企業活動を通じた取り組み企業活動を通じた取り組み

企業活動を通じた取り組みに関する方針・考え方企業活動を通じた取り組みに関する方針・考え方

企業活動からのCO<sub>2</sub>排出量の削減企業活動からのCO2排出量の削減

日産は企業活動からの温室効果ガス排出量削減に取り組んでおり、省エネルギー活動や再生可能エネルギーの利用を推進しています。
日産は国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書をもとに試算した結果に基づき、2050年までに企業活動全体からのCO2排出量を2005年比で80%削減することを目指しています。この長期ビジョンを起点とし、「NGP2016」で22.3%削減しました。「NGP2022」では2022年までに企業活動全体からのCO2排出量を30%削減するという中期目標を設定しています。日産の温室効果ガス排出量削減への取り組みは、排出量が大きい生産活動だけでなく、物流、オフィス、販売会社にも及んでいます。生産、物流といった活動領域別の目標を設定し、それぞれの領域で温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいきます。

企業活動を通じた取り組みに関するマネジメント企業活動を通じた取り組みに関するマネジメント

2050年の長期目標の達成に向けた、NGP2022 における各バリューチェーンでの目標は以下の通りです。
企業活動全体:2022年までにグローバルの企業活動におけるCO2排出量を30%削減(販売台数当たり、2005年比)


  • 生産:2022年までにグローバルの生産拠点におけるCO2排出量を36%削減(生産台数当たり、2005年比)
  • 物流:2022年までに日本、北米、欧州、中国の物流におけるCO2排出量を12%削減(生産台数当たり、2005年比)
  • オフィス:2022年までにグローバルのオフィス拠点におけるCO2排出量を12%削減(床面積当たり、2010年比)
  • 販売会社:2022年までに日本の販売会社におけるCO2排出量を12%削減(床面積当たり、2010年比)

グローバル生産における省エネルギー活動グローバル生産における省エネルギー活動

生産過程におけるCO2排出の主たる要因は、化石燃料を使用したエネルギー消費です。日産は、生産過程におけるエネルギー消費とCO2排出量が最も少ない自動車メーカーとなるよう、さまざまな省エネルギー活動に取り組んでいます。
生産技術の分野では、より効率の高い生産設備の導入や工法の改善、省エネルギー型照明の採用などを行っており、最近では塗装工程への3ウェット塗装技術の導入を推進しています。生産工場から排出されるCO2の約30%は塗装工程に起因しており、同工程における焼付け工程の短縮、または撤廃がCO2排出量削減につながります。日産が導入した3ウェット塗装技術は、これまで中塗りと上塗り両方の塗装後に設けていた焼付け工程を、中塗りと上塗りを連続して塗装することで一度に集約しており、塗装工程からのCO2排出量を従来比30%以上削減*1することを可能にします。日産はこの技術を、2013年に日産自動車九州をはじめ、米国のスマーナ工場、メキシコのアグアスカリエンテス第2工場(同年11月稼働開始)、ブラジルのレゼンデ工場(2014年2月稼働開始)、メキシコのダイムラーとの合弁会社COMPAS(コンパス)工場(2017年12月稼働開始)に導入しています。特に日産自動車九州では、量産ラインを止めることなく3ウェット対応の工程への移行を実現し、工程自体の短縮化にも成功しています。

*1 日産調べ


3ウェット(中塗り・上塗り工程統合)塗装技術
3ウェット(中塗り・上塗り工程統合)塗装技術

●オーブン工程
従来2つあった工程(上図①②)を、新技術で中塗り、上塗り(ベースコート、クリアコート)と連続で塗装し1つ(下図①)にすることでCO2排出量を削減

CO2削減やエネルギー使用量の目標達成にあたり、日産はグローバルの各拠点から必要な設備提案を募り、投資額当たりのCO2削減量が大きい案件に対して優先的に資金を配分しています。このようにカーボンの価値を社内評価のひとつとして取り入れることで、効率的な投資が可能となり、企業としての競争力も高まります。
運営面では、照明や空調設備を細かく管理し、エネルギー使用量やロスの少ない操業を徹底しています。日本で先行した省エネルギー技術を世界の各工場に普及させるとともに、各国の工場が相互に学び合い、ベストプラクティスを共有しています。また、日本のほか、欧州、メキシコ、中国に設置した「エネルギー診断チーム(NESCO:Nissan Energy Saving Collaboration)」*2が、各管轄地域の工場において省エネルギー診断を実施し、2017年度は約6万3,000トンのCO2排出量削減*3につながる対策を提案しました。アライアンスパートナーであるルノーでもNESCOチームを立ち上げ、ルノーの省エネルギー活動を支援しています。
電力の調達については、日産全体のCO2、再生可能エネルギー使用率、コストのバランスを考慮しながら、それぞれの目標を達成する最適なサプライヤーを選定しています。こうした活動を推進し、2017年度のグローバル台当たりCO2排出量は約0.50トンで、2005年度比で約31%の削減することができました。

