第15回絵本の部 (大 賞)

「AROUND THE MIDNIGHT」

上 田 英津子


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表紙
1ページ
ゆっくりと、夜が降りてきました。
今夜のドレスはとてもきれいな星模様。
2ページ
ドレスのすそがふんわりゆれると
小さな風が生まれます。
子供の風は、とんだり、はねたり、
じっとなんてしていません。
電線をヒュウヒュウならして吹き下り
てきます。
3ページ
風にふかれてタバコのにおい。
夜の街は静かにまぶしい。
今夜は満月です。
4ページ
月の光は、街中の屋根を銀色に光らせ
ます。屋根のあいまから夜のリズムが
聞こえはじめました。
5ページ
路地裏では、真夜中のセッションの始
まりです。
6ページ
ドコン、ボコン、ドコン、ボカン。
リズムにのって、ドラム嬢が足早に通
りすぎます。
7ページ
夜のリズムはビル男のたくさんの窓を
とおりぬけ街中に響きわたります。
8ページ
この街には海があります。
夜の海はとてもにぎやかです。
9ページ
みさきのさきっちょには灯台男がいま
す。「こんばんは、こんばんは、いい
お晩です。風向き上々、波の高さも良
い具合い。こんばんは、こんばんは、
何かいいニュースはありませんか?」
10ページ
海坊子がまたいたずらしています。
「いけませんよ、やりすぎは」
灯台男はたまに、注意もしたりします。
11ページ
この海には、鳥の島があります。
彼がいつもつりをしているこの島です。
12ページ
満月の夜、この島に住む鳥達はいっせ
いに、ゆきのたまごを降らせます。
13ページ
たまご、たまご、たまご
14ページ
街中の空に雪のたまごが舞い下ります。
15ページ
今晩は雪になりました。
ゆっくりと、夜はふけてゆきます。


(おわり)

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