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CVTの進化(第二部)- 切磋琢磨するライバル

トランスミッション進化論」エンジンには、燃費良く走れる回転域が存在する。トランスミッションでその“スイートスポット”を積極的に使うことで燃費がよくなるのだ。

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2013/04/03

トランスミッションが燃費に貢献するメカニズム
前回は、オートマチックトランスミッションには3つの種類があることと、中でもユニークなCVTの仕組みを学んだ。おさらいすると、自動車のオートマチックトランスミッションは主に次の3種類となる。通常の有段オートマチックトランスミッション(以下AT)、デュアルクラッチ式トランスミッション(以下DCT)、無段変速機(CVT: Continuously Variable Transmission)の3つだ。

ATに続いてCVTとDCTが登場、多くの自動車に搭載され、いずれのトランスミッションも燃費の向上を目指して日々進化を続けている。ここで、自動車の燃費とトランスミッションの関係を知っておく必要がある。トランスミッションは、ふたつの方法で自動車の燃費をよくすることができる。
ひとつはトランスミッション自体の伝達効率を上げること。トランスミッションの伝達効率が上がれば、それだけエンジンの力を損失なくタイヤに伝えることができるようになる。
もうひとつは、トランスミッションがエンジンの効率のいい領域を使えるようにすること。エンジンの効率の良い部分を使うとは、どのようなことだろうか。それぞれのエンジンには、燃費良く走れる回転域が存在するが、トランスミッションでその“スイートスポット”を積極的に使うことで燃費がよくなるのだ。伝達効率とエンジンの効率を掛けあわせた結果(パワートレインの効率)が、車の燃費に大きく影響するため、どのトランスミッションも双方の効率を上げようと改良を重ねているが、主たるアプローチには差がある。特に対照的な、DCTとCVTのアプローチを見てみよう。
CVTとDCTの加速時におけるエンジン効率の比較
cvt2_main.jpg
上図は発進~加速~巡航におけるCVTとDCTを比較した図。エンジンにとって効率のいい領域(緑の領域)を早い段階から連続して使うことで優れた燃費を実現できるのだ。
DCTは「デュアルクラッチ式」という名称からもわかるように、2つのクラッチが備わる。奇数段用(1速、3速、5速)と偶数段用(2速、4速、6速)のクラッチを備え、変速する時には次のギアに入っているので素早い変速が可能である。このDCTは、トランスミッションの伝達効率を上げることで、燃費を向上させようというアプローチをとっている。マニュアルトランスミッションと同じような構造を持ち、高い伝達効率を持つDCTは、特に高速を巡航するような場面で、燃費をのばすことができる。
エンジンの“おいしい部分”を上手に使うCVT
対するCVTは、エンジンの効率のよい部分を使うことで燃費を向上させる。前回解説したように、CVTは変速比を自由に設定でき、スムースな変速と走りが特徴だ。広い変速比幅と自由に設定できる変速比で、低い速度から高い速度まで、どんなスピードで走っているときも、エンジンの燃費が良い領域を使う使い続けることができる。つまりCVTは、エンジンが持つポテンシャルを最大限に引き出すことで燃費をよくしようとする仕組みだ。DCTと比較すると、CVTは停止状態からスタートしてすぐにエンジンの効率がいい部分を使うことができるという特徴がある。

CVTは年々進化を続けており、課題と言われてきた伝達効率は大幅に改善された。また、変速比幅も拡大している。低いスピードからハイスピードまで、従来よりも幅広い速度域で最適なエンジン回転数で走ることができるのだ。メカニズムだけでなく、CVTを制御するソフトも進化を続けている。アクセル操作やハンドル操作などからドライバーの意図を読み取り、最適なシフトコントロールを行うのだ。燃費の改善はもちろん、思った通りに走るという面でも、CVTの性能は向上している。前述したように、トランスミッションの性能向上は、自動車の燃費をよくするために欠かせない。3種類の代表的なトランスミッションは、これからもさらに進化を続けるはずだ。

CVTの進化(第一部)
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