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021

車は「電動化」の時代へ

近年、自動車は「電動化」の道を進んでいる。燃費を向上させることが主なねらいだ。すでに“電気自動車”も登場した。自動車が私たちの“足”となって100 年と少し。時代は今、新たな転換点を迎えようとしている。

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2012/12/12

ハイブリッドカーがますます身近になってきた

こんな実験をした記憶はないだろうか。電池とモーターをつなげ、モーターにギアをかませ、最終的にはタイヤを動かして、小さな自動車模型を走らせる。小学校の理科の授業にもある実験である。
この実験では、モーターを使うことで電気エネルギーを運動エネルギーに変換している。実はこの逆も可能である。つまり、モーターに電気を流すと回転し、モーターを外部からのエネルギーで回すと電気が発生する。

モーターを使ってエネルギーを電気にかえる

自動車には「エンジン」が積まれている。エンジンは、内部で燃料(ガソリン)を爆発させ、その力を利用して運動エネルギーをつくり出す。近年、自動車メーカー各社は、もう一つの運動エネルギー源を搭載する方向で開発を進めている。それが模型でおなじみの、電気で動く「モーター」だ。
自動車はアクセルを踏むことでエンジンが動き、速度を上げる。エンジンの動力を運動エネルギーに変え、速度を上げているわけだ。逆に、速度を落とすときは、運動エネルギーを減らせばよい。ブレーキを踏んだときやアクセルから足を離したときに、摩擦や空気抵抗などを受け、運動エネルギーが失われ速度が下がる。ドライバーはこれらの現象をうまく使って、速度を調整しながら車を運転しているのだ。
こうした減速時に失われる運動エネルギーを、一部でも回収する方法はないだろうか。それを可能にするのがモーターだ。アクセルから足を離して惰性で徐々に減速しながら走行しているとき、あるいはブレーキを踏んで減速しているとき、タイヤの回転する力でモーターを回せば運動エネルギーを電気に変えることができる。そうすれば、燃料を使うことなく、モーターから電気を生むことができるのだ。これを「エネルギー回生」という。こうしてつくられた電気は、バッテリーに蓄えられる。
新たな電動化のかたち
このページでは日産自動車のセレナの例をあげた。イラストでは,回収されるエネルギーの流れを図解している。
shev_sub.jpg
※赤色の矢印:エネルギーの流れ、黄色の矢印:電気エネルギーの流れ

①走りはじめを助ける
エンジンの力をとくに必要とするのは「走りはじめ」だ。燃料も多く消費する。
そこで、モーターを使って、このエンジンを助ける。結果として、燃費も向上する。
②カーナビなどを動かす
バッテリーに貯蓄した電気だけでカーステレオやカーナビを動かす。これだけでも燃費は大きく向上する。
③エネルギーを逃がさない
エネルギー回生で回収した電気は、バッテリーに貯蓄される。

いろいろな“電動化” がやってきた

今、市場にはさまざまな電気自動車やハイブリッドカーが登場している。このうち、ハイブリッドカーは、エンジンとモーターの両方を積みこんで、エネルギー回生をうまく使いながら、エンジンの駆動を少しでも抑えようとする。たとえば、停車中はエンジンを止めて(アイドリングストップ)、カーステレオやカーナビをバッテリーの電気だけで動かすだけでなく、走行中にエンジンをモーターの力で助けたりする。
一つ問題があるとすれば、ハイブリッドカーはいまだ高価なものが多いという点である。エンジンのほかにモーターや大きなバッテリーを搭載する必要があるからで、専用設計の車体が必要であったり、車内が狭くなっているものが多い。
しかし今、「電動化の選択肢 」はふえようとしている。モーターやバッテリーなどを搭載するとしても、既存の自動車にそのまま積むことのできる小さなサイズにしたものが登場した。たとえば、2012 年にリニューアルした日産のセレナがそうだ。もちろん、大きなモーターとバッテリーを積んでいるタイプのハイブリッドカーと比較すれば、電気のできることは限定される。しかし、確実に燃費は向上する。かつ室内空間を犠牲にすることもなく低コストで実現できるため、本体価格をあまり上昇させずにも済むのだ。私たちは、各々の希望に応じた、さまざまな電動化の段階にある自動車を選べる時代になってきたのである。