製品を通じた取り組み製品を通じた取り組み

製品を通じた取り組みに関する方針・考え方製品を通じた取り組みに関する方針・考え方

製品・サービスからのCO<sub>2</sub>排出量の削減製品・サービスからのCO2排出量の削減

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2014年の報告によれば、2010年に運輸部門から排出された温室効果ガスは、経済部門全体の排出量の14%を占めています。自動車の販売台数と利用者数が増え続ける中、日産はビジネスの発展を損なうことなく温室効果ガスを削減することを目指します。

長期ビジョンとロードマップ長期ビジョンとロードマップ

日産はIPCCの第3次評価報告書に示された調査結果をもとに独自の試算を行い、2006年に科学的根拠のある2050年に向けたCO2排出削減目標を設定しました。日産は2050年までに新車からのCO2排出量を2000年比で90%削減するという目標を定めています。
この目標達成には、新車のCO2排出量(Well to Wheel)を大幅に低減する必要があると分析し、新たなパワートレインシナリオを策定しました。
「NGP2010」、「NGP2016」では燃費目標を達成したほか、「ゼロ・エミッション車でリーダーになる」という目標達成に向け業界初の電気自動車(EV)の量産化を実現するなど、2050年の90%削減に向かって着実に進捗してきました。
「NGP2022」では、引き続き2050年目標の達成に向けて、バリューチェーン全体を視野に、日本、米国、欧州、中国において、新車からのCO2排出量を2022年までに2000年比40%削減することを目指していきます。
日産はクルマの電動化技術開発によって、グリーンテクノロジーをけん引してきました。だからこそ世界の気温上昇を2度よりも「十分に低く抑える」ために貢献することができると考えています。そしてそれは日産の事業の持続可能性にもつながります。
日産は技術と事業の進化を推進し、「ニッサン インテリジェント モビリティ」の下、新たな技術、機能、事業、サービスを市場に投入・展開するため、一貫性のあるアプローチを行っていきます。

CO2排出削減のシナリオ
CO2排出削減のシナリオ

社会と地球環境の両方に資するものはビジネスにも資するという商品のひとつがEVです。日産は、ゼロ・エミッション車の生産、販売だけでなく、包括的なアプローチのもと、さまざまなパートナーと連携し、ゼロ・エミッション車の普及に向けた活動を推進しています。

ゼロ・エミッション社会の構築ゼロ・エミッション社会の構築

持続可能な社会の実現には、走行時にCO2を全く排出しないゼロ・エミッション車の普及が有効な手段となります。そのためには、ゼロ・エミッション車を単に生産・販売するだけではなく、社会インフラを整備し普及を促す経済性を確保する必要があり、企業単独では実現できません。ゼロ・エミッション車の投入・普及を企業戦略のひとつとして位置づけている日産は、「ゼロ・エミッション車でリーダーになる」というコミットメントを掲げ、開発・生産を強化するとともに、各国政府、地方自治体、電力会社やその他業界と多くのパートナーシップを締結しながら、ゼロ・エミッションモビリティの推進およびインフラ構築のための検討を進めています。
さらなる、リチウムイオンバッテリーの開発、バッテリーの二次利用やリサイクル、充電インフラの整備、スマートグリッド実現への貢献、他社との充電方式の標準化推進など、ゼロ・エミッション車を軸に包括的な取り組みを進めています。
ゼロ・エミッション車の普及によって、人々のライフスタイルが変わり、新たなモビリティ社会が誕生する可能性が生まれます。日産はEVのみならず、 EVがもたらす新たな価値を提案していきます。

EVを活用したゼロ・エミッション社会構築への取り組み
EVを活用したゼロ・エミッション社会構築への取り組み

EVにおけるリーダーシップを確立EVにおけるリーダーシップを確立

持続可能なモビリティ社会実現に貢献するという日産の強い決意は、地球規模の気候変動問題解決の一助となるだけでなく、より環境に配慮したクルマを求めるお客さまのニーズを満たし、日産の持続的な利益ある成長も実現します。今後、太陽光、風力、水力といった再生可能エネルギーを利用した発電の動きが活発になれば、EVはさまざまなエネルギーを電源として利用できるようになり、さらに社会での蓄電池利用が進むことで、蓄電池としての機能を併せ持つEVの市場はさらなる拡大が見込まれます。

