
取締役会長兼社長
最高経営責任者
カルロス ゴーン
近年でもっとも厳しい年となった2007年度、日産は確かな業績を残しました。これは日産社員の底力の証です。当社は急速に変化するグローバル競争に参加する一方で、より高い目標を目指し、学び続けてきました。
今後も引き続き私たちの実力は試されるでしょう。
自動車業界は成熟市場の大半が低迷する中、新興市場の成長も減速しつつあります。相次ぐ金融機関の破綻、信用収縮、大規模な公的資金の注入等、グローバル金融市場に不安が広がっています。専門家の多くは金融危機が2010年まで続くと予想しており、リスクを見極めるのは難しいとしています。
金融市場が混乱する中でも日産は、焦点を絞り、統制のとれた舵取りで、この嵐を乗り切り、そして景気回復の際には成長する態勢を整えなくてはなりません。
当社の進むべき進路を示すのは新たな経営計画です。「日産GT 2012」は、成長と信頼を主眼とし、これからの会社の成長と、持続可能な発展の両立を目的としています。本計画の掲げる全社的な3つのコミットメントが、向こう5年間の当社の優先事項です。
1つ目は世界に通用する一流の自動車メーカーにとっても、誠実なブランドであり続けるために不可欠な、品質に関わるコミットメントです。当社は製品品質、サービスの質、ブランドの質、マネジメントの質、そして会社全体の質で業界スタンダードとなることを目指しています。それぞれの領域のナンバーワンと比較して、遜色のない品質水準を達成し、お客さまをはじめ、すべてのステークホルダーとの信頼関係を強化していきます。
2つ目はルノーと共に、ゼロ・エミッション車で世界のリーダーとなることです。2010年に米国と日本に電気自動車を投入し、2012年にはグローバルに量販する予定です。日産は現在、もっとも差し迫った環境問題に応えるクルマを、次世代の技術とともに、より魅力的なモビリティとしてご提案します。
3つ目のコミットメントは2008年度から2012年までの5年間、平均で売上高を5%増大させることです。売上高の増大を支えるのは商品計画です。乗用車の着実な投入を計画する一方で、2010年には小型商用車の投入も世界中で加速させます。
今後もルノー・日産アライアンスが当社の成長を支えます。私たちはあらゆる領域で、戦略的な展開を進めています。インドとモロッコでは、多額の投資を行い、生産複合施設を新設中です。また、より多くのお客さまにモビリティを楽しんでいただくために、アライアンス超低コスト車の準備を進めています。ロシアではルノーのパートナーであるアフトヴァズ社とともに、新たな機会を模索しています。日産とルノーは共同で電気自動車の量販に取り組み、ゼロ・エミッション車で世界のリーダーを目指しています。今後もルノー・日産アライアンスは、これまでプレゼンスを築いてきた市場と新たな成長市場で、積極的に価値創造を追求していきます。
「日産GT 2012」を開始した現在、各社は深刻な課題に直面していますが、この状況は未来永劫に続くわけではありません。経営陣は慎重に2008年度の収益とキャッシュフローを確保すると同時に、2009年度、2010年度の業績を支えます。この数年間で決断してきた戦略と対策の結果、日産はよりお客さま視点を取り入れ、ブランド力を強化し、確かな財務基盤を築いてきました。再び成長軌道に乗れば、当社は適切な商品、適切な技術、そして適切な業績を実現するでしょう。
「日産GT 2012」は向こう5年間の方向を明示しています。逆風に屈することなく、私たちは発展途上の市場の成長と、持続可能なモビリティの時代の可能性に希望を託しています。成長と信頼は経営計画の目標を超えた、日産の持続可能性に欠かすことのできないテーマです。

ビジョン
日産:人々の生活を豊かに
ミッション
私たち日産は、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、 その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供します。それらはルノーとの提携のもとに行っていきます。

