2008年6月25日

 

日産自動車株式会社
第109回定時株主総会
ゴーンCEO事業報告



はじめに
こうして株主の皆様とお話しできることを嬉しく思います。株主の皆様のご支援は、当社の成功に不可欠です。本日は総会にお越しいただきましてありがとうございます。この厳しい時代に、日産をご信頼いただきまして、改めて感謝申し上げます。

日産に投資していただいている、個人株主の方々の人数は着実に増えております。2000年以降、その数は倍増し、現在では25万人となりました。皆様の暖かいご支援に心からお礼申し上げます。

本日は成長と信頼を主眼とした向こう5年間の新たな経営計画、日産GT 2012についてご説明いたします。私どもは、長期的な価値創造に取り組むと同時に、お客さまにとってより信用できる会社、従業員にとってはよりよい雇用主、責任感のある企業市民、そして、株主の皆様にとっては信頼できる、長期的な投資先でありたいと考えています。

2007年度販売状況・財務実績
まずは2007年度の実績をご報告したいと思います。

2007年度、グローバル自動車業界は私自身がこれまで経験してきた中で最も厳しい環境下、多くの深刻な課題に直面しましたが、日産は数々の面で前進しました。

当社のグローバル販売台数は377万台に達し、前年から8%以上伸びました。主要市場である日米欧では市場占有率を拡大し、一般海外市場では初めて100万台を超える販売を果たしました。日本とアメリカという、二つの主な市場の全体需要が大きく減少する中、当社は台数を伸ばしました。

2007年度、日産はグローバルで11の新車投入を行いました。クロスオーバーのローグ、インフィニティG37クーペ、そして当社のパフォーマンスへの情熱を究極の形で表現したスーパーカーのGT-Rは大好評を博しています。2007年度は正にGT-Rの年でした。国内外のメディアが、世界中のスポーツ・カー・ファンの興奮を伝えていました。

2007年度には10の重要な新技術も投入し、「技術の日産」の評判を回復しています。その一部をご紹介しましょう。

  • バルブ作動角・リフト量連続可変システムはCO2排出量を削減し、トルクを10%向上させます。
  • ポップアップエンジンフードは衝突時にエンジンフードを跳ね上げることにより、歩行者の頭部への衝撃を緩和します。
  • アラウンドビューモニターはクルマを真上から写した画像で、リアルタイムに周囲の状況を確認できる装備です。
  • レーン・デパーチャー・プリベンションは車線維持をサポートします。

2007年度の連結財務実績は当社の増益と財務基盤の健全性を物語っています。

連結売上高は10兆8,240億円となり、前年から11.6%増大しました。

連結営業利益は7,908億円となり、前年を4.7%上回りました。連結営業利益の増加は、飛躍的な台数の拡大と、継続的な原価低減によるものです。

売上高営業利益率は7.3%となりました。
当期純利益は4,823億円となり、前年から7.4%増加しました。
2007年度末の実質手許資金は1,803億円となり、フリーキャッシュフローは4,567億円でした。最近の日経新聞の記事によると、東京証券取引所に上場している企業の中では、日産のフリーキャッシュフローは四番目に高く、自動車部門では最高でした。

単独決算の詳細については、お手数ですが第109期報告書をご参照ください。

本日は2007年度の期末配当金として一株当たり20円をご提案する予定ですが、これにより年間配当金は当初の予定通り、一株当たり40円となります。

2008年度の見通し
2008年度のグローバル販売台数は前年比3.5%増の390万台を計画しています。一般海外市場とロシアを含む東ヨーロッパを中心に拡販を見込んでいます。

2008年度にはグローバルで9車種の新型車を発売予定です。今月発売した新型車をご紹介しましょう。

  • ロシア、日本、中国に投入したティアナ
  • 米国に投入したインフィニティFX
  • 同じく米国で発売したマキシマです。

今後発売予定の新型車は

  • 9月に欧州に投入するキャシュカイ・プラス2
  • 10月に一般海外市場で発売予定のバッキー
  • 10月末に国内に投入するミニSUV
  • 11月に国内に投入するキューブ
  • 12月に国内で発売するフェアレディZ
  • 来年2月に米国で発売予定のインフィニティG37コンバーチブル

