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| 第22回絵本の部・優秀賞 |
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ぼくの畑だぞ
作/成田 良和
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とつぜん、パパが畑をかりた。
なんでも市役所という ところが おおきな市民農園を、
はじめてつくり、100人くらいを 募集 したらしい。
だだぴろく、整地されているだけの場所で、
パパが、かりたところは 9坪のひろさ なんだそうだ。
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ぼくが さいしょに、おおきなスコップで ほりおこしたんだ。
そのあと 妹が、ウンウンいいながら ちいさいスコップで ほっていた。
日曜日になると、パパは畑にいこうと ぼくを さそう。
わからないわけでは ないけれど、
小学6年生にもなると、塾にも いかなくてはならないし、
いえで テレビゲームをしているほうが、ましだと 思っている。
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日曜日、畑では いっせいに 種をまいたり 苗をうえたりで、おおにぎわいだ。
ここで ぼくは、はじめて 知った。
種をねらって、カラスが むれをなして やってくることを。
ぼくたちが かえったあと、カラスはなんと 土をほじくりかえし 種をたべるんだ。
種の ありかが、わかるらしい『カラス あなどれん!!』
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ママは洗濯物が ふえるからと、まったく畑にいく けはい がない。
でも、そのわりには『スーパーで、ニンジンが たかいから つくると助かるわ』
といって、あれこれ 口をだしてくる。
おとこの ぼくとしては、パパに加勢して たくさん つくろうと決心した。
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夏になると ひるまは、暑いので
朝5時くらいに でかけるか、
夕方すずしくなってから でかけるのか、どちらかだ。
お百姓さんの苦労が、すこしわかったような きがした。
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あるちき、妹が畑のまんなかに、穴を ほりはじめた。
畑に いくたびに、穴を おおきくするものだから、
雨がふって、池のように なってしまった。
『まったく、なにを かんがえているんだか』
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パパと園芸店へ いって、ぼくはイチゴの苗を かった。
畑のなかに、ぼくだけのイチゴ畑を ひもで かこって つくった。
イチゴがなったら ママに売って、おこずかいを かせぐぞと 思っていたら いつのまにか、妹も ひもで かこって イチゴ畑を つくりだしていた。
妹なんかに負けるものか、ぼくのほうが ぜったい あまいはずだ。
妹には ないしょで、あとから肥料を しっかり やっているからね!!
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そうそう、いま 思いだても むねがドキドキする。
サツマイモの収穫のとき、おおきなスコップで いっきに ほりおこしたら
な、なんと ヘビが いっしょにとびだしてきた。
『ひやあー』
みんな、いちもくさんに とびのいた! 心臓が とびだした!!
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さあ、収穫だ。
トウモロコシ と トマト 、ナス 、大根 、ニンジン 、タマネギ 、それに スイカ。
『ばんざい!! ばんざい!! 大量 大量!!』
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いちねんが すぎて、また春がきた。
おおきな おおきな市民農園では、いちめん菜の花畑、
花の においが、風にのって やってくる。
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畑では、たくさんのひとが 集まって つくっているから、
いろんなことを おしえてくれる。
ぼくは、畑でつくる やさいで、季節がわかるようになった。
それに、
なんといっても、空気が きもちいいて いうか、
畑にくると、なんか 落ち着くんだよね。
たから、ぼくは 思う、
ここは ぼくの畑だぞ てね。
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成田 良和(なりた よしかず)
52歳 会社員(経理) 岐阜県岐阜市
<受賞のことば>
一番喜んでくれたであろう、父と母(久美子・日本画家)のお墓に報告ができました。描くほどに、絵本としての完成度をもっと高めなければと痛感しています。絵本の主人公を含め家族全員(5人)で表彰式に行くぞと、毎夜盛り上がっています。本当にありがとうございました。
●第18回ニッサン童話と絵本のグランプリ優秀賞
●第19回ニッサン童話と絵本のグランプリ佳作 |
短評
重厚な色づかいに圧倒される中、後半の明るい展開はみごと。汗を流して収穫の喜びを得るというテーマは、現代の重要な問題を訴えていて好感がもてる一方、この絵における人物表現は子どもに伝わるかは疑問。(向川 幹雄) |
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