  • *2 2003年に日本、2013年に欧州、メキシコ、中国に設置
  • *3 日産調べ

エネルギー投入量エネルギー投入量

グローバル生産における省エネルギー活動
  • *1 日産が購入した電力における再生可能エネルギー量
  • *2 日産が拠点内で発電し自社で消費した再生可能エネルギー量

エネルギー投入量推移
エネルギー投入量推移

2017年度の日産のグローバル企業活動における総エネルギー使用量は約9,532千MWhとなり、2016年度に比べ、6.4%の減少になりました。これは主に各拠点の省エネ活動の推進と連結対象会社の変更が要因です。生産過程におけるエネルギー使用量は8,462千MWhでした*。


日本の数値には、海外で組み立てて使用するパワートレインや他の部品の製造を含みます。分母の数はそれぞれの地域で製造された生産台数であるため、数値が高くなることがあります。

地域別

エネルギー使用量(売上高当たり)エネルギー使用量(売上高当たり)

2017年度の売上高当たりのエネルギー消費量は0.72MWhとなり、2016年度と比較し、9.5%減少しました。企業として経済成長がエネルギー使用に及ぼす影響を最小化する取り組みを継続しています。

エネルギー使用量(売上高当たり)
 
エネルギー投入量推移

2017年度のグローバル拠点からのCO2排出量は、スコープ1とスコープ2の合計で3,306千トンとなりました。生産過程におけるCO2排出量は2,824千トン(スコープ1排出量812千トン、スコープ2排出量2,012千トン)になりました*。

企業活動からのCO<sub>2</sub>排出量(グローバル販売台数当たり)企業活動からのCO2排出量(グローバル販売台数当たり)

2017年度は、企業活動に伴うCO2排出量が2005年度に比べ29.2%の削減となり、2022年に向けて順調に推移しています。

エネルギー使用量(売上高当たり)
生産活動におけるカーボンフットプリント
生産活動におけるカーボンフットプリント

生産活動からのCO<sub>2</sub>排出量(生産台数当たり)生産活動からのCO2排出量(生産台数当たり)

2017年度のグローバル生産台数当たりのCO2排出量は0.5トンとなり、2005年度比で31%の削減率を達しました。2022年度に向けて、順調に推移しています。

エネルギー使用量(売上高当たり)

スコープ1と2のCO<sub>2</sub>排出量(売上高当たり)スコープ1と2のCO2排出量(売上高当たり)

2017年度のグローバル拠点からの売上高100万円当たりのCO2排出量は0.25トンとなりました。

スコープ1と2のCO<sub>2</sub>排出量(売上高当たり)

再生可能エネルギーの推進再生可能エネルギーの推進

日産は、各拠点の地域特性に合わせ、自社の設備による発電、再生可能エネルギー比率のより高いエネルギーの調達、そして土地や設備など自社資産の発電事業者への貸付という3つのアプローチのもと、再生可能エネルギーの利用と社会普及の後押しを推進しています。
自社の設備による発電については、英国のサンダーランド工場で風力発電機を10基導入、出力は6,500kWに達しており、また、2016年からは4.75MWhの太陽光発電を設置し、同工場で使用する電力の約8%を供給しています*。このほか日本の座間事業所では、小水力発電を開発し、排水管2.5mの落差から回収したエネルギー約0.5kWを試験的に工場内で使用しています。
再生可能エネルギー比率のより高いエネルギーの調達については、メキシコのアグアスカリエンテス第1工場では、バイオマスガスや風力由来の電力を積極的に採用し、2013年から再生可能エネルギー使用率は50%に達しています。
自社資産の発電事業者への貸付については、2013年5月から大分県に保有する遊休地約35万m2を、また2014年1月からグループ企業である日産工機株式会社の寒川工場の屋根を、それぞれ太陽光発電用に賃貸しています。
これらの取り組みによりCO2排出量削減に向けて生産工場における再生可能エネルギーの使用率を高めており、2017年度は10%を達成しました。