2008年度は昨年度以上に、グローバル自動車業界は激しい逆風に晒されるでしょう。原材料価格とエネルギー費の高騰、アメリカ経済、欧州経済、日本経済の低迷、為替の円高等、不利な条件が例外なく、全ての自動車メーカーに影響します。日産も、同業他社と同様の環境に直面しています。

以上の環境を鑑み、5月13日に、2008年度の業績予測を東京証券取引所に届出を行いました。連結売上高は10兆3,500億円、連結営業利益は5500億円、連結当期純利益は3,400億円を見込んでおります。

日産GT 2012
私どもの課題は、ビジネス環境を見極め、会社が長期的に好業績を維持できる計画を策定することです。新しい5年計画は日産GT 2012です。日産GT 2012のGはgrowth、成長のG、Tはtrust、信頼のTです。

本経営計画は3年ではなく、5ヵ年計画であり、期間・目的共にこれまでの経営計画とは異なります。日産は今や健全な会社であり、より長期的な展望で、これからの会社の成長と、モビリティ社会の持続可能な発展に寄与するという私どもの目指す姿の両立を追求します。

日産GT 2012では三つのコミットメントを掲げています。

一つ目はクオリティ、品質です。品質は、世界に通用する一流の自動車メーカーにとっても、誠実なブランドであり続けるためにも不可欠です。私どもは製品品質、サービスの質、ブランドの質、マネジメントの質、そして会社全体の質でリーダーとなることを目指しています。

2007年度、当社の品質向上活動は進歩を遂げました。日産は25カ国で50の商品に関わる賞をいただき、31カ国で25にのぼる販売・サービスに関わる賞を受賞しました。

数週間前、インフィニティ・ブランドはJDパワー初期品質調査において、米国におけるブランドの中で二位となりました。前年から7ランク上がりました。品質の高さは、コンシューマー・レポート誌にも評価され、インフィニティG35セダンは2008年の高級セダンの部で二年連続、一位に輝きました。

また同じく2008年JDパワー初期品質調査で、当社の栃木工場はアジア太平洋の工場賞第二位に選ばれました。栃木工場はスポーツカーや高級車であるフーガ、スカイライン、GT-R、フェアレディZ、そしてインフィニティ・モデルを生産しています。日産の品質に大きく貢献してくれた栃木工場の従業員を誇りに思います。

以上の結果から、当社が一貫して目指す、品質領域におけるリーダーの姿をご理解いただけるでしょう。私どもは高い品質に基づいて、お客さまとの信頼関係を築いています。品質は日産の優先課題であり、品質領域におけるリーダーになることは、日産GT 2012の第一のコミットメントです。

二つ目のコミットメントは日産とルノーが共に、ゼロ・エミッション車(排出ゼロのクルマ)で世界のリーダーになることです。

私どもがゼロ・エミッション車に力を入れているのは、変化する世界環境において、短期間で、重要な課題を解決できる、技術のブレークスルーをご提供したいからです。

では方向性をご説明しましょう。

グローバルな全体需要は、1990年の4600万台から6900万台に増加しました。今後どうなるかを考えてみましょう。

各国の人口に対する車両台数の比率を見ると、成熟市場と急成長を続ける新興市場との差異がご覧いただけると思います。現在、最も人口の多いインドと中国の1000人当たりの保有台数は50台以下に留まっています。

今後はどうなるでしょうか?向こう5年間、専門家の予測によると、全体需要は、インド、中国、ロシア、ブラジル、中東等、新興市場を中心に拡大します。

需要が拡大するということは、更に多くの国々で、より多くの道を、より多くのクルマが走るということですが、その一方で、原油の供給と価格、CO2排出の問題があります。クルマの需要拡大と同時に、環境保護の必要性が高まっているのです。

この二つを両立させる最善策を考えなくてはなりません。

両方に対応するための最善策は、石油に頼らない、環境負荷のないゼロ・エミッション車であると、日産は考えています。

ここでいうゼロ・エミッション車とは、電気自動車や燃料電池車等、石油を消費しない、排出ガスゼロのクルマです。燃料電池車は将来有望な技術であり、日産はその開発を進めています。しかし、水素の精製・供給は、電力やバッテリーより未だ遥かに課題があります。現在、バッテリー技術がより進んでいるため、まず電気自動車を投入します。

