2011年5月17日

日産いわき工場でのゴーン社長インタビュー

日産いわき工場にて、ゴーン社長のインタビューを実施しました。

Q1. 今回は震災以降2回目のいわき工場訪問になりますが、実際に目にした状況と工場側の説明を総合して、今は復旧のどの段階にありますか?

A1.

実に壮観でした。震災以降初めて訪れたときは、構内に人気はほとんどありませんでした。ご記憶のように、当時、福島原発の放射性物質の飛散に対する不安が広がっており、地面には亀裂が走り、天井からは外れたダクトがぶら下がり、至るところに瓦礫が散乱していました。停電と断水に加え、燃料不足にも苦しんでいたのです。

そのような中、いわき工場の皆さんは、最短期間でフル稼働の態勢を整えると約束してくれました。完全復旧した暁にはまた私を招待してくれる、と言ってくれたのです。

約束通り、これほどの短期間で完全回復を果たしてくれて心から嬉しく思います。5月17日の今日、私はこうして工場にやってきました。ご存知のように、電力と水道は復旧し、フル生産の態勢も整いました。但し、依然として一部のサプライヤーの供給問題が残っているため、実際にフル生産を行っているわけでありません。しかしながら、一部暫定措置で調整しながら、フル生産の準備は整いました。今後は必要な時間をかけて生産に支障をきたさない方法で問題解消に努めます。

いわき工場の皆さんは、強い決意と勇気とチームワークで、見事な働きを見せてくれました。また、他の多くの工場の仲間がいわき工場に力を貸してくれたことを誇りに思います。無論、いわき工場の功績ではありますが、横浜工場、ジャトコ、栃木工場をはじめとする他拠点の応援が復旧を支えました。様々な工場の大勢の人々の協力があったことに心打たれます。

Q2. ニッサンブランドとインフィニティブランドにとってのいわき工場の重要性を考えると、完全に2直体制に戻し、一日も早くフル稼働させることが求められますが、実際にフル生産を開始するのはいつごろになりますか?

A2.

10月中にフル生産に戻る見込みです。先日も言いましたように、日産全体が、制約なしのフル生産に戻るのは10月の予定です。いわき工場はそれまでにフル生産を開始します。いわき工場は従業員のパワーと強い意志のお陰で、今でも既に稼働率は75%まで回復しています。

いわき工場の皆さんによると、6月には80-85%になる見通しです。作業は順調に進んでおり、日産の工場の中で最も被害の大きかったいわき工場は、最も早く復旧を果たす工場の一つとなるでしょう。いわき工場の皆さんの功績を心から誇りに思います。

Q3. 話題を変えます。日産を含め、一部の自動車メーカーは部品の供給と電力不足を、主な課題としていますが、この二つの課題についての考えを聞かせてください。

A3.

現時点では、いわきにとって電力供給は問題ではありません。しかしながら、特に夏場の電力不足は、日産全体にとっての課題となるでしょう。日本が直面するエネルギー危機に対応するため、政府は産業界に節電を要請しています。当社も節電に取り組むと同時に、生産設備への影響を最小限に抑える活動を進めていきます。能力に見合った生産を確保できるよう、サポート部門であらゆる手を尽くします。

部品供給については、多くのサプライヤーが復旧を果たしましたが、依然として一部のサプライヤーの問題が解消されていないため、まだ完全回復には至っていません。日産単独では、フル生産の態勢が整いましたが、深刻な被害を受けた複数のサプライヤーの復旧が待たれます。従って、フル生産に戻るのは10月中だと申し上げました。

Q4. 最後の質問です。東日本大震災から2ヵ月経ちました。以来、日産社内を含め、日本全国で活躍している英雄たちについてどう思いますか?

A4.

近年、私たちは二つの深刻な危機に直面してきました。2008年から2009年の金融危機、そしてそれに続く東日本大震災です。どの危機も犠牲を伴う一方で英雄も生みだします。いわき工場でも、復旧に向けて、大勢の人々が目覚しい活躍を見せてくれました。

今日、私は英雄たちを称え、彼らの功績を認めるために来ました。いわき工場は、人知を超える自然災害にひるむことなく立ち向かう日産、ひいては日本全国の強さのシンボルといっても過言ではありません。日本が世界中の同情を集める中、苦難に果敢に挑む日本の人々の姿は尊敬と賞賛に値します。今日、こうして闘志溢れるいわき工場の皆さんの取り組みを共に喜び合えることを誇りに思います。