投資家の皆様へ

現在位置
TOP > 投資家の皆様へ > CEOメッセージ

CEOメッセージ

取締役会長兼社長 最高経営責任者 カルロス ゴーン
取締役会長兼社長
最高経営責任者 カルロス ゴーン

2008年度は厳しい年となりました。日産を含め、自動車業界は、世界的な金融危機、厳しい景気後退、そして為替レートの変動という三つの課題に直面しました。政府は速やかに事態の収拾に乗り出し、世界各国で景気刺激策が実施されています。しかしながら、本格的な回復には時間がかかるため、2009年度も厳しい状況が続きそうです。

2008年度に景気のかげりが最初に見えた時点で、日産は迅速に対処し、現状を踏まえた対策に着手しました。当社は業績回復に集中するべく、5ヵ年計画の「日産GT 2012」の一時中断を決定し、優先順位の高い事業目標に焦点を絞ると同時に、リカバリー・プランを実行に移しました。新たな3地域体制に移行し、各地域内でのシナジーの最大化を目指しています。また、危機を乗り越える上での指針となる、リカバリー・プランの策定と実行を指揮するチーフ・リカバリー・オフィサー(CRO)というポストを新設しました。リカバリー・プランには、可能な限り早くフリーキャッシュフローをプラスにし、営業利益を黒字化するという二つの目的があります。

キャッシュ確保もリカバリー・プランの一環です。2008年度、当社は速やかにグローバル在庫の抑制に対処し、今後も販売、在庫、生産台数のバランスを慎重に図っていきます。さらに、経済危機終息の目処が立つまで、設備投資の一部を延期、削減、あるいは中止しています。

また、利益改善を目的とした取り組みも行っています。モノづくりコストの削減は、リカバリー・プランでもっとも重要な役目を果たします。生産調整にともない、台当りコストの削減が困難を極める中、モノづくり機能部署である開発、購買、生産、サプライチェーン・マネジメントはサプライヤーとの協力のもと、利益改善に向けた具体的な実行計画を策定しています。主な好機は、部品種類の削減と為替レートによるものです。モノづくりコストの削減は「日産リバイバルプラン」を成功に導いた鍵でしたが、それはこのリカバリー・プランにおいても同様です。

日産の2008年度通期の業績は第3四半期に発表した予測を上回りました。売上高は8兆4,370億円、営業損失は1,379億円と、ともに予測より良い結果となりました。しかし、業績の水準自体には、まだ複数の大きな課題が残っているといわざるを得ません。危機は続いており、市況は依然として激しく変動しています。

危機が過ぎ去ったと判断する基準は二つあります。一つ目はグローバル市場の減少に歯止めがかかること。もう一つは当期純利益がプラスに転じ、その水準を維持する目処がつくことです。

グローバル経済で信用収縮が改善しない限り、フリーキャッシュフローを先行指標としますが、当面の課題のみに取り組むことで、将来のビジョンを犠牲にすることはありません。日産は短期と長期の目標のバランスをとることで、現在の厳しい環境を耐え抜き、自動車業界で起こりつつある大きな変化に備えていきます。今回の危機によって守勢に回らざるを得ない面はあるものの、日産はあらゆる好機を追求していきます。

従来の魅力的な競争力のある商品ラインアップの刷新に加えて、当社は画期的な商品を提案していきます。当社は現在、グローバルエントリーカーとゼロ・エミッション車という二つのプロジェクトに取り組んでいます。適切な商品を適切な市場に適切な時期に投入することが、この二大プロジェクトを支える戦略です。

世界的な経済危機とそれ以降の環境では、手ごろな、燃費の良いクルマが求められています。手ごろな価格のエントリーカー市場は新興諸国を中心に着実に伸びており、この傾向は今後も続くでしょう。新型のグローバルエントリーカーの生産準備は着々と進んでおり、Bセグメント車に匹敵する広さ、技術、快適性と、Aセグメント車の燃費と維持費を両立させます。

また、当社はゼロ・エミッション車でリーダーになることを目標とした戦略も進めています。まずは電気自動車の発売を控えており、生産計画も予定通り進行しています。電気自動車の中核技術にあたる、日産のラミネート構造を採用したコンパクトリチウムイオン電池は座間にある関係会社のオートモーティブエナジーサプライ株式会社(AESC)で生産しています。当社は17年にわたり、バッテリー技術の開発に取り組んでおり、この先進バッテリー技術を求める同業他社からもすでに受注をいただいております。当社のゼロ・エミッション戦略は車両の販売に留まらない、独自の構想です。この新たな電気自動車の量産には、インフラの整備と、政府や第三者機関との連携を通じてお客さまにご購入いただきやすい環境を整えることが不可欠です。これこそが日産のビジョンであり、その実現に向けて積極的に取り組んでいます。

グローバル自動車産業は巨大な変化の波にさらされ、変貌しつつあります。合従連衡の真っ只中にある自動車業界で、ルノー・日産アライアンスは10年にわたる確かなパートナーシップに基づいた、他に類のない、意義深い取り組みです。

10年間の経験を経て、ルノー・日産アライアンスはシナジーをさらに強化・拡大し、一段高いレベルに移行しようとしています。共通化・標準化をさらに推し進め、競争優位性を高めます。2009年度にアライアンス全体で、1,800億円にのぼるフリーキャッシュフローを生み出すシナジー創出を目的とする計画を策定しました。新たに発足した専任のアライアンス・チームのもと、購買、グローバル調達、共通プラットフォーム・共用部品、パワートレイン、サポート機能、グローバル物流、IS/IT、研究・先行開発、そしてゼロ・エミッション事業を中心にシナジー創出に努めます。

10年前、ルノー・日産アライアンス発足当初、日産は危機に対処する力があることを立証しました。当時と同様の迅速な対応が今回の危機でも効果を発揮します。日産は危機に適応し、対処する術を心得ていますが、それだけではありません。日産にはゼロ・エミッション車や画期的なグローバルエントリーカー等、革新的なモノづくりを支える知識とスキルがあります。アライアンスのもたらした規模の経済により、危機に対処すると同時に、将来技術に投資することが可能です。多様な人財とルノーとのアライアンスは当社の強みです。

日産はこの難局を打開し、必ずや勝ち残ります。やる気溢れる世界中の日産社員が、あらゆる課題に挑み、全力を尽くしています。業績改善に向けた対策の徹底で、日産は現在の危機を乗り越えるだけでなく、好機溢れる将来に備えることができるでしょう。

Carlos Ghosn

ビジョン

日産:人々の生活を豊かに

ミッション

私たち日産は、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、 その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供します。それらはルノーとの提携のもとに行っていきます。

ページトップへ