  • 1. よりクリーンなエネルギーを採用し、クルマから排出されるCO2を削減
    「ニッサン インテリジェント モビリティ」の戦略の下、電動化を全ブランドへの拡大。EVのラインアップの拡大。主力製品に「e-POWER」技術の導入を推進
  • 2. コネクテッド・カー開発と実用化の加速。ドライバーへの技術的アシストの推進
  • 3. クルマの新しい価値の提供
    新しいモビリティサービスの提供とクルマの利用価値の拡大。
    V2X*を用いたエネルギーマネジメントソリューションのグローバルでの拡大
    (日本:「Leaf to Home」の拡大、米国・欧州:商用化)。
    V2Xの商用化に向けたステークホルダーエンゲージメントの実施

*V2X:Vehicle to Everythingの略。自動車と自動車(V2V:Vehicle to Vehicle)、または自動車とインフラ(V2I:Vehicle to Infrastructure)が相互通信を行うことで車両を制御し、自動車事故や渋滞の低減を目指す仕組み

製品を通じた取り組みに関する実績 クリーン技術の推進製品を通じた取り組みに関する実績 クリーン技術の推進

新車からのCO<sub>2</sub>排出削減40%達成に向けて新車からのCO2排出削減40%達成に向けて

日産は、エンジン搭載車の燃費をグローバルに向上するために、エンジンのエネルギー効率向上や、エンジンの力を伝えるトランスミッションの性能向上などの技術開発に継続して取り組んでいます。また、減速時にブレーキの熱として廃棄していたエネルギーを回収して再利用できる電動化システムのさらなる効率化にも注力しています。車両の電動化をはじめとするモノづくりの技術革新の具体的な取り組みとして、車室内空間、用途、価格を考慮しながらクルマに最適な低燃費技術を採用し市場に投入することで、運転する楽しさや使いやすさを損なうことなく燃料消費量やCO2排出量を削減していきます。
こうした取り組みの推進により、2022年度までに2000年度比でCO2排出量を40% *削減する目標を実現していきます。

*日本、米国、欧州、中国の4市場における新車からのCO2排出量



新車からのCO<sub>2</sub>排出量削減率(グローバル)
 

2017年度、日産の主要な市場である日本、米国、欧州、中国におけるCO2排出量は企業平均燃費ベースで2000年度に比べ33.4%改善しました。日本市場での「e-POWER」搭載のモデルなどが平均燃費の向上に貢献しています。

*CO2削減率は社内の算出方法を用いて行っています。

「日産リーフ」累計販売台数32万台突破「日産リーフ」累計販売台数32万台突破

日産リーフ:JC08モード( 国土交通省審査値)での交流電力量消費率

JC08モード( 国土交通省審査値)での交流電力量消費率

「日産リーフ」は、走行中にCO2などの排出ガスを一切出さないゼロ・エミッション車です。2010年の販売開始以来、リチウムイオンバッテリーと電気モーターの搭載による力強く滑らかな加速性能、あらゆる速度域での高級車のような静粛性能、優れた重量バランスによる高い操縦安定性を実現させた今までにない運転感覚が、お客さまから高い評価を得ています。
現在まで、51ヵ国・地域に投入されている「日産リーフ」の販売台数は着実に増加しています。2018年3月時点で、「日産リーフ」のグローバル累計販売台数は32万台を突破し、世界で最も売れているEVというポジションを維持しています。「e-NV200」とヴェヌーシア「e30」を含めたEV全体のグローバル累計販売台数では38万台を超えました。販売台数が好調に推移しているのは、環境に与える負荷が少ないというだけではなく、燃料代などのランニングコストが低いこと、加速や操縦など走行性能が優れていることなど、EVならではの特徴が浸透してきた結果だと考えています。

加えて、「日産リーフ」には専用開発した先進的ITシステムを採用。スマートフォンなどを使い、クルマから離れていてもエアコンや充電などをリモート操作することが可能です。少ない電力での走行可能ルート・走行ルート周辺の立ち寄り充電スポットの案内といったドライビングサポート機能を装備するなど、独自の利便性が評価されています。
また、日産はEVの普及を促進するために、自治体や企業などと協働し、充電インフラの整備にも取り組んできました。さらに、世界各国のEVの走行データなどを収集するため、グローバルデータセンター(GDC)を設置し、さまざまな走行・充電パターンを検証。市場における貴重な経験値として、利便性のさらなる向上に活用しています。
日産は、「日産リーフ」をはじめとするEVでは、ガソリン車に比べ原料採掘の段階から、製造、輸送、使用、廃棄に至るライフサイクルでのCO2排出量を削減することが可能であると試算しています*。CO2排出量の低減や再生可能エネルギーへの転換に貢献するEVは、クルマを取り巻く社会全体の低炭素化には不可欠です。


