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あるむらに うさぎが すんで おりました。
なまえは ミミヨッポと いいました。
ある日 ミミヨッポは じぶんの つかって
いた いどが こわれてしまったので、きれ
いな 水を くみに でかけました。
すると いえから すこし はなれた と
ころに、いまはもう つかわれなくなった
ふるいどが あるのを みつけました。
「おや、こんなところに いどが あるぞ、
まだ つかえるかなあ、のぞいてみよう。」
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ミミヨッポは いどを おおっている つる
草や、のせてある いたを よいしょと ど
けて、いどの中を そっと のぞきこみまし
た。
いどの中は まっくらでしたが、そこのほう
は キラキラしていて 水が あるようでし
た。
「お水は ありますかー」
ミミヨッポは いどのそこに むけて さけびました。
すると、いどの中から こえが しました。
ミミヨッポは もう一ど みを のりだして
おみみを まっすぐ いどのそこに むけて
さけびました。
「お水は ありますかー」
と、その とたん・・・
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ミミヨッポは よろよろ よろけて、いどの
中に おこっちて しまいました。
「うわあー」
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バッシャーン、ブクブクブクブクー
そして、水の中に おっこちて しまいまし
た。
ぐいっと ふかく もぐると いどは むこ
うへと つづいて いました。
「このいどは どこまで あるのだろう」
ミミヨッポは さぐってみることにしました。 |
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いどは どこまでも どこまでも つづきま
す。
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やがて、ひろい ところに でました。
ミミヨッポは、めのまえに みおぼえのある
生きものを みつけ、こえを かけました。
「やあ ザリガニくん」
「だれだい きみは。ぼくは りくに すむ
ザリガニなんかじゃないよ、うみに すむ
イセエビだよ」
「そうか、ここは うみなのか」
ミミヨッポは、うみのそこに でたのでした。
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うみは ミミヨッポが それまで みたこと
の ない せかいで、うみの中を およぎま
わるのは、たいへん きもちが いいもので
した。
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ミミヨッポは そこで、いくせんぼんの い
られた やのように、すぎてゆく サンマの
たいぐんを ながめたり、くねくね おどる
かいそうを とっては たべたり しました。
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ミミヨッポが、おみやげにと、きれいな 貝
を ひろい あつめていると、アザラシが
やってきて こえを かけました。
「きみは だれだい」
「ぼくは うさぎの ミミヨッポと いうの。」
「ふーん、きみと ぼくらは おかおが よ
く にているね、けれど ぼくらには その
きみの あたまに ついている ものは な
いよ、それは なに?」
「これはね、おみみだよ。おとを きく お
みみだよ。ぼくは にげあしが はやいから
おとを きいて すぐに にげられる よう
に、おみみが おおきいのさ」
ミミヨッポは そう こたえると、アザラシ
たちは ゆかいに あたりを およぎまわり
ながら いいました。
「へえー いいな、いいね」
ミミヨッポは とても うれしい きぶんに
なりました。
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そうしていると、あたりが なんだか きゅ
うに さわがしく なってきました。
「きたのかな、きたのかね」
アザラシたちは そう うわさすると、ミミ
ヨッポにも にげるようにと いって とう
くに いってしまいました。
さかなたちや、イカや、エビや、うつぼや、
貝までも、みな いっせいに かくれだし、
あるものは いわばのかげ、あるものは か
いそうの中、また、あるものは すなの中に
もぐり、ミミヨッポも いそいで かくれま
した。 |
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まわりの かいそうが あらしのように ゆ
れだして、あらわれたのは クジラです。
クジラは、ゴーウゴーウと おとを たてて
ゆっくりと 大きく おを ゆらしながら
さってゆきました。
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「だれだ ここに はいってきたのは」
ひくい こえが きこえて ミミヨッポが
ふりむくと そこに いたのは、たくさんの
たまごを まもっていた タコでした。
バァーバァー
タコは まっくろい すすを はきだし、た
ちまち あたりを まっくらに してしまい
ました。
「うわあ なにも みえないよー」
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ピチチチー チチチチー
ピヨピヨピヨ、ブーン
モー モー
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きが つくと、ミミヨッポは いどの わき
で よこたわっており、そばに うしが お
りました。
「いったい ぼくは いままで・・・」
ミミヨッポは うしに これまでの ことを
はなしました。
そして、ふたの あいたままの いどを の
ぞきこみました。
やはり 中は くらく そこのほうは キラ
キラして 水が あるようでした。
ミミヨッポが 「おーい」と さけぶと
「おーい」と こえが して、うしが 「モ
ー」と さけぶと 「モー」と こえが い
どの中から きこえました。 |
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ミミヨッポは、うしの つかっている 水ば
を つかわせて もらうことに しました。
いどに ふたを して、石を のせると、バ
ケツを もって、うしと いっしょに ある
きだしました。
「また、あそんでね、ミミヨッポ」と いど
は おもいました。 |
(おわり) |