自動運転の新たな挑戦へ

佐野 泰仁

PROFILE

(※2013年1月取材)

2003年
東京工業大学 総合理工学研究科 知能システム科学専攻 博士課程修了後、日産自動車株式会社 総合研究所に入所。
2003年
以降、安全システムの認識、制御開発を担当。
東京大学、神埼・高橋研究室との共同研究成果を実装した衝突回避ロボットカーBR23Cを開発、CEATEC2008に出展。
2010年
The University of Oxford, Mobile Robotics GroupにSTAとして赴任。
自動運転を実現するための環境認識技術を研究。
2013年
帰国後も同大学との共同研究をベースに、自動運転システムの構築を進めている。
※ STA(Short Term Assignment):アサインされたプロジェクトに応じ、限定した期間で海外へ駐在し、プロジェクトの達成に向けた職務に従事する海外派遣プログラム。

オックスフォード大学との出会い

総合研究所の“STA(Short Term Assignment)”でイギリスのオックスフォード大学に赴任していた佐野 泰仁。世界最高峰のエリートが集まる地で、自動運転の研究に従事した。「通常は上司の推薦で選抜され赴任先が決まるSTAですが、私の場合、どうしても参加したい研究グループに自分からアポイントをとり、結果的にSTA制度を活用したカタチに。当時の私の研究をブレイクスルーさせるには、それがベストな方法だったのです」

最新の環境認識技術がもたらす自動運転の可能性

佐野が渡英前に研究していたのは、障害物を避けながらロボットカーを移動させるシステム。しかし、ある環境認識技術が自動運転の新たな可能性を開くのでは、と佐野は着目した。その技術を研究していたのが、佐野が赴任したオックスフォード大学の研究室である。

2年半に渡るSTAの集大成

「ルーチンのルートをいつもどおりに走り、いつもと違うところは考えながら走る」、新たな自動運転の実現に向けて、オックスフォード大学の環境認識技術に大きな可能性を感じたという佐野。2013年2月、佐野の2年半に渡るSTAの集大成として、イギリスで自動運転の走行実験を実施。「自動運転としてはまだ途中段階ですが、1つの布石になっていると思います」

オックスフォード大学と日産:産学連携の相乗効果

「必ず結果を残す。それが企業に属する研究者の使命」と佐野。大学側も、佐野が環境認識技術の研究を推進したことに、大きな価値を見出した。「2012年にオックスフォード大学から感謝状をいただきました。研究をサポートする日産のノウハウと技術力を高く評価してくれたようです。帰国後も大学との協力関係を続けながら、さらに研究を進めていきます」

研究に大切なのは、仲間の協力、運、そして「信じる力」

「STAを経て実感したのは、“信じる力”の大切さ。自分の研究に秘められた可能性を信じ抜かなければ、結果はついてきません」そのためには、自分の力だけでなく、仲間の協力、そして運を味方につけることも不可欠なのだと言う。「自動運転は、クルマ単体の進化だけでは終わりません。交通インフラが整えば、さらに素晴らしい自動運転が実現できるはず。そんな新しいクルマ社会の到来を信じています」

総合研究所を志望する皆さんへ

より高度な自動運転が可能になれば、クルマでの移動が、もっと快適で楽しいものになる……。そんな未来図を描く佐野。もちろん、実現には多くの時間と労力を要するが、日々大きなやりがいも感じているようだ。「技術が好きな人、物を動かすのが好きな人はもちろん、社会に新たな価値やインパクトを与えられるものを生み出したい人にもお勧めしたいですね。総合研究所には、そんな人たちの実力を存分に発揮できる環境が整っています」

世界中の精鋭が集まる環境下で「エリート像」が変わった

佐野のイギリスでの生活ぶりはどんな様子だったのだろうか。「伝統あるオックスフォードの街並みは、まさに映画『ハリー・ポッター』の世界です。研究室は世界中からのエリート研究者ばかり。みんな気さくで一日の終わりにはバーへと繰り出すこともありました。ただし、自分に与えられたミッションは何としてでも遂行させる。その実行力には本当に感服です。渡英前に比べると、エリート像が180度変わりました(笑)」

(※2013年1月取材)

INDEXへ

PAGE TOPへ