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034

バリアを張ってクルマを守る

地球が大気で覆われていることはよく知られている。けれども、何層もの大気が我々を守っていることはあまり知られていない。日産の安全に対する考え方も似ている。何重にも張り巡らせたバリアで、危険を近づけないようにしているのだ。

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2014/03/04

何重もの層が地球を守る
地球が大気で覆われていることはよく知られている。けれども、何層もの大気がわれわれを守ってくれていることはあまり知られていない。
地表からおよそ10〜17kmの高度までが対流圏。その上が成層圏で、この中にはオゾン層がある。オゾン層は、太陽が発する有害な紫外線の多くをカットしてくれる。成層圏の上が中間圏で、隕石のほとんどはここで燃え尽きる。
このように、地球は何層かのバリアで守られている。日産の安全に対する考え方も似ている。何重にも張り巡らせたバリアで、なるべく危険を近づけないようにしているのだ。
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月の表面のクレーターは、隕石の衝突によって生じたとされる。もし大気が守ってくれなければ、月と同じように地球にも無数の隕石が衝突したはずだ。
交通事故ゼロの社会を目指す
クルマの安全性能は飛躍的に向上している。1970年に交通事故で亡くなった方の数は1万6765人。対して 2013年は4411人だから、43年間で約4分の1にまで減ったのだ。乗員を守るボディや、シートベルトやエアバッグなど、「衝突した時に機能する安全技術」の進化が理由にあげられる。
ただし事故の件数や交通事故による負傷者の数は、あまり変わっていない。つまり安全なクルマ社会を実現するためには、事故そのものを減らす「衝突しないための安全技術」が必要なのだ。この技術を確立すれば、事故ゼロの社会を実現することが可能かもしれないのだ。
衝突しないためには、危険を近づけないことが重要となる。何重ものバリアで危険を近づけない考え方を、日産はセーフティ・シールドと呼ぶ。前回、前々回で紹介したエマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、BSW(Blind Spot Warning:後側方車両検知警報)、LDW(Lane Departure Warning:車線逸脱防止支援システム)といった技術は、いずれもドライバーを危険な領域に近づけないための技術である。
3つの過程で危険を避ける
危険に近づけないために、まず車両が周囲を認知する。エマージェンシーブレーキであれば先行車両との距離や速度差、LDWであれば白線と自車両の位置関係を認知する。
認知の次の段階は、危険な状態にあるかどうかの判断だ。エマージェンシーブレーキを例にとれば、認知した内容から衝突の可能性を判断する。
衝突の可能性が高いと判断すると、次はアクションだ。警報を発してドライバーに報知したり、衝突が避けられないと判断すると自動的に緊急ブレーキをかけるなど、ドライバーの回避操作を支援する。セーフティー・シールドの技術は、この「認知」→「判断」→「アクション」の3つの過程でそれぞれドライバーを支援し、危険を近づけないよう働くのだ。
危険に近づけないことで事故を未然に防ぐという領域の技術はさらに進化を遂げ、広がりを見せるだろう。車両周囲の状況を認知するための技術は年々進歩しているし、それは判断とアクションの領域でも同じだ。将来、自動運転車が実現するときも、ここで紹介したセーフティ・シールドの考え方は基盤技術のひとつとなる。