「日産リーフ」
「日産リーフ」

バッテリー技術の向上で航続距離を大幅に伸ばした新型「日産リーフ」バッテリー技術の向上で航続距離を大幅に伸ばした新型「日産リーフ」

2017年10月に発売した新型「日産リーフ」は、ゼロ・エミッションであることに加え、自動運転技術を活用した「プロパイロット」や「プロパイロットパーキング」、「e-Pedal」などの革新的な技術を搭載して利便性を高めるとともに、出力と航続距離も大幅に向上しています。こうした技術が高く評価され、国内では日本自動車殿堂(JAHFA)にて「2017-2018 カー・テクノロジー・オブ・ザ・イヤー」、米国では全米民生技術協会(CTA)主催の「Best of Innovation award winners for 2018」、また2018 New York International Auto Showでは「2018 World Green Car」、欧州では2018 What Car? Awardsにて「Best Electric Car」を受賞しました。
出力と航続距離の向上を実現したのが、軽量・コンパクトで大容量のリチウムイオンバッテリーです。リチウムイオンバッテリーは、鉛酸バッテリーやニッケル水素バッテリーと比べてエネルギー密度が高く、同じ量の電気を蓄えるのであれば、バッテリーを小さくすることができます。日産のリチウムイオンバッテリーは、リチウムイオンを高密度に蓄えられる素材を採用*1し、さらなる大容量化を実現、2010年の初期型では200㎞だった航続距離が新型「日産リーフ」では400㎞*2にまで向上しました。初期型では2個搭載していたモジュールをひとつに統合してコンパクト化、省スペースにも貢献しました。この新しいバッテリーは、耐久性についても向上しており、バッテリー容量は8年16万kmを保証しています。さらに、新型「日産リーフ」では電費の改善も実現することができました。


  • (*1)新たに採用した層状構造の三元系正極材料はリチウムイオンを高密度に蓄えることができ、バッテリー大容量化に貢献
  • (*2)JC08モード(国土交通省審査値)
セレナ:JC08モード( 国土交通省審査値)での燃料消費率よりCO₂排出量を算出
  • *JC08モード( 国土交通省審査値)での燃料消費率よりCO2排出量を算出
キャシュカイ:欧州当局の認証を受けた燃費値(CO₂排出量)を引用
  • *欧州当局の認証を受けた燃費値(CO₂排出量)を引用

中国のお客さま向けの電気自動車「シルフィ ゼロ・エミッション」を中国国内で生産中国のお客さま向けの電気自動車「シルフィ ゼロ・エミッション」を中国国内で生産

「シルフィ ゼロ・エミッション」は、 安心感のある安定した走りに加え、高い利便性と快適性を実現し、100%電動パワートレインによる楽しくワクワクするドライビング体験をお客さまに提供しています。世界で最も売れているEV「日産リーフ」のコア技術を継承しており、クルマがエネルギーをどのように使い、どのように走るのか、そして社会とどのようにつながっていくかということを再定義することで、日産車をより魅力的なクルマにするアプローチである「ニッサン インテリジェント モビリティ」を具現化しています。

新しい燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を発表新しい燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を発表

日産は2017年11月に、バイオエタノールを燃料とする新しい燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を発表しました。「e-Bio Fuel-Cell」は、エタノールのほかにも天然ガス等の多様な燃料と酸素との反応を利用して高効率に発電する固体酸化物型燃料電池(SOFC)を発電装置としたシステムで、自動車の動力源として搭載されるのは今回が初めての試みとなります。
「e-Bio Fuel-Cell」は、インフラ普及へのハードルが比較的低いうえ、EV並みの安価なランニングコストが実現できるため、市場に新規導入しやすい技術と考えられます。また、発電効率の高いSOFCとエネルギー密度の高い液体燃料を用いるため、ガソリン車並みの航続距離の実現が可能となります。さらに、短いエネルギー充填時間の利点を生かすことで、高い稼働率が要求される商用車としての可能性も広がります。

プラグイン・ハイブリッド車の開発プラグイン・ハイブリッド車の開発

プラグイン・ハイブリッド車(P-HEV)とは、エンジンによる発電だけでなく、外部電源からも充電できるハイブリッド車です。バッテリーを搭載しており、エンジンと電気モーターを組み合わせることによりEV同様のモーター走行が可能です。日産はプラグイン・ハイブリッド車の投入を目指して、アライアンス技術を活用しながら、開発を進めています。

