台を超え、車型シェア45.9%と最も販売されている車型である(図1)一方、各自動車メーカーから次々と新型車が投入され、より一層競争が激しくなっている。日産自動車はカーボンニュートラルを目指して電動化を推進しており、独自技術であるe-POWERを新型エクストレイルにも搭載することで、世界中のお客様に高い環境性能はもとより、100%モータードライブの楽しさ・快適さを提供する、これまでの常識を変えるSUV開発に挑んだ。5エクストレイルは、ミドルクラスSUVの先駆けとなった初代モデル以降、本格SUVならではの力強い走りや利便性の高い装備に加え、各モデルとも時代の先駆けとなる先進技術を搭載することで進化し、世界中のお客様に様々な環境、路面、速度域で走行いただいてきた。4代目となる新型エクストレイルは、進化した第2世代「e-POWER」×「VCターボ」、そして電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載することで、初代モデルから継承する「タフギア」としての悪路走破性をさらに進化させるとともに、オンロードでもこれまでのSUVにはない「上質さ」を感じるレベルの静粛性や乗心地を目指した。オフロードや雪道の走破性は、力強さとともに安心感を与える。例えば、図4に示すような20%勾配のダート登坂発進では、タイヤが空転することなく瞬時にリアに高トルクをかけることで、旧型に対し約1.7倍の車速上昇で走り切る。特集1:「タフギア」×「上質」 新型エクストレイル1. 進化した本格SUV 新型エクストレイル e-4ORCE山本 哲也*1. はじめに2. 新型エクストレイルの進化

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