私どもは、2010年に米国と日本に電気自動車を投入し、2012年にはグローバルに量販する予定です。また、ルノー・日産アライアンスは、2011年にイスラエルとデンマークで電気自動車を量販する契約を交わし、他にも欧州やアジアの国々と交渉中です。

電気自動車は退屈で格好悪いという一部の声がありますが、日産の電気自動車はそうではないということを証明したいと思います。私どもは電気自動車を一車種販売するのではなく、信頼性の高い、優れた設計の、魅力ある、乗って楽しい高品質の電気自動車のラインアップをご提供する予定です。

バッテリーを除くと、電気自動車は、同様のサイズの従来のクルマとほぼ同等のコストになるでしょう。バッテリーのリース料と電気料金を合算すると、ガソリン価格より安くなる見込みです。ガソリン価格が今のように高水準で推移した場合、電気自動車は遥かに魅力的なご提案となるでしょう。

言うまでもないことですが、日産はCO2排出量を削減する様々な環境技術の開発を続けています。ガソリン・エンジンの改良、クリーン・ディーゼル、ハイブリッド、フレックス燃料、燃料電池等です。この9月にはクリーン・ディーゼルを搭載したエクストレイルを国内に投入し、2010年にはクリーン・ディーゼルのマキシマを米国に投入します。日産独自のハイブリッド車も発売予定です。

現在、環境に優しいクルマに対する関心が高まっている中、電気自動車の潜在需要は大きいと考えています。電気自動車の量販を通じて当社が世界のリーダーになるチャンスです。ゼロ・エミッション車は、地球とお客さまのために役立ち、日産のビジョンとその実力に対するご信頼を獲得する上で重要な役割を果たしてくれると信じています。

日産GT 2012の三つ目のコミットメントは、本計画の5年間、平均で売上高を5%増大させることです。基本的に、売上高を支えるのは次の4点です。

  • 新商品
  • 新技術
  • 市場の拡大
  • 事業の拡大 です。

新商品
まず商品計画についてお話しさせていただきます。日産GT 2012では、2012年度までに60の新型車の発売を予定しています。これは平均でひと月に一車種新型車を投入する計算になります。60の内、三分の二は現行車の後継モデル、三分の一はグローバルな新規投入です。

現在、適切なラインアップが揃わない、或いはプレゼンスがないという理由から、当社はグローバル市場の21%をカバーしていません。2012年度までには世界中のほぼ全ての市場とセグメントに参入します。

新技術
引き続き、新型車と共に、数多くの新しい技術を投入します。

今年度の前半には、10の新技術を商品化します。例えばCO2の排出量を抑える新しいクリーンディーゼルエンジン、低コストとクリーンな排気を実現する超低貴金属触媒、薄暮時を検知して点灯するスマート・オート・ヘッドライト、自動巻取り機能を持つインテリジェント・シートベルト等です。

日産GT 2012では、毎年15以上の新技術を投入予定です。

当社はこの8年間、一環した投資を行い、研究開発力の強化に努めてきました。技術センターとシステムの強化、専門性の強化等を目的に活動を進めてきたのです。これらの投資活動によって、日産の技術者は、情熱を持てるプロジェクトに取り組み、年々成果を生み出しています。今後の技術の投入計画では、環境に優しく、安全性を向上させ、動力性能を伸ばし、もしくは主に内装に関わるライフ・オン・ボードの満足度を向上させる先進技術が数多く用意されています。

市場の拡大
売上高の増大を支えるもう一つの取り組みは市場の拡大です。先ほど、今後の全体需要の拡大は新興市場を中心に見込んでいると申し上げました。従って、当社も急成長を続ける、益々重要性が高まっている新興市場に力を入れています。