量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」の開発量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」の開発

日産は、2017年11月、世界初となる量産型可変圧縮比エンジン「VCターボ」を開発し、高級車ブランドであるインフィニティの新型「QX50」に搭載しました。さらに米国では、新型「アルティマ」に拡大採用すると発表、V6ガソリンエンジンと並ぶ動力性能を発揮しながら、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現すると期待されています。
VCターボの可変圧縮比技術は、走行情報やドライバーによるインプット情報に合わせて8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で最適な圧縮比に素早く変化します。同技術は、既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクト。燃料消費量と排出ガスの削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがあります。

ITSを活用した渋滞緩和・環境改善プロジェクトITSを活用した渋滞緩和・環境改善プロジェクト

クルマの燃費は、車両性能のみならず、クルマを取り巻く交通環境やその使われ方にも左右されるため、日産は高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)を活用し、交通環境改善に向けた社会インフラ実現への取り組みを積極的に行っています。
例えば近年急激にクルマの普及が進む中国の渋滞緩和に向けて、日産は2010年から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、北京市交通委員会とともに同市にて、IT 端末を活用した動的経路誘導(DRGS)とエコ運転支援の実証実験を行いました。
うち望京地区では、自家用車を所有する一般ドライバー約1万2,000名にポータブルナビ(PND:Portable Navigation Device)を使用してもらい、動的経路誘導とエコ運転支援サービスを実施しました。約1年間にわたる実証実験の結果、動的経路誘導システムの利用により、走行時間は5.1%短縮、燃費も7.6%向上しました。渋滞区間を回避して交通量の少ない道路を利用することで交通量を分散できるため、地域全体における車両の走行速度を向上させることも可能になります。また、エコ運転支援サービスを受けたドライバーは、運転習慣が改善し、燃費が6.8%向上しました。
同時に実施したシミュレーションでは、動的経路誘導システムが北京市全体で10%普及した場合、車両の平均速度が約10%向上し、燃料消費量とCO2排出量を約10%削減できると試算されています。
このプロジェクトの成功により、日産は「北京市の渋滞緩和、省エネルギー、環境改善に多大な貢献」を行ったとして、北京市交通委員会から栄誉表彰を受けました。また、中国商務部系の雑誌社の「Corporate Leadership Award」を受賞しました。
次のステップとして日産は、ITSやEVを使って大気の質改善を目指す研究プロジェクトを中国政府や大学と推進しています。穏やかな加減速や定速走行を啓発するエコ運転支援サービスは、安全運転を促進することで事故渋滞を減らし、空質改善に寄与することが分かりました。また、石炭火力が多い中国であっても、EVは省エネルギーに貢献するだけではなく、PM2.5といった大気汚染物質やCO2排出量(Well to Wheel)の削減につながることが立証されました。これらの研究成果は、中国政府、北京市政府の高い評価を得て、それぞれの政府の環境政策に反映されています。この研究は現在、日産が推進する「ニッサン インテリジェント モビリティ」普及による交通・環境影響研究に発展しています。
日産は、都市部の環境と大気の質改善に向けて、積極的に活動していきます。

 
北京市交通委員会から栄誉表彰
 
北京市交通委員会から栄誉表彰

スマートグリッドの実現に貢献する日産のEVスマートグリッドの実現に貢献する日産のEV

日産のEVは、パワーコンディショニングシステムと組み合わせることにより、駆動用の大容量リチウムイオンバッテリー内の電力を外部から取り出すことを可能とし、バッテリーを活用した新たな価値をお客さまに提供します。
現在日本では、「Vehicle to Home (V2H)」向けに約7,000基のパワーコンディショナーが普及しています。例えば電気料金が低い時間帯にEVを充電して電力を貯蔵し、高い時間帯にそれを家庭で使用することで、家庭の電気料金を抑えることができます。また再生可能エネルギーで自家発電した電力の余剰分をEVに貯蔵し、その後家庭で消費することで、CO2排出量の低減にも貢献します。さらに日米欧では、「Vehicle to Building (V2B)」の取り組みとして多くのEVが建物への電力供給に利用されており、その数は年々増えています。V2HやV2Bでは、EVは停電等の非常時のバックアップ電源となり、家庭や店舗・商業ビルへ電力を供給することも可能です。EVとの接続部は、グローバルに使用実績があるCHAdeMO規格に対応しており、高い汎用性や安全性、信頼性を確保しています。
さらに、EVが送電網(グリッド)とつながる「Vehicle to Grid (V2G)」では、多くのEVのバッテリーを協調させた充電や放電の実施により、社会の電力需要を最適に制御することが可能となります。2017年から2018年にかけて日産は、電力会社(東京電力ホールディングス株式会社および関西電力株式会社)が実施する複数の「バーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)」構築実証実験に協力しました。電力会社のシステムとEVの車両情報を連携させる技術の蓄積や、電力会社からの充電指示に応じるユーザー比率予測手法の確立などを進め、将来のEV大量普及時代において、再生可能エネルギーの有効利用や電力供給の安定化などにグリッドレベルで貢献することを目指します。

