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| 第20回絵本の部・優秀賞 |
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楽園のはじまり 〜ノアの箱舟 その後のものがたり〜
作/suika
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はるかむかし、かみさまは地球上のあらそいごとにいかり、
世界をきよめるために大洪水をおこしました。
かみさまは、ノアという人間に箱舟をつくらせ、
あらゆる動物を一対づつのせるようにお告げをしていました。
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ようやく洪水がおさまり、
箱舟から動物たちが一対づつおりてきました。
地上になんにもなくなってしまったけど、みんな なにができる?
ノアがさけびました。
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タマゴなら産めますコッコ。
ミルクならしぼれるモ〜。
ハチミツなら集められますブンブン。
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麦なら見つけられるチュンチュン。
きのこなら探せるキャッキャッ。
しゃけはつかまえられるウォ〜。
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クルミなら集められるピョコ。
水なら運べますチャプチャプ。
木いちごなら集められるニョロ。
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かつおぶしなら探してこれるニャ〜。
キャベツなら見つけられますヒラヒラ。
火ならおこせるよ。
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みんなで助け合って分け合えば
なんとかやっていけそうだね。
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ちょっとまってくれ。
みんなのは はらの足しにならないよ。
しゃけを分けるなんてまっぴらさ。
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……。
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みんなと、くまはべつべつに行動することになりました。
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さいしょの日、ノアたちは すずめがどこからか
はこんできた麦をひいて、小麦粉をたくさんつくりました。
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くまはしゃけをとりました。
しゃけはおもしろいようにとれました。
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ノアたちは、小麦粉に ペリカンが運んできた新鮮な水をまぜ、
こねはじめました。
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くまは しゃけを食べはじめました。
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ノアたちは、最後にリスが集めてきたくるみを入れ、火をつけると
あたりにパンの焼けるいいにおいがたちこめてきました。
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くまは しゃけを食べていました。
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ノアたちは、みんなでくるみパンを少しづつ分けあって食べました。
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くまは しゃけをむちゅうで食べていました。
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つぎの日は、ウシからしぼったミルクと
ニワトリのタマゴを小麦粉にまぜ、ホットケーキを焼きました。
ハチが集めてきたハチミツをとろ〜りとかけ、
みんなで分け合って食べました。
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ホットケーキのいいにおいがただよってきました。
くまは しゃけをむちゅうで食べていました。
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つぎの日は、小麦粉でケーキを焼き、
タマゴの白身をあわだてたクリームをたっぷりぬりました。
ヘビの集めてきた木いちごをすてきにかざりつけて、
みんなで分け合って食べました。
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木いちごケーキのあまいにおいがただよってきました。
くまは 少しにおいをかいで またしゃけを食べはじめました。
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つぎの日は、ニワトリのタマゴとサルが探してきたきのこをつかって、ふわふわのオムレツを焼きました。
ふんわりとろとろのうちに、みんなで分け合って食べました。
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オムレツのおいしそうなにおいがふんわりただよってきました。
くまは しゃけに少しあきてきました。
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つぎの日は、チョウの見つけてきたキャベツをきざみ、
タマゴと小麦粉をまぜてお好み焼きを焼きました。
ネコがかつおぶしをけずり、みんなで分け合って食べました。
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お好み焼きのジュウジュウ焼けるにおいがただよってきました。
くまは しゃけにもうあきてしまいました。
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……。
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やっぱりなかまにいれて…。
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ノアたちは、クマがもってきたしゃけをこまかく切ってなべに入れました。
そしてウシからしぼったミルクをそそぎ、
サルのきのことチョウのキャベツも入れていっしょにグツグツ煮込みました。
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しゃけときのこの うまみがたっぷりしみこんだクリームシチューが
できあがりました。
あたたかいうちにみんなでふーふー言って食べました。
楽園のはじまりを予感させる味がしました。
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suika
30代 主婦 長野県南安曇郡
<受賞のことば>
「ニッサン童話と絵本のグランプリ」はハイセンスで芸術的な作品が受賞する印象があったので、まさか自分の作品が賞をいただけるとは夢にも思いませんでした。こんな快挙は二度とはないと思います。ありがとうございました。 |
短評
上品な色調、様式化された動物たちの愛らしさ、それにまとまりあるストーリーが印象的です。洪水が去ったあと、ノアたちが食べるものの中に、お好み焼きやかつお節が登場するというユーモアが全体に漂っています。(松岡 享子) |
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