* このほか、スペインの工場で太陽光発電装置(出力約200kW)を設置

物流における効率化とモーダルシフト物流における効率化とモーダルシフト

日産は、2000年から自社手配のトラックがサプライヤーを回り、必要な部品を引き取る「引取輸送方式」を、海外を含む多くの生産工場で広く採用し、グローバルに効率化を推進しています。また、サプライヤーと共同で納入頻度の適正化や輸送ルートの最適化、梱包仕様(荷姿)の改善に取り組み、積載率の向上とトラック台数の削減を進めるとともに、トラックから鉄道へのモーダルシフトルートの拡大を積極的に推進しています。
また、完成車やサービス部品の分野で取り組んできたOEMとの共同輸送を、2014年より生産用部品の領域にも拡大することで、さらなる効率的な輸送の実現を目指しています。このほかにも、工場で必要な生産用部品を、できる限り工場近辺から調達することにより、輸送距離を短縮する取り組みも行っています。
点数が多く、多種多様な材質・形状をしている自動車部品の荷姿の工夫にも力を入れています。「物流サイマル活動」として、新車の設計開発段階から輸送効率を考慮した部品設計に取り組み、クルマ1台当たりの部品調達荷量を削減することで、輸送量の削減を目指しています。
またコンテナ輸送については、寸法が大きいコンテナ*1を採用し、シミュレーションソフトを使いコンテナ内の無駄なスペースを削減するなど、部品輸送のコンテナ充填率向上を推進しています。
物流手段についても随時見直しを行い、海上輸送および鉄道輸送へのモーダルシフトを推進しています。日本での完成車輸送は、約70%を海上輸送で行っています。関東地区から日産自動車九州株式会社の工場への部品輸送はほぼ全量を鉄道や船舶で行っており、特に船舶へのモーダルシフトについては優良事業者として国土交通省からの認定を取得しています。
海外拠点においては、それぞれの地理的特性を生かした輸送手段を選択しています。輸送先に応じて鉄道や船舶を使い、従来のトラック輸送からの切り替えを推進しています。中国では国内向け完成車輸送に船舶および鉄道を利用する比率を高めています。
また2010年より省エネルギー型自動車運搬船の採用を推進しており、現在までに7隻の省エネルギー船を導入しています*2
日産は、物流活動がグローバルに拡大する中、効率化とモーダルシフトを推進し、2022年度までに物流におけるCO2排出量を2005年度比で12%削減(台当たりのCO2排出量)*3することを目標としています。2017年度のグローバル台当たりCO2排出量は約0.38トンとなり、削減率は約11.8%となりました。

  • *1 40フィートハイキューブコンテナ
  • *2 省エネルギー船に関する詳細はウェブサイトをご覧ください
  • *3 日本、北米、欧州、中国での当社生産拠点から販売店への輸送活動において排出されるCO2の総量を輸送台数で割ったもの

輸送量
輸送量

2017年度はグローバル輸送量が約11%減少し、356億350万ton kmとなりました。日産はトラック大型化による積載量の増加、トラック積載時の充填率向上、完成車輸送船の燃費向上、鉄道や船舶への切り替えなどの取り組みを引き続き強化していきます。

物流からのCO<sub>2</sub>排出量(輸送台数当たり)物流からのCO2排出量(輸送台数当たり)

2017年度は、グローバル生産台数が増加したものの、輸送台数当たりのCO2排出量は0.38トンと2016年度に比べて改善しています。

スコープ1と2のCO<sub>2</sub>排出量(売上高当たり)

オフィスでの取り組みオフィスでの取り組み

日産は、日本、北米、欧州、中国のオフィスにおいてCO2マネジメントを推進し、CO2排出量を削減することを目指しています。
日本では日産トレーディング株式会社が特定規模電気事業者(PPS:Power Producers & Suppliers)として(以下、日産PPS)、CO2排出量とコストを考慮しながら環境負荷の少ない電力を調達しています。2017年は神奈川県内5事業所1へ約2万6,657MWhの電力が供給されています。
さらに、これまで生産工場で活躍していたNESCOチームを日産テクニカルセンターに立ち上げ、オフィスにおいても省エネルギー診断を実施してCO2削減を推進しました。
日産ではCO2マネジメントのほかにも環境に配慮した取り組みを推進しており、テレビ会議や電話会議の設備を充実させ、また複数拠点で書類を資料として共有できるソフトウェアを活用することで、グローバルに出張を減らし業務効率向上やコスト削減を図っています。

