資源依存資源依存

資源依存に関する方針・考え方資源依存に関する方針・考え方

 
図:2050年に向けた長期ビジョン

2050年には世界の人口が90億人を超えると予測される中、鉱物資源や化石資源といった新規採掘資源への需要拡大が予想され、資源の価値を最大限に引き出すことが一層重要になってきています。また、2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」においても、新規採掘資源を含む天然資源の持続可能な管理および効率的な利用は、重要な目標の1つに位置づけられています。
クルマは多様な原材料と多くの部品からつくられており、その集合体として新たな価値を生み出しています。

日産は、資源の利用効率を究極のレベルにまで向上させるとともに、再生可能な資源や再生材の採用など資源の多様化を進めてきました。生態系に配慮しながら、企業として競争力を高め、グリーンな成長を実現する必要があります。そのため日産は、使用する天然資源の量を2010年と同レベルに保つことを目指し、2050年において「新規資源への依存を70%削減する」という長期ビジョンを掲げ、新たに採掘する天然資源の最少化に努めています。

クローズド・ループリサイクルの取り組み事例クローズド・ループリサイクルの取り組み事例

天然資源使用量をさらに低減するため、鉄とアルミニウムについては、生産時に発生する端材を減らす工夫に加え、発生した端材をビジネスパートナーと協力しながら回収して自動車用の材料に再生することにグローバルで努めています。例えば、鉄スクラップから製造される電炉鋼板を北米で生産している「ローグ」「ムラーノ」などに採用しています。さらに使用済み自動車のアルミロードホイールを回収してアルミロードホイールやシャシー部品に再生利用する取り組みも推進しており、2017年度のアルミロードホイール回収実績は年間約3,340トンとなりました。
樹脂については、工場で発生する塗装済みバンパーのスクラップを、追浜工場の塗装済みバンパー再生工程で塗膜を除去して再生しています。これらは新車用のバンパーに生まれ変わり、「日産リーフ」をはじめ、多くの新車に使われています。この取り組みは、中国における合弁会社である東風汽車有限公司へも適用を拡大し、2014年よりサービスバンパーへ適用を開始しました。
販売会社で交換されたバンパーは再生資源として回収し、アンダーカバーなどの部品の材料として採用しています。バンパー回収スキームを充実させたことで、2017年度は日本国内のディーラーで取り外されたバンパーの82.4%にあたる、約16万6,000本を回収しリサイクルしました。
そのほか、近年のハイブリッド車やEVの販売拡大に伴って銅の使用量が増加していることから、生産時に発生する端材を内製鋳物工場で添加材として利用する取り組みも始めました。

クローズド・ループリサイクル
クローズド・ループリサイクル
バンパー回収本数推移
バンパー回収本数推移

リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進

日産のEVに搭載される高性能リチウムイオンバッテリーは、クルマとして一般的に使われた後も、クルマ以外に利用できる十分な容量を残しています。リチウムイオンバッテリーの“再利用(Reuse)、再販売(Resell)、再製品化(Refabricate)、リサイクル(Recycle)” という「4R」を推進することで資源を有効活用し、さまざまな用途におけるエネルギー貯蔵ソリューションとすることで、バッテリー利用の好循環サイクルを創出できます。
日産は、EVが市場で広く普及していく中、再利用可能なリチウムイオンバッテリーを有効に活用するために、2010年に住友商事株式会社とともにフォーアールエナジー株式会社を設立し、EV用バッテリーを定置型蓄電システムのバッテリーとして活用できるよう、開発に向けた実証実験に取り組んでいます。日本では今後、住宅や事業用の太陽光パネルと組み合わせたエネルギー貯蔵やバックアップ電源として定置型蓄電システムの利用拡大が見込まれており、フォーアールエナジーは個人住宅や集合住宅向け定置型蓄電システムの販売を開始しています。
また、フォーアールエナジーは、「日産リーフ」から回収した使用済みリチウムイオンバッテリーを活用したさまざまな蓄電池システムの開発に積極的に取り組んでいます。2014年より継続中の大阪市此花区で実施している大型蓄電池システムの実証実験をさらに発展させ、2015年11月からは鹿児島県薩摩川内市における系統安定化実験を開始しました。また沖縄県の商業施設では小型蓄電池システムの実証実験を開始し、中古モジュール単位での性能評価や選別基準の技術を磨いています。日産先進技術開発センター(NATC)においては「日産リーフ」24台分の使用済みバッテリーパックを使用したエネルギーマネジメントシステムを2015年7月より稼働しました。また、EVの使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用・再製品化工場が、福島県浪江町にて2018年3月から日本で初めて稼働を開始しました。再製品化される再生リチウムイオンバッテリーをEVの交換用として販売するのは世界初となります。また、再生されたリチウムイオンバッテリーは定置用途や電動フォークリフト向けなどにも活用されます。
日産は、日本だけでなく米国においても、4Rビジネスに積極的に取り組んでいます。