  • インドではパートナーと手を組み、インド市場への参入を迅速に進めています。今月、ルノーと共に、新しいチェンナイの乗用車組立工場の起工式を行いました。アショック・レイランド社とは、小型商用車事業の合弁事業を開始します。バジャージ社とは、超低コスト車の準備を進めています。ホーバー社とは、販売・マーケティングと販売店の拡大で連携します。インドにおける当社の販売台数は2012年度には20万台以上に達する見込みです。
  • ブラジルでは、市場のカバー率を拡大するべく、コスト意識の高い、初めてクルマを購入されるお客さまにとって、魅力あるエントリーカーを発売します。ブラジルにおける当社の販売は10万台を超える見込みです。
  • 中国では、日産は日系メーカーで唯一、かなりの小型商用車のプレゼンスを誇っていますが、今後は乗用車にも更に重点を置いて、成長を加速します。2012年度までには販売台数は現在のほぼ二倍に増加するでしょう。
  • ロシアでは、小型商用車市場に参入すると共に、乗用車の販売台数を日産GT 2012の期間中に倍増させます。重要車種の現地生産は、サンクト・ペテルブルグの新工場で2009年に開始します。最近発表しました自動車メーカー、アフトヴァズ社との提携で、ロシアと近隣市場における、ルノー・日産アライアンスの発展の新たなチャンスが広がるでしょう。
  • 中東では、販売台数が現在の二倍に増加し、市場占有率も大幅に伸びる見込みです。

従来からの市場である日・米・欧の重要性は変わりませんが、成長著しい新興市場を最大限に活かします。先ほどご紹介しました5つの地域では、日産GT 2012の間に販売を100万台増やす予定です。2012年度には、BRICs諸国における販売は、日産の総販売台数の25%以上を占めることになるでしょう。

事業の拡大
売上高の増大に寄与する4つ目の要素は事業の拡大です。これは、インフィニティ、小型商用車、そして新規参入するエントリーカーラインアップのロードマップに関わる取り組みです。

インフィニティについては、日産GT 2012の期間中に、販売台数を倍増させると同時に、トップレベルの収益性を確保します。インフィニティの商品ラインアップの拡充と、インフィニティ・ブランドのプレゼンスの拡大を図ります。2012年度には、インフィニティは世界のラグジュアリーカー市場の95%をカバーすることになります。当初、主としてアメリカ国内に限られていたインフィニティはグローバル・ブランドに進化します。既に韓国、ロシア、中国、ウクライナに投入し、今年の10月には西ヨーロッパに上陸します。

小型商用車事業でも大きな成長を計画しています。小型商用車には、シビリアンのようなバス、アトラスのような多目的の小型トラック、キャラバンのような中型バン、クリッパーのような軽のバン、NP300のようなピックアップトラック等があります。また、小型商用車には救急車、ダンプトラック、福祉車両等、様々な特装・架装車も含まれます。

2007年度、日産は世界中の73%の市場で小型商用車を販売しましたが、カバー率は今後も拡大します。日産GT 2012の終了時には、ほぼ全ての世界市場を網羅し、グローバルなお客さまとそれぞれの地域のお客さまに対応することになるでしょう。既に小型商用車で確固たる地位を確立している日本、欧州、中国、メキシコではプレゼンスを更に強化し、米国、インド、ロシアといった新たな市場にも参入します。例えば中国やメキシコでは、日産は既に小型商用車市場のリーダーです。

小型商用車のラインアップを拡充し、売上高を倍増させます。小型商用車事業は、日産GT 2012の期間中、全社平均を上回る営業利益率を達成する見込みです。

また、グローバルなエントリーカーの新規ラインアップを揃えることで、より幅広いお客さまに手頃なクルマをご提供することができるでしょう。この計画は二つの面から成っています。ひとつめは、少なくとも三車種のエントリーカーを揃えることです。第一弾は2010年初旬に生産を始める予定です。ふたつめは、アライアンスの商品である超低コスト車をバジャージ社と開発し、2011年に発売する予定です。現在、日産にはエントリーカーがないため、大きな可能性を秘めています。

このように、今後の成長は現在の状況から大きく変化する新興市場と、現在とは全く異なる新しい商品によって実現します。3年後、5年後に求められる電気自動車や超低コスト車のようなクルマは現在は存在していません。

私どもは、将来の競争環境を見据えて、今、投資や活動を行っています。

今後も、ルノー・日産アライアンスが、当社の競争力を支えます。ルノー・日産アライアンスを締結した当初、両社は主にベスト・プラクティスを共有し、相乗効果を生み出すことに集中していました。両社のパートナーシップが成熟するに伴ない、両社は単にデータを共有するだけに留まらず、より高い事業目標達成を目指し、共同工場の設立や開発の分担まで行うようになりました。最近の発表内容がそれを物語っています。