ゼロ・エミッション車普及に向けたインフラ整備ゼロ・エミッション車普及に向けたインフラ整備

約30〜40分*でバッテリーの80%まで充電が可能な急速充電器は、EV普及に向けた重要なインフラのひとつです。日産は2011年に急速充電器の販売を開始し、2012年には静粛性能や充電コネクターの操作性を向上させ、課金システムにも対応できるように改良。その後2015年11月まで生産し、充電インフラの整備をハードウエアの面からグローバルにサポートしてきました。
日本国内では、各地方自治体、集客施設などへの急速充電器の設置や導入を働きかけるとともに、全国の日産販売店への急速充電器の設置を進めており、その数は2018年3月時点で約1,800店舗に上ります。
日産は2014年5月には、他の国内自動車メーカーとともに、日本における電動車両(EVやプラグイン・ハイブリッド車[P-HEV])の充電器設置活動、および利便性の高い充電ネットワークサービスの構築を推進するために、新会社「日本充電サービス(略称NCS)」を共同出資により設立しました。各社は、それぞれの電動車両ユーザーが1枚のカードでNCSが管轄するすべての充電器をいつでも利用できる、利便性の高い充電インフラネットワークサービスを提供しています。
またEV普及に賛同する企業と協力して、賛同企業の各事業所内にEV用充電器を設置し、従業員が通勤用として広く「日産リーフ」を活用できる環境づくりをサポートする取り組みも開始しています。
日本全国でEVを利用するお客さまの利便性を向上させるため、「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)」を提供しています。毎月定額の月会費を払えば全国ほとんどの急速充電器が何回でも無料で使えるため、自宅での普通充電にかかる電気代も節約できるなど、ランニングコストの削減に貢献しています。
米国では「No Charge to Charge」プログラムを提供しています。これは「日産リーフ」を購入またはリースしたお客さまは2年間、決められた充電スタンドを活用すれば無料で充電できるというプログラムです。「日産リーフ」の販売台数が多いサンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ポートランドなど、55のエリア(2018年4月時点)で実施されており、今後ほかのエリアにも拡大していく計画です。
このほか欧州においても、エネルギー産業にかかわる企業などと協働でCHAdeMO協議会のプロトコルに対応した急速充電器の設置を推進しています。
また、EVとP-HEVの普及のため、BMW社と協力して、両社の車両が利用可能な急速充電ステーションの拡充も進めています。2017年1月までに米国33州に追加で合計174ヵ所のステーションが設置され、2017年内に50基が整備することが発表されました。
2018年3月末時点で、CHAdeMO規格の急速充電器は全世界で約1万8,000基設置されています。

*40kWh/30kWh/24kWh駆動用バッテリーともに、バッテリー残量警告灯が点灯した時点から充電量80%まで充電するのにかかる時間の目安。充電時間は、急速充電器の仕様、環境温度によって異なります

米国カリフォルニア州におけるEVの行動範囲拡大に向け実証事業を開始米国カリフォルニア州におけるEVの行動範囲拡大に向け実証事業を開始

米国カリフォルニア州はゼロ・エミッション車の普及に対する積極的な取り組みを行っており、現在全米において自家用EVの販売台数が最も多い州として知られていますが、その活用は通勤や買い物などの都市圏の移動が中心になっています。日産と兼松株式会社は、カリフォルニア州政府と米国の充電インフラ事業者EVgo社と協力し、幹線道路沿いの25ヵ所以上に55基以上の急速充電器を効果的に新たに設置するとともに、EVユーザーを最適な急速充電器へ誘導する情報サービスシステムなどを構築し、EVの行動範囲拡大への有効性を検証する実証事業を、NEDOより受託し2016年11月にキックオフしました。EVの行動範囲を都市間移動に拡大することを目的に実施するもので、2020年9月までにEVのさまざまな行動パターンを調査・分析・研究することで、EVの普及と利用拡大モデルの確立を図ります。

