2005年1月1日に施行された自動車リサイクル法※1に基づき、2008年度 (2008年4月〜2009年3月)に実施した ASR※2 (自動車シュレッダーダスト)、エアバッグ類、フロン類の特定 3物品の再資源化等の状況を以下にご報告いたします。
自動車リサイクル法においては自動車メーカーは使用済み自動車の特定3物品の引取りと再資源化の義務を負うとともに、お客様より預託を受けたリサイクル料金によって再資源化等の業務を行っております。
当社は2008年度、ASR 132,977.7トン (633,949 台)を引き取り、101,959.2トンの再資源化を実施しました。その結果、ASR再資源化率は 76.7%となり、2015年度の法定基準である70%を昨年度に引続き達成いたしました。この実績は、リサイクル実効率95.7%※3に相当します。
エアバッグ類は 857,177個 (365,020台)を引き取り、回収処理または車上作動※4により再資源化を実施しました。エアバッグ類再資源化率は 94.6%となり、法定基準 85%を上回りました。またフロン類は 168,061.8kg (539,317台)を引き取り、適正な処理を行いました。
なお、特定3物品の再資源化等に要した費用総額は61億5,803万5,133円、リサイクル料金を収受しリサイクル等の実施時まで管理運用を担う資金管理法人から払い渡しを受けた預託金総額は62億0,219万2,794円となり、全体収支は4,415万7,661円のプラスとなりました。
これにより、2004年度-2008年度の累計収支は1億2,133万5,448円のプラスとなりました。これは1台あたり48.4円に相当します。今後も中長期でバランスが取れるよう取り組んでいきます。
当社では、自動車リサイクル法でメーカーに規定された再資源化率をすべて達成しました。今後は、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2010」で掲げた究極のゴールである「再資源化率100%:廃車の材料を、原料として100%再利用する」という目標に向けた取り組みを進めていきます。
- 新型車での取り組み
-
- 1.更なる解体・リサイクルが容易な車両設計の導入と拡大
- 2.ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等のリサイクル技術開発
- 3.再生材の使用量拡大
- 廃車のリサイクル推進
-
- 1.廃車を原料とする「材料リサイクル」を推進
- 2.「埋立量のゼロ化」への取り組み
- 3. 廃車を原料とした材料リサイクル技術の開発
- 関係される方々とのパートナーシップの構築
-
- 1.資源の循環を促進するための取り組み
- 1) リサイクル業界への情報提供
- ・使用済自動車のリサイクルマニュアルの発行
- ・銅や樹脂部品の取り外しマニュアルの発行
- 2) 「ハーネスのリサイクル設計ガイドライン」をART※5加盟5社※6共同で作成
- 1) リサイクル業界への情報提供
- 2.リサイクル業界との交流を目的とした情報誌の発行
- 1.資源の循環を促進するための取り組み
- ※1 自動車リサイクル法(正式名称は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」)第27条2項及び施行規則第29条に基づく
- ※2 ASR : Automobile Shredder Residue (自動車破砕残さ)
- ※3 リサイクル実効率:使用済み自動車リサイクル率(実効値)は、2003年5月合同審議会の資料で提示されている自動車を解体、破砕で再資源化した比率81.6%に、残りの18.4%をASR分ととらえ、同社のASR再資源化比率76.7%を乗じたものを加算し、算出したものである。
リサイクル実効率95.7%=81.6%+(18.4%×76.7%) - ※4 車両にエアバッグ類を取り付けたままの状態で、展開しリサイクルする方法
- ※5 ARTは自動車リサイクル法施行時(2005年1月)に、自動車破砕残さのリサイクルを適正、円滑かつ効率的に実施する仕組みの重要な一部として構築したチームで、いすゞ自動車、クライスラー日本、スズキ、日産自動車、日産ディーゼル工業、ピー・エー・ジー・インポート、フォードジャパン、富士重工業、マツダ、三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バス、メルセデス・ベンツ日本、財)自動車リサイクル促進センターの13法人で結成された。
- ※6 スズキ、日産自動車、富士重工業、マツダ、三菱自動車工業
「自動車リサイクル法に基づく 2008年度 再資源化等の状況」
1. 対象期間
2008年4月〜2009年3月
2. 基準の遵守状況
ASR | エアバッグ類 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
08年度 | 07年度 | 06年度 | 05年度 | 08年度 | 07年度 | 06年度 | 05年度 | ||
再資源化率 | 実績 | 76.7% | 72.0% | 73.9% | 67.9% | 94.6% | 94.3% | 94.2% | 93.5% |
基準 | 30% 以上(2005年度〜2009年度) 50% 以上(2010年度〜2014年度) 70% 以上(2015年度〜) |
85% |
ASR再資源化率の推移
3. 再資源化等の状況
ASR | ||
---|---|---|
項目 | 重量 | 台数 |
ASR再資源化量 | 101,959.2[t] ・・・[(2)-(3)]+[(5)-(6)] |
633,949 [台] |
ASR引取り総重量と使用済み自動車総台数 | 132,977.7[t] ・・・(1)+(4) |
|
ASR引取り重量および使用済み自動車台数 | 123,375.7[t] ・・・(1) |
585,860 [台] |
ASRリサイクル施設※1への投入ASR重量 | 103,870.1[t] ・・・(2) |
|
ASRリサイクル施設※1で生じた当該ASR由来の廃棄物重量※2 | 11,393.3[t] ・・・(3) |
|
委託全部再資源化※3で全部利用者に引き渡したASR重量及び使用済み自動車台数 | 9,602.0[t] ・・・(4) |
48,089 [台] |
委託全部利用したASR総重量 | 9,602.0[t] ・・・(5) |
|
委託全部利用者で生じた当該使用済み自動車由来の廃棄物重量※4 | 119.6.[t] ・・・(6) |
エアバッグ類 | ||