浪江町プロジェクト浪江町プロジェクト

福島県浪江町の同工場では、「日産リーフ」の使用済みバッテリーを再利用して製作した「外灯」を東日本大震災の被災地である同町内に設置するプロジェクト「THE REBORN LIGHT」に取り組みます。
EVの普及が急速に進む一方で、2018年以降は搭載されているリチウムイオンバッテリーの回収個数が大きく増加すると予想されています。将来的なバッテリー材料市況の高騰などの経済的課題だけではなく、環境課題や社会課題の面からも、EVリユースバッテリーの利活用が注目されています。
今回、日産と4Rは、ソーラーパネルの発電と「日産リーフ」の中古バッテリーを組み合わせることで、電線やコンセントを全く必要としない、完全オフグリッドで点灯する外灯の製作を実現しました。この「THE REBORN LIGHT」プロジェクトは、震災からの復興を進める浪江の町に灯りをもたらし、町民の方々の生活を支援します。工場は、東日本大震災後に浪江町が整備している企業立地の第一号であり、地域経済再生や町の発展にも貢献していきます。


オルタネーター
オルタネーター
スターターモーター
スターターモーター
エアコンコンプレッサー
エアコンコンプレッサー

シュレッダーダストの最終処分率シュレッダーダストの最終処分率

日本の自動車リサイクル法に基づいてリサイクル率向上に取り組む拠点が増えた結果、ELVより鉄類、および非鉄金属を除いた自動車シュレッダーダスト(ASR)の最終処分率は、2017年度もゼロを達成しました。

シュレッダーダストの最終処分率

材料比率材料比率

2017年度に日産車に使用した材料の比率はグラフの通りです。

材料比率

廃棄物発生量廃棄物発生量

2017年度の廃棄物発生量は15万3,000トンとなり、2016年度に比べ3.9%の削減となりました。メキシコの生産拠点での削減活動が貢献しています。
なお、廃棄物発生量については、グローバル生産拠点に限定して集計しています。日産自動車株式会社日本国内の生産工場および日産自動車九州株式会社における廃棄物発生量は3万5,765トン*でした。



 
廃棄物発生量

廃棄物発生量(生産台数当たり)廃棄物発生量(生産台数当たり)

2017年度の生産台数当たりの廃棄物発生量は26.92㎏と、2016年度比で4.3%の削減となりました。

グラフ:廃棄物発生量(生産台数当たり)
表:廃棄物発生量(生産台数当たり)

廃棄物最終処分量(生産台数当たり)廃棄物最終処分量(生産台数当たり)

2017年度の生産台数当たりの廃棄物最終処分量は1.42㎏となり、2016年度に比べ7.9%の削減となりました。主に米国の生産拠点における廃棄物削減が貢献しています。

 
グラフ:廃棄物最終処分量(生産台数当たり)