1 グローバル本社、相模原部品センター、日産教育センター、日産カスタマーサービスセンター、本牧埠頭

グリーンビルディングポリシーグリーンビルディングポリシー

日産はISO14001の環境影響評価のマネジメントプロセスに基づき、新築や改修工事の際に、環境配慮の面で最適化された建物仕様を重視しています。CO2排出量といった環境負荷の低い建物や、廃棄物などの少ない工事方法の立案、さらに有害物質の使用削減などの品質管理を評価項目として挙げるとともに、日本では建築物の環境性能を総合的に評価する国土交通省のCASBEE*をひとつの指標としています。
既存の建屋では、横浜市のグローバル本社ビルが最高評価の「Sランク」を取得し、神奈川県厚木市の日産先進技術開発センター(NATC)に続く2件目の取得となりました。
グローバル本社ビルは、自然エネルギーの有効活用とCO2排出量の削減、水のリサイクル、廃棄物の大幅な削減が評価され、建築物の環境性能効率を示すBEE値が新築としては過去最高の5.6と、日本最高レベルの環境性能を持つオフィスビルとして認証されました。

* 建築環境総合性能評価システム:Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency

販売会社での取り組み販売会社での取り組み

日産は、日本の販売会社において、CO2マネジメントを推進し、CO2排出量を全体で毎年1%削減(床面積当たり)することを目指しています。
多くの店舗で高効率空調や断熱フィルム、天井ファン、LED照明などを採用しているほか、店舗によって建て替え時に日中の太陽光を取り込む照明システムや断熱材を取り入れた屋根を採用するなど、省エネルギー活動を継続的に進めています。このほか、また環境負荷の少ない電力の調達に関しては、日産PPSだけでなくほかのPPSからの供給拡大も推進し、関東、中部、東北、関西、九州地区で約1,023の販売店に約14万3,183MWhの電力(CO2排出量にして年間約3,278トンの削減)を導入しました。
また、2000年4月、ISO14001認証に基づいた日産独自の環境マネジメントシステム「日産グリーンショップ」認定制度を導入しました。この制度では、すべての販売会社が日産の環境基準を満たし、1年ごとの「定期審査」を受けることが求められます。評価シートには84のKPI*があり、各国の法規や地域社会の要請、ニッサン・グリーンプログラムの要件に照らして随時改定されています。

*KPI: 重要業績評価指標:Key Performance Indicators

神奈川日産自動車(株)の一部の販売店の屋根に設置した太陽光パネル。得られた電力を日産PPSとして調達し販売店に供給しています
神奈川日産自動車(株)の一部の販売店の屋根に設置した太陽光パネル。得られた電力を日産PPSとして調達し販売店に供給しています

通勤からのCO<sub>2</sub>排出量の割合通勤からのCO2排出量の割合

日本では2013年度、マイカー通勤をしている全従業員を対象に、CO2削減プログラムを導入し、マイカー通勤者に対してエンジン搭載車から電気自動車への乗り換えを促進しています。2017年度のマイカー通勤によるCO2排出量はおよそ3万2,000トン で、1台当たりの排出量は年間2.8トンです。
1 自動車認証データおよび以下の条件に基づいて算出

  • 日本における自動車での通勤距離の平均:年間9,300km/台
  • ガソリン車のCO2排出係数(日本国温室効果ガスインベントリ報告書2009): 0.33 kgCO2e/km
  • 東京電力株式会社によるCO2排出係数(2016年度):0.000474t -CO2/kWh
  • 日本の事業所および製造工場の従業員が対象(2017年度)
通勤からのCO2排出量
スコープ1と2のCO<sub>2</sub>排出量(売上高当たり)

カーボンクレジットカーボンクレジット

欧州における排出権取引において、日産モトール・イベリカ会社(スペイン:バルセロナ、カンタブリア)の生産拠点が対象となっています。2016年度に認証を受けたクレジット量は4万5,477トンとなりました。