  • インドでは、アライアンスによる超低コスト車の準備を進めると共に、チェンナイに共同工場を建設中です。年間生産能力は40万台となる予定です。
  • モロッコでは生産複合施設を新設し、年間40万台の生産能力を確保します。
  • ロシアでは、アフトヴァズ社と共に、新たな機会を模索しています。
  • そしてゼロ・エミッション戦略では、両社共同で電気自動車の量販に向けて一歩を踏み出しました。

アライアンスはこれで力を発揮し尽したわけではありません。当初から、ルノー・日産アライアンスは価値創造を目的として、それを実現してきました。事実、第三者機関の調査によると、これまでの自動車業界における提携・合併の中で、ルノー・日産アライアンスは唯一の成功例です。

ルノー・日産アライアンスには今後も更に大きな力を発揮する余地があります。現在、アフトヴァズ社を加えると、当アライアンスのグローバル販売台数は700万台を超え、グローバル自動車業界で四番目に大きな自動車グループとなりました。当社の今年度及び来年度の成長の予測を考えると、2010年末までには三位に躍り出る可能性があります。

株主価値
私どもは、日産GT 2012にも、会社の業績にも自信がありますが、厳しい競争環境も考慮しなくてはなりません。本日ご説明しました三つの重要なコミットメントに加えて、業績と収益性の軌道を維持するべく、社内ガイドを設けています。主な指標はグローバル販売台数、売上高営業利益率、そしてフリーキャッシュフローです。フリーキャッシュフローはあらゆる財務的な要素を網羅し、今後の会社の価値創造の可能性と、財務基盤の健全性を計る尺度です。

これまでの経営計画と同様に、向こう数年間の配当政策を株主の皆様に発表します。2008年度は一株当たり42円、2009年度は一株当たり44円、2010年度は一株当たり46円の配当金をご提案する予定です。

2010年度には、2011年度と2012年度の配当政策を発表します。

まとめ
日産は成長と信頼を強化していきたいと申し上げました。成長を支えるのは包括的且つ多様な商品ラインアップで、その一部をこの会場の外に展示しております。また、革新、クルマに搭載する数々の技術、交通全般に対する先進的なソリューションである電気自動車やアライアンスの超低コスト車も成長を支えます。更に、事業の拡大と世界中の新規市場への参入も成長に寄与します。

では信頼を支えるのは何でしょうか?
確かな財務実績、持続可能な環境への対応、そして卓越した品質と安全性が信頼を築きます。また、社会貢献も信頼を支えます。企業とはヒトの集団です。日産は、長年に亘り、事業を行っている地域社会に貢献して参りました。

パネル展示をご覧いただければ、教育支援や自然災害時の人道支援等、様々な活動についてご理解いただけるでしょう。では最近の取り組みの一部をご紹介します。

  • 国内では、小学生に、教室でクルマづくりの世界を知ってもらうための、ものづくりキャラバンを実施しています。
  • 南アフリカでは、移動型クリニックによる、目の医療サービスを、農村地帯の何千人もの子供たちを対象に提供しています。
  • アメリカでは、非営利の国際的なNGOである、ハビタット・フォー・ヒューマニティとの協力のもと、従業員ボランティアの力を借りて、手頃な、環境に優しい住宅建築に参加しています。
  • また、緊急支援として、最近発生した国内の地震と中国四川省の大地震、サイクロン「ナルギス」によるミャンマーの被害に対して、義援金を拠出しました。

以上のような活動と、企業の社会貢献の分野におけるより幅広い取り組みについては、毎年、定時株主総会と同時期に公開しております当社の最新のサステナビリティ・レポートをご参照ください。

また、従業員の就業環境の改善を通じて、人々の生活にも投資を行っています。例えば人材に投資し、多様性の促進や、教育の機会を広げています。設備にも資金を投じ、インフラの整備や新しい職場を世界中で新設しています。

本日は、現在建設中の横浜の新しい世界本社の模型をお持ちしました。新本社屋は建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)最高ランク「Sランク」を取得しています。環境に優しいビル建設に配慮し、省エネ、リサイクル、自然環境保護を目的とする多くの革新的な技術を採用しています。来年、開設予定の新本社で、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。新本社は日産のグローバルな価値創造の中心となります。

株主の皆様は、本日紹介した全ての取り組みのパートナーです。皆様の力強いご支援が、持続可能な未来を実現し、人々の生活を豊かにするのです。私どもは、皆様に誇りに思っていただけるような企業になりたいと考えています。

以上