超小型EV「日産ニューモビリティコンセプト」超小型EV「日産ニューモビリティコンセプト」

「日産ニューモビリティコンセプト」は、高齢者や単身者世帯の増加といった社会背景や、乗用車の近距離移動・少人数乗車の使用実態に着目した、全く新しい2人乗りの超小型EVです。軽自動車よりもコンパクトであるため、車両感覚のつかみやすさと周囲の見通しの良さを生かし、道路幅が狭く見通しが悪い住宅地、コンパクトシティ化を推し進める地方都市、離島などでの活躍が期待されています。
日本では2011年度から国土交通省の協力のもと、各自治体・企業などと検証や調査を目的に同車の走行実証実験を行ってきました。2013年1月には、国土交通省から普及に向けた「超小型モビリティ公道走行を可能とする認定制度」が公布・施行され、現在では横浜市との協働事業である都市内回遊型カーシェアリング「チョイモビ ヨコハマ」を含め25の地域で実証事業が行われています。地方創生や地域活性化の観点から主流であった観光利用はますます拡大しているほか、2020年に向け東京都が推進する島しょ地域電気自動車普及モデル事業に先行する形で、5月から式根島(東京都新島村)に観光レンタカーとして導入されています。
日産は、日本全国で実施している他の事業も含めて得られた知見や情報を最大限に活用して、EVの新しい使い方や円滑な交通流(自動車の流れ)の実現に向けたアドバイスおよび次世代のスマートモビリティの提案を行っています。


データ集データ集

日本における企業平均燃費(CAFE、JC08モード)日本における企業平均燃費(CAFE、JC08モード)

日本における企業平均燃費(CAFE、JC08モード)
2017年度の日本における企業平均燃費は、20.6km/Lとなりました。これは、新型「ノート e-POWER」の好調な販売が貢献しており、2016年度に比べて5%の改善を達しました。なお、社内で算出した暫定値を使用しています。

米国における企業平均燃費(CAFE)米国における企業平均燃費(CAFE)

米国における企業平均燃費(CAFE)
2017年度の米国における乗用車の企業平均燃費は39.8mpgとなり、2016年度に比べて2%悪化しました。これは、主に大型セグメントの販売増によるものです。小型トラックのセグメントにおいても、比較的に重量の高いモデルの販売増によって、企業平均燃費は30.1mpgから29.1mpgに悪化しました。

欧州における車両平均CO<sub>2</sub>排出量欧州における車両平均CO2排出量

欧州における車両平均CO2排出量
2017年はガソリン車、ディーゼル車、EVの販売構成に大きな変化がなかったため、2016年度に比べて横ばいとなりました。

中国における企業平均燃料消費量中国における企業平均燃料消費量

中国における企業平均燃料消費量
2017年は国内生産分の燃費は横ばいでしたが、輸入車の燃費が10%改善しました。これは主に重量の高いモデルの改善によるものです。

EVEV

「日産リーフ」はグローバル累計販売台数が32万台を突破。「e-NV200」は欧州や日本で開始。「シルフィ ゼロ・エミッション」は2018年後半に中国で発売予定。

100%EV及びe-POWER販売台数

ハイブリッド車ハイブリッド車

2013年度には、独自のハイブリッドシステムを搭載した後輪駆動のインフィニティ「Q50」(日本では「スカイライン」)を市場に投入しました。このハイブリッドシステムを前輪駆動車へも順次拡大し、2013年度に発売された日産「パスファインダー」とインフィニティ「QX60」にはエクストロニックCVTと組み合わせて搭載しています。 2015年に発売した「エクストレイル ハイブリッド」で、EV走行領域の拡大やシステム動作モードの最適化といった進化により、ガソリン車に対して25%の燃費向上を図り、クラストップとなる燃費を実現しました。
2015年に発売した「エクストレイル ハイブリッド」で、EV走行領域の拡大やシステム動作モードの最適化といった進化により、ガソリン車に対して25%の燃費向上を図り、クラストップとなる燃費を実現しました。

ハイブリッド車台数(出荷台数ベース)

エクストロニックCVT搭載車エクストロニックCVT*搭載車

日産は燃費性能に優れたCVTの投入を1992年に開始しました。2016年度までにCVTを搭載したクルマの販売台数を2,000万台まで増やし、CO2排出量の削減に貢献することを目指してきました。2017年度のCVT搭載車の販売台数は320万台で、累計販売台数は2,500万台となりました。
* Continuously Variable Transmission(無段変速機)

エクストロニックCVT搭載車販売台数