---|---|---|
項目 | 個数 | 台数 |
エアバッグ類引取り総個数と使用済み自動車総台数 | 857,177[個] | 365,020[台] |
取外回収個数※5および引取り台数 | 82,807[個] | 41,515[台] |
車上作動個数および引取り台数 | 774,370[個] | 323,353[台] |
一部取外回収台数および一部車上作動台数 | - | 152[台] |
再資源化施設の引取り重量※6 | 58,770.9[kg]・・・(7) |
再資源化重量 | 55,587.3[kg]・・・(8) |
公表値に一部誤りが見つかったため、下記項目の数値を修正致しました。
(2010年9月1日)
(修正項目)
エアバッグ類引取り総個数と使用済み自動車総台数
【個数】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
856,857 [個] | 857,177 [個] |
取外回収個数※5および引取り台数
【個数】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
82,800 [個] | 82,807 [個] |
車上作動個数および引取り台数
【個数】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
774,057 [個] | 774,370 [個] |
フロン類 | ||
---|---|---|
項目 | 重量 | 台数 |
フロン類引取り総重量と使用済み自動車総台数 | 168,061.8 [kg] | 539,317 [台] |
CFC引取り重量および引取り台数 | 23,948.6 [kg] | 88,007 [台] |
HFC引取り重量および引取り台数 | 144,113.2 [kg] | 451,310 [台] |
公表値に一部誤りが見つかったため、下記項目の数値を修正致しました。
(2010年9月1日)
(修正項目)
フロン類引取り総重量と使用済み自動車総台数
【重量】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
168,117.9 [kg] | 168,061.8 [kg] |
【台数】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
539,731 [台] | 539,317 [台] |
CFC引取り重量および引取り台数
【重量】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
24,055.7 [kg] | 23,948.6 [kg] |
【台数】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
88,421 [台] | 88,007 [台] |
HFC引取り重量および引取り台数
【重量】 | |
---|---|
(誤) | (正) |
144,062.2 [kg] | 144,113.2 [kg] |
- ※1 ASRリサイクル施設とは
自動車リサイクル法第28条で主務大臣の認定を取得したASR指定引取り場所のうち、施行規則第26条に定める基準に適合した施設(「基準適合施設」)。
また基準適合施設(自動車破砕残渣処理基準適合施設)および各施設の基準適合内容については、下記のART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム)のホームページより公表しておりますので、ご確認ください。 - ※2 ASRをリサイクルすることによって生じるスラグや飛灰等のうち、販売や処理されないで施設に残ったもしくは埋立処分された廃棄物の総重量。
- ※3
委託全部再資源化とは自動車リサイクル法第31条で主務大臣の認定を所得した全部再資源化業務委託先(解体事業者、プレス・せん断処理業者)と委託全部利用者(国内の電炉・転炉等)においてASRを生じさせないで、使用済自動車を再資源化する仕組み。またこの仕組みについては、下記のART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム) のホームページより説明しておりますので、ご参照ください。
- ※4 委託全部利用者で鉄鋼製品を生産する際に生じるスラグや飛灰等のうち、販売や処理されないで施設に残ったもしくは埋立処分された廃棄物の総重量。
- ※5 エアバッグ類の取外回収個数は指定引取場所において引き取った個数。
- ※6 指定引取場所で引き取った後、再資源化施設で引き取ったエアバッグ類の重量。
4. 払渡しを受けた預託金額および再資源化等に要した費用
公表値に一部誤りが見つかったため、数値を修正しました。
(2011年2月28日)
( 単位: 円 )
ASR | エアバッグ類 | フロン類 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
払い渡しを受けた 預託金 |
4,328,545,016 | 706,188,876 | 1,167,458,902 | 6,202,192,794 |
再資源化等に 要した費用 |
4,339,626,313 | 672,614,517 | 1,145,794,303 | 6,158,035,133 |
収支 | △11,081,297 | 33,574,359 | 21,664,599 | 44,157,661 |
2004年度から2008年度の累計 | ||||
---|---|---|---|---|
ASR | エアバッグ類 | フロン類 | 合計 | |
払い渡しを受けた 預託金 |
16,632,477,735 | 1,909,558,763 | 4,411,861,235 | 22,953,897,733 |
再資源化等に 要した費用 |
16,438,337,724 | 1,901,947,361 | 4,492,277,200 | 22,832,562,285 |
収支 | 194,140,011 | 7,611,402 | △80,415,965 | 121,335,448 |
5. ASRの再資源化等の取組み
日産自動車では、ART (Automobile shredder residue Recycling promotion Team 自動車破砕残さリサイクル促進チーム)を結成し、ASRの再資源化等を実施しております。
ARTとしての実績については、下記のARTのホームページより公表しておりますので、ご参照ください。