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日産 童話と絵本のグランプリ
第33回(2016年度)選評

あまん きみこ
童話作家

 一次審査を通った候補作の束がつくと、新しい出会いを期待してどきどきします。期待どおりでない時もありましたが、今回は楽しい思いを様々な形でもらいました。
 気になったのは、もう少しのところで後退りをした惜しい作品です。その作品を前にした時「もう少しよ。がんばれがんばれ」と呟きたくなりました。作品を送り出す前、どの位推敲されたでしょうか。その時「言い訳なし」のお気持ちでしたか。どうぞ自分の作品世界を大事に育ててください。あなたの「もう少し」はきっと消える筈ですから。


富安 陽子
童話作家

 今回初めて選考に参加させて頂きましたが、拝見した応募作はどれも、発想が豊かで、イメージを形にしていくための文章や絵の力も充実した秀作揃いでした。
 しかし一方で、これだけの腕前を持ち、題材を得ながら、何故もっと作品を磨き上げなかったのだろうという歯痒さも残りました。磨けばきっと輝く原石のような作品も散見しただけに、ちょっと残念です。ビアトリクス・ポッターの言葉ではありませんが、目指すは“Polish! Polish! Polish!”――。どうか更なる研磨と鍛錬を。


宮川 健郎
(一財)大阪国際児童文学振興財団 理事長

 童話の部の選考にはじめて加わりました。選考委員会では、あまんきみこさん、富安陽子さんと話し合って、中でも特におもしろい作品を大賞、優秀賞にえらぶことができました。
 「こめとぎゆうれいのよねこさん」「ピョンタとあっくん」「ひょうくりと踊る夏」「ビリケンさんの足のうら」――それぞれ独自な味わいの作品なのに、どの作品にも、子どもを見守るまなざしがあります。そして、このまなざしこそが童話や絵本を成立させるものかもしれません。ご受賞おめでとうございます。


杉田 豊
絵本作家

 30数年前、鳥越信先生が始められた日産グランプリも33回になりました。感慨深く思います。童話は藤田圭雄先生が中心。絵本は、太田大八先生と私。
 それから毎年今年はどんな優れた作品に出会えるかと楽しみでした。私が優れた作品と認めるのは、誰もが出来る技術的な完成度だけでは無く、独特の味の未来像を現せられる事です。因みに絵本では筋立て、文章も大切ですが、絵本の著名な国際コンクールでは、文章は参考で、唯一の絵と選ばれた時にグランプリが決まります。


篠崎 三朗
絵本画家

 多彩な作品の中から期待と緊張感をもって選ばさせていただきました。ご存知の通り絵本は絵画とは異なり、ドラマを構成していくような表現力が必要となります。
 応募された数多くの作品に見受けられたのは、それぞれのページの完成度は高いのですが、一冊の絵本としてのトータルな流れの中での場面の展開、空気感、説得力ある表現力等々の足りない作品が数多く見受けられました。
 このようなことを加味しながら、新しい絵本創りに挑戦することを願っています。


志賀 俊之
日産自動車(株)副会長

 「日産 童話と絵本のグランプリ」は日産自動車が取り組む社会貢献活動の中で最も長い歴史を持つ活動です。この活動を通じて優れた才能をもつ新人作家を世に送り出し、子どもたちに素晴らしい作品を届けるお手伝いができることを誇りに思います。社会の変容に伴い、子どもたちの取り巻く環境も大きく変わってきていますが、良質の童話や絵本が子どもたちにもたらす価値は、いつの時代も変わりません。
 次世代を担う子どもたちが童話や絵本を通じて豊かな想像力を育み、未来を創造する力を養ってくれることを願って、今後も皆様のご協力を頂きながら、「日産 童話と絵本のグランプリ」を大きく育ててまいります。



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