大気品質大気品質

大気品質に関する方針・考え方大気品質に関する方針・考え方

生態系の劣化がかつてないほどの速度と規模で進行していると指摘される中、企業も、自らの活動が生態系へ及ぼす影響とともに、生態系がもたらす恩恵への依存をあらためて認識する必要があります。日産は、排出ガスのクリーン化とお客さまの快適な車室内環境の提供を通じて、生態系への配慮とともに、人々の生活をより健康的なものにするモビリティを追求したいと考えています。
米国の健康影響研究所(HEI)が発行する『State of Global Air 2017』では、世界の人口の92%は世界保健機関(WHO)が空気質ガイドラインで定めている微小粒子状物質(PM2.5)の基準値10μg/m3を超えている地域で生活していると報告されています。また経済協力開発機構(OECD)は、2050年までに世界の人口は90億人以上まで増加し、約70%が都市に集中すると予測しており、都市の大気汚染はより深刻な課題となります。
自動車メーカーにとって、大気汚染は気候変動や渋滞などとともに、特に都市部における課題の1つであり、解決に貢献すべく課題に向き合う必要があります。
日産は早くから厳しい自主規制や目標を設定し、「大気並みにクリーンな排出ガス」を究極の目標に、よりクリーンな燃焼を行うための技術改善や排出ガスを浄化する触媒などの開発に取り組み、各国の排出ガス規制に適合したクルマを早期に投入してきました。そして現在まで継続して、実効性の高い最先端の排出ガス低減技術を採用したクルマをより手ごろな価格で提供することにより、社会全体の環境負荷低減につなげることに努めています。
例えば米国では、2000年1月に発売した「セントラCA」が、カリフォルニア州ガソリン車としては世界で初めてPZEV(Partial Zero Emission Vehicles)クレジット適用を受けるクルマとなりました。
また、渋滞緩和など、都市の交通環境をITSの活用により改善する活動を通じて、大気の質の改善にも取り組んでいます。
また都市部における大気汚染の改善に対しては、「日産リーフ」をはじめとする走行時に排出ガスを全く排出しない電気自動車(EV)の普及は、有効な手段となります。日産はそのリーダーとして各国政府、地方自治体、電力会社やその他業界とパートナーシップを締結しながら、ゼロ・エミッションモビリティの推進およびインフラ構築のための検討を進めています。
2020年以降の実用化を目指した自動運転技術の開発が進む現在、クルマはドライバーが運転中に乗るだけのものではなくなりつつあり、長時間快適で安心に過ごせる車室を提供することがますます重要になってきます。「NGP2022」では、より多様なクルマの利用者がさらに快適に過ごすことができる車室内の空質についても研究開発を進めます。
クルマの生産工場から排出される物質としては窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、揮発性有機化合物(VOC)が代表的ですが、日産ではNOx、SOx、VOCの排出に関して厳しい対策を推進。大気に放出される物質に関する管理基準と仕組みを徹底し、使用量と排出量の双方を低減する活動に取り組んでいます。また、従来から継続しているVOCの削減についても、生産拠点で引き続き塗装工程の改善に取り組むなど、積極的に進めていきます。

大気品質に関する実績大気品質に関する実績

排出ガス規制への対応状況(乗用車のみ対象)排出ガス規制への対応状況(乗用車のみ対象)

日産は、走行中の排出ガスがゼロであるEVの開発・普及を進めるだけでなく、すべてのエンジン搭載車の排出ガスのクリーン化を継続して推進しています。現在の法規制への適合はもちろん、先進規制への対応も進めています。各国の排出ガス規制を比較することは困難であるため、地域別規制への対応状況を記載しています。


排出ガス規制への対応状況(乗用車のみ対象)
  • *PCとLCVのみ

工場からの排出ガス管理工場からの排出ガス管理

日産は、生産工場において、大気汚染物質に関する管理基準と仕組みを徹底し、使用量と排出量をともに低減する活動に取り組んでいます。また、各国それぞれの法規に対しても、より高いレベルでの対応を目指しています。
日本では、大気汚染物質として窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)の排出に関して厳しい対策を推進し、1970年代に比べそれぞれ4分の1の排出量にまで低減しています。また、塗装工程の熱源となるオーブンやボイラー設備への低NOxバーナーの採用や、使用する燃料を重油や灯油などからSOx排出量の少ない燃料へ転換するなど、NOxやSOxの排出濃度を低減してきました。

大気品質に関するデータ大気品質に関する実績

エミッションエミッション

2017年度に生産拠点から排出されたNOx、SOxの量はそれぞれ651トン、36トンになりました。NOx排出量の増加は工場でのコジェネレーションユニットの稼働時間が増えたことによります。


 
エミッション

揮発性有機化合物(VOC)排出量揮発性有機化合物(VOC)排出量

2017年度のVOC総排出量は1万1,152トンとなり、2016年度比で約7%の減少となりました。これは水系塗料への切り替えなど、VOC含有率の低い物質の採用によるものです。

 
揮発性有機化合物(VOC)排出量

VOC排出量(生産台数当たり)VOC排出量(生産台数当たり)

2017年度の生産台数当たりのVOC排出量は1.97kgとなり、2016年度に比べて7%減を達しました。

 
VOC排出量(生産台数当たり)
(地域別)
地域別:VOC排出量(生産台数当たり)

PRTR対象物質排出量*(日本)PRTR対象物質排出量*(日本)

2016年度の化学物質排出移動量届出制度(PRTR)対象物質の排出量は3,539トンで、2015年度に比べ減少となりました。塗料の変更により対象物質の使用量が減少していることから大気への排出が年々減っています。

 
PRTR対象物質排出量(日本)

* 日本のPRTRのガイドラインに基づいて算出。PRTR取扱量から製造品としての搬出量を除いた総排出量。

PRTR対象物質排出量(生産台数当たり/日本)PRTR対象物質排出量(生産台数当たり/日本)

2016年度の生産台数当たりのPRTR対象物質排出量は3.49kgとなり、2015年度に比べ約30%の減少となりました。塗料の選定などによって大気への排出量が減少しています。

PRTR対象物質排出量(生産台数当たり/日本)